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076. 野望
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優しい陽の光…ゆっくりと流れ行く白い雲…
心地良い風が頬をなでながら、それと同時に甘い花の香りを運んで来る…
ただ、傍らで気持ち良さげに眠っている翠の寝息がほんの少し耳障りなだけ…
(……こういうのが、幸せって奴なのかもしれないな…)
耳障りなはずの翠の寝息でさえも、いつの間にか楊俊の耳には子守唄のように届いていた。
「楊俊さま~~~!」
そんな気持ちの良い空間に水を差すように、突然の皺がれた大声が響いた。
不快感を眉間の皺に置き換えて、ゆっくりと声の方に目をやれば、見知った老人が大きな荷物を持って走って来るのが楊俊の目に映る。
「……李雲…何の用だ?騒々しいな…」
「楊俊様!見て下さい!」
山茶花村の村長・李雲は楊俊の不機嫌な顔にも全く動じず、手に持った袋から何やらごそごそと取り出した。
「これが楊俊様の…で、こっちが私の…」
満面に笑みを浮かべる李雲が取り出したものは、色鮮やかなアロハシャツと海パンだった。
「楊俊様、ご存知ですか?
これはアローハシャツというもので、南国で流行っているものらしいですぞ。
ナウでヤングな洋品店で買い求めて参りました。」
李雲はアロハシャツを広げ、誇らしげに語った。
「……そのくらい知っている…
ところで、このきわどいブーメランパンツを私にはけというのか?」
「それは!」
李雲は、極めて生地の少ないレインボーカラーの海パンをひったくると、もう一枚のノーマルな海パンを楊俊の前に差し出した。
「こっちは、私めのものでございます。
楊俊様のはこちらです。」
楊俊の軽蔑の眼にも気付かずに、李雲ははにかんだような笑みを浮かべた。
「……それで……一体、何なんだ?
海水浴にでも行こうと言うのか?」
「もう~~っっ!
楊俊様ったら、本当にお人が悪い…!
……わかってるくせに…」
「何のことだ?」
冷静に答える楊俊に、李雲は口許に手を添え、小声で囁いた。
「少し気が早いですが…女人島へ行く時のためのものですよ。」
囁いた李雲の顔には、とろけそうな笑顔が浮かんでいた。
心地良い風が頬をなでながら、それと同時に甘い花の香りを運んで来る…
ただ、傍らで気持ち良さげに眠っている翠の寝息がほんの少し耳障りなだけ…
(……こういうのが、幸せって奴なのかもしれないな…)
耳障りなはずの翠の寝息でさえも、いつの間にか楊俊の耳には子守唄のように届いていた。
「楊俊さま~~~!」
そんな気持ちの良い空間に水を差すように、突然の皺がれた大声が響いた。
不快感を眉間の皺に置き換えて、ゆっくりと声の方に目をやれば、見知った老人が大きな荷物を持って走って来るのが楊俊の目に映る。
「……李雲…何の用だ?騒々しいな…」
「楊俊様!見て下さい!」
山茶花村の村長・李雲は楊俊の不機嫌な顔にも全く動じず、手に持った袋から何やらごそごそと取り出した。
「これが楊俊様の…で、こっちが私の…」
満面に笑みを浮かべる李雲が取り出したものは、色鮮やかなアロハシャツと海パンだった。
「楊俊様、ご存知ですか?
これはアローハシャツというもので、南国で流行っているものらしいですぞ。
ナウでヤングな洋品店で買い求めて参りました。」
李雲はアロハシャツを広げ、誇らしげに語った。
「……そのくらい知っている…
ところで、このきわどいブーメランパンツを私にはけというのか?」
「それは!」
李雲は、極めて生地の少ないレインボーカラーの海パンをひったくると、もう一枚のノーマルな海パンを楊俊の前に差し出した。
「こっちは、私めのものでございます。
楊俊様のはこちらです。」
楊俊の軽蔑の眼にも気付かずに、李雲ははにかんだような笑みを浮かべた。
「……それで……一体、何なんだ?
海水浴にでも行こうと言うのか?」
「もう~~っっ!
楊俊様ったら、本当にお人が悪い…!
……わかってるくせに…」
「何のことだ?」
冷静に答える楊俊に、李雲は口許に手を添え、小声で囁いた。
「少し気が早いですが…女人島へ行く時のためのものですよ。」
囁いた李雲の顔には、とろけそうな笑顔が浮かんでいた。
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