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すっきりともやもやと

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 「おかえり。」

 「あれっ!?ママ、帰ってたの?」

 家に帰ると、ママの方が先に帰ってた。



 「仕事、早くに終わったの?」

 「早くってわけでもないけど、まぁね…」

 「あれ…それじゃあ、打ち上げくらいは間に合ったんじゃないの?」

 「うん…でも、別にそこまでしなくても……」

なんだろう?
ママの顔がなんとなく寂しそうだ。



 (……まさか、瑠威と喧嘩でも……?)



 「ねぇ、ママ…」

 「なぁに?」

 「えっと……」

やっぱりそういうことは聞かない方が良いかな。
うん、そうだよね。
そんなこと聞いちゃ、却って気まずくなるよね…



「どうかしたの?」

 「あ…あの…お腹減ってるんだけど…なにかある?」

 「ごはんの支度ならしてあるわよ。」

 「そっか、良かった…じゃ、着替えてくるね。」

 私は荷物を抱えて部屋に向かった。
いつも、ライブの後は、ライブハウスの最寄り駅のトイレでささっと着替えて帰って来る。
つけまつげを外すことも忘れない。
 璃愛から望結に戻って、何気ない顔をして家に戻る。
いつもはたいてい帰った時にママは家にいないから、感じることもなかったけれど、変装道具を持ってそそくさに部屋に入ると、ちょっとした罪悪感のようなものを感じた。
 別に隠すこともないんだけど、かといって大っぴらにライブに行くのもまだどこか抵抗がある。



 (いつか、こんなことしないでライブに行ける日は来るのかなぁ?)

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