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076. 野望
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「さて、後攻はエントリーナンバー50番、胡燕さんの剣の舞です。
張りきってどうぞ~!」
元気の良い昭和的な紹介とはおよそ不似合いな荘厳な音楽が流れ出す。
舞台中央でスポットライトに浮かび上がった胡燕は、凛々しく勇ましい。
女性達の溜息が束になって、会場を埋め尽くす。
流れるような動作で剣を操る胡燕には、無駄な動きが一切ない。
所々に置かれた野菜や果物を物の見事に斬り付けながら、胡燕は剣を手に華麗に舞い踊る。
最後には、四方から空中高くに放り投げられた林檎を、誰の目にも止まらない勢いで剣を振り回し、全て見事に真っ二つに斬り裂いた。
その技に、皆、心酔し、拍手をすることさえ忘れる程だった。
一瞬の間を置き、会場は割れんばかりの拍手に包まれる。
(地味だから心配しておったが、意外とウケた!
ただ…若い子達はやはり楊俊様の派手なパフォーマンスにひかれるかもしれん…
あぁ、心配じゃ。
神様お願いです!
どうか…どうか、胡燕殿を勝たせて下され!!)
舞台裏で李雲は両手を合わせて神に祈った。
「では、もう一度お二人に登場していただきましょう。
楊俊さん、胡燕さん、どうぞーーー!」
二人の登場により、会場は再び異常な程の熱気に包まれる。
「皆様、いよいよ投票です!
それでは、こちらの楊俊さんが良いと思われる方は赤、こちらの胡燕さんが良いと思われた方は白いうちわをあげて下さい。
皆様、お気持ちは決まりましたか?
……では……どうぞ!!」
会場を埋め尽した30000人の観客は、思い思いにうちわを上げる。
その数を、野鳥の会のメンバーが数人がかりでぱちぱちとカウントしていく。
しばらくしてその結果が関係者の元に届けられた。
*
「皆様、ついに第28回イケメンコンテストの優勝者が決定致しました!」
派手なドラムロールの中、天井からキラキラに装飾された隣り合った二つの電光掲示板がするすると降りて来る。
「では、発表です!」
電光掲示板が、思わせぶりに点滅を繰り返し、そして大きなシンバルの音と共に二つの数字を表した。
張りきってどうぞ~!」
元気の良い昭和的な紹介とはおよそ不似合いな荘厳な音楽が流れ出す。
舞台中央でスポットライトに浮かび上がった胡燕は、凛々しく勇ましい。
女性達の溜息が束になって、会場を埋め尽くす。
流れるような動作で剣を操る胡燕には、無駄な動きが一切ない。
所々に置かれた野菜や果物を物の見事に斬り付けながら、胡燕は剣を手に華麗に舞い踊る。
最後には、四方から空中高くに放り投げられた林檎を、誰の目にも止まらない勢いで剣を振り回し、全て見事に真っ二つに斬り裂いた。
その技に、皆、心酔し、拍手をすることさえ忘れる程だった。
一瞬の間を置き、会場は割れんばかりの拍手に包まれる。
(地味だから心配しておったが、意外とウケた!
ただ…若い子達はやはり楊俊様の派手なパフォーマンスにひかれるかもしれん…
あぁ、心配じゃ。
神様お願いです!
どうか…どうか、胡燕殿を勝たせて下され!!)
舞台裏で李雲は両手を合わせて神に祈った。
「では、もう一度お二人に登場していただきましょう。
楊俊さん、胡燕さん、どうぞーーー!」
二人の登場により、会場は再び異常な程の熱気に包まれる。
「皆様、いよいよ投票です!
それでは、こちらの楊俊さんが良いと思われる方は赤、こちらの胡燕さんが良いと思われた方は白いうちわをあげて下さい。
皆様、お気持ちは決まりましたか?
……では……どうぞ!!」
会場を埋め尽した30000人の観客は、思い思いにうちわを上げる。
その数を、野鳥の会のメンバーが数人がかりでぱちぱちとカウントしていく。
しばらくしてその結果が関係者の元に届けられた。
*
「皆様、ついに第28回イケメンコンテストの優勝者が決定致しました!」
派手なドラムロールの中、天井からキラキラに装飾された隣り合った二つの電光掲示板がするすると降りて来る。
「では、発表です!」
電光掲示板が、思わせぶりに点滅を繰り返し、そして大きなシンバルの音と共に二つの数字を表した。
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