590 / 697
084. 箱の中身
4
しおりを挟む
「おまえ…今の話は本当なのか?」
「君の前の人は3年だったからまぁ運が良かった方だね。
今頃、彼は元の場所に帰ってるよ…
長い人はね、百年以上ここにいる人もいるんだよ。」
箱うさぎの話を聞いて、俺はあることを思い出した。
そうだ…!
あのコンビニが出来てすぐの頃、店員が突然行方不明になったことがあった。
そしたら、あのコンビニにのあった場所は元は墓場だったとか、コンビニには霊がいるとかいかにも胡散臭い噂が立って、それ以来、なんとなく人が寄りつかなくなったんだ…
俺はそんなことは信じないタイプだから、気にもしてなかったけど…
「まさか、その店員が…!」
「そうだよ。
店員があのコンビニで箱を開けちゃったんだね。
店の片隅にあったあの箱…今まで誰も開けなかったんだね。
3年間も誰も気付かなかったのか、それとも興味を示さなかったか…
その箱を、今になって誰かが宅配便の荷物と間違えて積み込んだか不審な荷物だったからわざと積み込んだのかもしれないね。
最近は物騒な事件もよくあるからね。」
(そういえば、あのコンビニは年配の夫婦がオーナーで、いなくなったのはバイトの若い店員だ…
今までは2人でやってたはずなのに今日は若い店員が1人いたが、あいつがあの箱を積みこんだのか?)
「詳しいことは僕にはわからない…
じゃ、僕、もう行くから…」
「行くってどこに…?!」
「僕は箱うさぎ。
箱の中の箱うさぎ。」
「おい!何、わけわからないことを…
お、おいっ!
待て!待てよ!!」
箱うさぎは俺の声を無視して走ってどこかへ行ってしまった…
残された俺は…
果てしなく広がる箱の世界の中で、何もせず、ただ待つしかないのだ…
あの廃工場のあの箱を誰かが開けてくれるその日まで、ずっと1人で…
この大きくて小さい箱の中で…ずっとずっと…
…END
「君の前の人は3年だったからまぁ運が良かった方だね。
今頃、彼は元の場所に帰ってるよ…
長い人はね、百年以上ここにいる人もいるんだよ。」
箱うさぎの話を聞いて、俺はあることを思い出した。
そうだ…!
あのコンビニが出来てすぐの頃、店員が突然行方不明になったことがあった。
そしたら、あのコンビニにのあった場所は元は墓場だったとか、コンビニには霊がいるとかいかにも胡散臭い噂が立って、それ以来、なんとなく人が寄りつかなくなったんだ…
俺はそんなことは信じないタイプだから、気にもしてなかったけど…
「まさか、その店員が…!」
「そうだよ。
店員があのコンビニで箱を開けちゃったんだね。
店の片隅にあったあの箱…今まで誰も開けなかったんだね。
3年間も誰も気付かなかったのか、それとも興味を示さなかったか…
その箱を、今になって誰かが宅配便の荷物と間違えて積み込んだか不審な荷物だったからわざと積み込んだのかもしれないね。
最近は物騒な事件もよくあるからね。」
(そういえば、あのコンビニは年配の夫婦がオーナーで、いなくなったのはバイトの若い店員だ…
今までは2人でやってたはずなのに今日は若い店員が1人いたが、あいつがあの箱を積みこんだのか?)
「詳しいことは僕にはわからない…
じゃ、僕、もう行くから…」
「行くってどこに…?!」
「僕は箱うさぎ。
箱の中の箱うさぎ。」
「おい!何、わけわからないことを…
お、おいっ!
待て!待てよ!!」
箱うさぎは俺の声を無視して走ってどこかへ行ってしまった…
残された俺は…
果てしなく広がる箱の世界の中で、何もせず、ただ待つしかないのだ…
あの廃工場のあの箱を誰かが開けてくれるその日まで、ずっと1人で…
この大きくて小さい箱の中で…ずっとずっと…
…END
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ガチャから始まる錬金ライフ
あに
ファンタジー
河地夜人は日雇い労働者だったが、スキルボールを手に入れた翌日にクビになってしまう。
手に入れたスキルボールは『ガチャ』そこから『鑑定』『錬金術』と手に入れて、今までダンジョンの宝箱しか出なかったポーションなどを冒険者御用達の『プライド』に売り、億万長者になっていく。
他にもS級冒険者と出会い、自らもS級に上り詰める。
どんどん仲間も増え、自らはダンジョンには行かず錬金術で飯を食う。
自身の本当のジョブが召喚士だったので、召喚した相棒のテンとまったり、時には冒険し成長していく。
10秒で読めるちょっと怖い話。
絢郷水沙
ホラー
ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる