Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

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099. あなたの夢

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それからしばらくして、コイン降りがぴたりとやんだ。
それは、ちょうど洞窟がいっぱいになったのと同時期だった。



 (不思議だわ。
まるで、洞窟がいっぱいになったのを知ってるみたいにコイン降りがやんでしまった…)



 気候が良くなり、山菜取りを始めたジルは、そのついでに久しぶりの洞窟を訪ねた。
そこには相変わらず口までいっぱいのコインが詰まっている。



 (これが、本物のお金や宝石だったら、どんなに良いかしら。)



ジルは、そんな妄想をしながら家路に着いた。



 *



 「え!ええっ!」

 次の日、山菜取りに出掛けたジルは、洞窟の前で言葉を失った。
なぜなら、洞窟が口までいっぱいの宝石やお金で溢れ、光り輝いていたからだ。



 (ま、まさか…私の願いが通じたっていうの!?)



 驚いたジルは、城に向かって駆け出した。
そこでジルは、洞窟の宝石のことを、王に報告したのだ。



その宝石のおかげで、ジルの住む王国はとても栄えた。
 物乞いはいなくなり、全国民の生活が向上した。
どれほど使おうと、洞窟のお金や宝石はなかなか減らない。
 深い洞窟には、今もなお数えきれない程の宝石が詰まっていた。



だが、良いことばかりではなかった。
 宝石の洞窟の噂を聞きつけた近隣の国が、王国を攻めて来たのだ。

 
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