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すっきりともやもやと

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 「あれ?ママは食べないの?」

 「うん…まだあんまりお腹すかなくて…」



やっぱり変だ…
今日のママはどうも元気がない。
その反面、私は、さゆみに頼まれた手紙のことが解決したおかげで気分が良くて、ごはんがもりもり進んだ。



 「あら…今日は食欲があるのね。」

 「うん…まぁね。」

 手紙のことを思い出すだけでなんだかとても爽快な気分になる。



 「ねぇ、ママ…
そういえば、瑠威って、ファンの子からいろいろもらうよね。
そういうのはどうしてるの?」

 気分が盛り上がっていたせいか、私はついそんなことを訊ねていた。



 「あぁ、小西君が預かってるみたいよ。」

 「え?メンバーはもらったものを持って帰らないの?」

 「そうじゃないのよ…ただ、瑠威はそうしてるみたいよ。
あ、でも、もらったものはちゃんと見てると思うし…手紙だって…
手紙だってちゃんと読んでるはずよ。」

 「……そうなんだ。」

それって、やっぱりママのため…?だよね??
ママに気を遣ってそうしてるんだよね、きっと…

瑠威のファンには可哀想な話だけど、ママって本当に瑠威に愛されてるんだな…
っていうか、瑠威はそれだけママに惚れてるっていうことか…



なんだか複雑な心境だ。
そんなこと聞いたら、やっぱりママと瑠威にはうまくいってほしいって考えたりしてしまうし…
でも、そんなこと、無理だろうなって思う気持ちもあるし…無理なら最初から期待を持たせるようなことなんてしてほしくないから、そう思うと反対したくもなって来るし…



(あぁ、もう気持ちがまとまらない!!)



 半ば苛々しながら、私はお茶碗のごはんをかきこんだ。

 
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