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ぽちゃん……
ふと、耳に届いた水の音に、姫様が顔を上げると、水面には醜いかえるが半分顔をのぞかせていました。
(なんて気持ちの悪い姿なのかしら…)
姫様は、かえるからさっと目をそらしました。
「可愛いらしいお姫様、どうしてそんなに泣いてらっしゃるんですか?」
姫様は、そんな醜いかえると話をするのもいやでしたが、自分の悲しみを誰かに言いたい気持ちもあったので、かえるを見ないように俯いたままで答えました。
「大切な金のまりを泉に落としてしまったの…」
「なんだ、そんなことでしたか。
それなら、僕がそのまりを取って来てあげましょう。」
「ほ、本当!?」
かえるの言葉に、姫様は思わず顔を上げました。
「本当ですとも。
かえるの僕にとっちゃ、そんなこと、お安いご用ですよ。
……ですが、それには条件があります。
お姫様、どうか僕の友達になって下さい。
なって下さるのなら、僕は今すぐにでも金のまりを取って来ますよ。」
「……私と友達に……」
(なによ、このかえる。
こんな醜い姿をしているくせに、私と友達になりたいだなんて、なんてあつかましいのかしら…!)
「……わかったわ。
無事にまりを取って来てくれたら、私はあなたのお友達になりましょう。」
かえると友達だなんて考えただけでも気分が悪くなりましたが、姫様は金のまりを取り戻したくて仕方がありませんでしたからそう答えてしまったのです。
そんなこととは知らないかえるは、その言葉を聞くと、すぐに泉の底へ潜っていきました。
そして、あっという間に金のまりを持ちかえり、姫様の前にそれを差し出しました。
「これですね?
これで、僕とお姫様はお友達だ。」
とても嬉しそうに話すかえるの手から姫様は金のまりをもぎ取ると、お礼も言わず、お城に向かって走り出しました。
「お姫様、待って!
待って下さいよ~!」
かえるは声を限りに叫びましたが、姫様は振り向きもせず森の中を走りぬけて行きました。
(お姫様……)
かえるは、どんどん小さくなっていく姫様の後ろ姿をただ呆然と眺めていました。
ふと、耳に届いた水の音に、姫様が顔を上げると、水面には醜いかえるが半分顔をのぞかせていました。
(なんて気持ちの悪い姿なのかしら…)
姫様は、かえるからさっと目をそらしました。
「可愛いらしいお姫様、どうしてそんなに泣いてらっしゃるんですか?」
姫様は、そんな醜いかえると話をするのもいやでしたが、自分の悲しみを誰かに言いたい気持ちもあったので、かえるを見ないように俯いたままで答えました。
「大切な金のまりを泉に落としてしまったの…」
「なんだ、そんなことでしたか。
それなら、僕がそのまりを取って来てあげましょう。」
「ほ、本当!?」
かえるの言葉に、姫様は思わず顔を上げました。
「本当ですとも。
かえるの僕にとっちゃ、そんなこと、お安いご用ですよ。
……ですが、それには条件があります。
お姫様、どうか僕の友達になって下さい。
なって下さるのなら、僕は今すぐにでも金のまりを取って来ますよ。」
「……私と友達に……」
(なによ、このかえる。
こんな醜い姿をしているくせに、私と友達になりたいだなんて、なんてあつかましいのかしら…!)
「……わかったわ。
無事にまりを取って来てくれたら、私はあなたのお友達になりましょう。」
かえると友達だなんて考えただけでも気分が悪くなりましたが、姫様は金のまりを取り戻したくて仕方がありませんでしたからそう答えてしまったのです。
そんなこととは知らないかえるは、その言葉を聞くと、すぐに泉の底へ潜っていきました。
そして、あっという間に金のまりを持ちかえり、姫様の前にそれを差し出しました。
「これですね?
これで、僕とお姫様はお友達だ。」
とても嬉しそうに話すかえるの手から姫様は金のまりをもぎ取ると、お礼も言わず、お城に向かって走り出しました。
「お姫様、待って!
待って下さいよ~!」
かえるは声を限りに叫びましたが、姫様は振り向きもせず森の中を走りぬけて行きました。
(お姫様……)
かえるは、どんどん小さくなっていく姫様の後ろ姿をただ呆然と眺めていました。
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