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082. 飛燕
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「マルタン、缶詰は買っといた方が良いかな?
それとも今あるやつで……
……あれ……?」
顔を上げたリュックは、あたりを見渡した。
人の往来は少なくはないが、マルタンの赤い髪は遠くにいてもよく目立つ。
しかし、リュックはその髪をみつけることは出来なかった。
(……ったく。
どこ行ってんだか…)
小さな溜め息を吐いたリュックは、豆の缶詰を四つ買い求め、背中の袋に詰め込んだ。
(それにしても、今日は良い天気だな…
風が気持ち良い…)
青い空のずっと向こうで、眩し過ぎない太陽が柔らかな日差しを降り注ぐ。
あまりの気持ち良さに眠りに誘われそうになるリュックを、心地良い風が頬をそっと撫でて目覚めさせる。
「あ……」
まだどこかぼんやりとしたリュックの目の端に映ったものは風に揺れる長い金の髪。
それを見た途端、リュックの鼓動は早鐘を打ち出した。
(ナディア…!)
背の高い男性と何事かを楽しげに話すその女性が、男性の腕に自分の腕を絡めて不意に後ろを振り向いた。
その瞬間、リュックの緊張は一気に解れ、穏やかな笑みが浮かんだ。
リュックは俯いて小さく首を振ると、商店街を抜け、宿に向かって歩き出す。
その途中には広い空き地があった。
子供が楽しめそうな遊具の一つもない場所だが、それでもこの町の住民達がこの場所を気に入っていることは明らかだった。
木陰で本を読む者、昼寝を楽しむ者、少し早めの昼食を頬張る者、片隅に咲く花に微笑む者…各々が好き勝手にのどかな時を過ごしていた。
そのまま宿に戻ろうかと考えつつも、この陽気に部屋の中にいる事をもったいなく感じ、リュックは適当な場所をみつけ、腰を降ろした。
(マルタンはもう宿に帰ったのかな?
もしまだだったらきっとここを通るよな…少し待ってみるか…)
リュックは背中の袋を枕に、その場に横になった。
目の前に広がる青い空を見上げながら、リュックはつい先程のことを思い出していた。
(さっきは本当にびっくりしたな…こんな所にナディアがいるわけないのに…
……どうしてるかな。元気にしてるだろうか…
……今も、俺のこと、覚えてくれてるかな…)
リュックの脳裏に、美しいナディアの笑顔が思い浮かんだ。
それとも今あるやつで……
……あれ……?」
顔を上げたリュックは、あたりを見渡した。
人の往来は少なくはないが、マルタンの赤い髪は遠くにいてもよく目立つ。
しかし、リュックはその髪をみつけることは出来なかった。
(……ったく。
どこ行ってんだか…)
小さな溜め息を吐いたリュックは、豆の缶詰を四つ買い求め、背中の袋に詰め込んだ。
(それにしても、今日は良い天気だな…
風が気持ち良い…)
青い空のずっと向こうで、眩し過ぎない太陽が柔らかな日差しを降り注ぐ。
あまりの気持ち良さに眠りに誘われそうになるリュックを、心地良い風が頬をそっと撫でて目覚めさせる。
「あ……」
まだどこかぼんやりとしたリュックの目の端に映ったものは風に揺れる長い金の髪。
それを見た途端、リュックの鼓動は早鐘を打ち出した。
(ナディア…!)
背の高い男性と何事かを楽しげに話すその女性が、男性の腕に自分の腕を絡めて不意に後ろを振り向いた。
その瞬間、リュックの緊張は一気に解れ、穏やかな笑みが浮かんだ。
リュックは俯いて小さく首を振ると、商店街を抜け、宿に向かって歩き出す。
その途中には広い空き地があった。
子供が楽しめそうな遊具の一つもない場所だが、それでもこの町の住民達がこの場所を気に入っていることは明らかだった。
木陰で本を読む者、昼寝を楽しむ者、少し早めの昼食を頬張る者、片隅に咲く花に微笑む者…各々が好き勝手にのどかな時を過ごしていた。
そのまま宿に戻ろうかと考えつつも、この陽気に部屋の中にいる事をもったいなく感じ、リュックは適当な場所をみつけ、腰を降ろした。
(マルタンはもう宿に帰ったのかな?
もしまだだったらきっとここを通るよな…少し待ってみるか…)
リュックは背中の袋を枕に、その場に横になった。
目の前に広がる青い空を見上げながら、リュックはつい先程のことを思い出していた。
(さっきは本当にびっくりしたな…こんな所にナディアがいるわけないのに…
……どうしてるかな。元気にしてるだろうか…
……今も、俺のこと、覚えてくれてるかな…)
リュックの脳裏に、美しいナディアの笑顔が思い浮かんだ。
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