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ルカ(聖夜月ルカ)

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072. 単独行動

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「今日はいろいろとお疲れになったでしょう?
それにしても、あなたはすごく冷静なんですね。
あなたみたいに冷静な人は初めてです。」

リビングのソファーに腰掛けていると、ミシアが俺に向かってそんなことを呟いた。



「いいえ。そんなことはありませんよ。
混乱していて言葉が出ないだけです。」

まさか、俺がわざわざここに来たことがバレるはずはないとは思ったが、あまりに落ちついているのも不自然かと思い、俺はそんな風に答えた。



「大丈夫ですよ。
何も心配はありませんからね!
ここにいる人達は皆ほとんどあなたと同じ状況なんですから。」

「あなたも…」

俺が言葉を言い切らないうちに、扉を叩く音がした。



「あ…きっとロッキーさんだわ。」

ミシアが玄関に走り、しばらくするとミシアと共に眼鏡をかけた中年の男が入って来た。



「世夜さん、こちらはカウンセラーのロッキーさんです。
これからはなんでもこの方に相談して下さいね。」

「初めまして、世夜さん。
ようこそ、ドアーズへ。」

まただ…役所の女と同じフレーズを言われ、俺はうんざりとした想いを感じた。
しかし、そんなことは表情には出さず、作り笑顔でロッキーに挨拶をした。

「初めまして、ロッキーさん。
俺は、楼咲世夜。
どうぞよろしくお願いします。」

「あなたが戸惑われるのも当たり前のことです。
こんなことが起こったら、誰だって混乱しますよ。
でも、安心して下さいね。
私達があなたのお力になりますからね。」

それから、ミシアとロッキーが二人がかりでこの世界のことを説明してくれた。
誰かが作ったのか、自然に出来たのかわからないこの世界・ドアーズ。
ここにいる人間は大半が外の世界から青い扉を通って来てしまった者だが、その者達が結ばれて出来た子供達も少なくはないらしい。
実はミシアもここで生まれたそうだ。
この世界は最初はもっと人口も少なく原始的な世界だったそうだが、皆が働き、支えあってここまで発展したということだった。
詳しいことは図書館にあるドアーズの歴史の本でわかるという。
そんな話を聞いているうちに、俺はここがメリーの話とはずいぶん違う理由を見いだした。

 
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