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side かおり

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「望結…起きてる?」

 扉越しに声をかけた。
だけど、それに応答はなかった。



 「望結…寝てるの?」

もう一度声をかけた。
だけど、今度も返事はなかった。



 「望結…開けるわよ。」

そっとドアノブを回した。



 「望結……」

 部屋の明かりは付いてたけれど、望結は机に突っ伏して眠ってた。
 机の周りには、破り捨てられた紙が散乱してて……



何気なくその紙を拾い上げた私は、鼓動が急に速まるのを感じた。
だって、そこには『瑠威』の文字がいくつも書いてあったんだから。
 望結を起こさないように、私は紙を拾い上げそれを読んだ。
 読み進める度に、心臓がとびはねる。



 (望結……あなた、いつから瑠威のことを…)



そこには、瑠威に対する熱い想いが、恥ずかしいくらいストレートに書かれていた。
 初めて会った時から一目で好きになったとか、バンドのヴォーカリストとしてじゃなく、一人の男性として愛してるとか…



あまりの衝撃に頭の中がぐるぐる回って倒れてしまいそうで…私は気付かれないようにそっと望結の部屋を出た。 
 
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