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003 : 障害と剣
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「へぇ!中はけっこう広いんだな!」
リュックは、物珍し気に店の中をきょろきょろと見回す。
「リュックさん、ご紹介します。
ジョアンさんとケリーさんです。」
ジョアンはマノンより年上の中年女性で、ケリーはまだ若い女性だった。
「ここは女ばっかりでやってたのか?」
「そうなんだよ。
マノンちゃんのお父さんが、マノンちゃんのことを心配してか女しか雇わないんだよ。
この店に男が働きに来たのはあんたが初めてだよ。」
「いやだわ、ジョアンさんったら。
父さんは別にそんな理由で男性を選ばないわけじゃないと思います。」
「そうかしらねぇ…
でも、本当にどうしちゃったんだろうね。
男を働かせるなんて。」
ジョアンは、リュックが店に来たことが不思議で仕方ないようだった。
「俺は爺さんの家に住まわせてもらってるし、おかしな真似はしないって安心してるんだろうな。
いや、マノンさんが俺のことなんか相手にしないって思ってるせいかな?!」
「そ、そんなこと…」
「ま、確かにそうかもしれないね。
あんたは間違ってもマノンちゃんの好きなタイプじゃないね。
なんたって、マノンちゃんの元の旦那さんは男前だったからねぇ…」
「男前でなくて悪かったな!」
「ま、男は顔だけじゃないからね。
あんたみたいなタイプが好きだって人もきっとどこかにいるわよ。」
「まったく、酷い言われようだな…」
口の悪い中年女性は、大きな声で笑いながら厨房の中に消えて行った。
「リュックさん、ごめんなさい。
ジョアンさんは口は悪いけど、本当は…」
「あぁ、そんなことなら全然気にしちゃいないさ。
ところで俺は何をしようか?」
「料理のことは私とジョアンさんでしますから、あなたはケリーと一緒に店の方の仕事をお願いします。
それと、足りないものがあった時におつかいをお願いする事もあるかもしれません。」
「わかったよ。なんでも言ってくれよな。」
マノンのレストランはリュックが考えていたよりも繁盛しているようで、昼前あたりからは満席になっていた。
客が途絶えることのない忙しい時間が二時間近く続き、その後、やっと一息吐くことが出来た。
「ケリー、あんた、よくこんなたくさんの客を一人でさばいてたな。」
「最初はいろいろ失敗もしたんですが、もう慣れました。
でも、今日はリュックさんが手伝って下さったのでずいぶん楽でしたわ。」
「へぇ!中はけっこう広いんだな!」
リュックは、物珍し気に店の中をきょろきょろと見回す。
「リュックさん、ご紹介します。
ジョアンさんとケリーさんです。」
ジョアンはマノンより年上の中年女性で、ケリーはまだ若い女性だった。
「ここは女ばっかりでやってたのか?」
「そうなんだよ。
マノンちゃんのお父さんが、マノンちゃんのことを心配してか女しか雇わないんだよ。
この店に男が働きに来たのはあんたが初めてだよ。」
「いやだわ、ジョアンさんったら。
父さんは別にそんな理由で男性を選ばないわけじゃないと思います。」
「そうかしらねぇ…
でも、本当にどうしちゃったんだろうね。
男を働かせるなんて。」
ジョアンは、リュックが店に来たことが不思議で仕方ないようだった。
「俺は爺さんの家に住まわせてもらってるし、おかしな真似はしないって安心してるんだろうな。
いや、マノンさんが俺のことなんか相手にしないって思ってるせいかな?!」
「そ、そんなこと…」
「ま、確かにそうかもしれないね。
あんたは間違ってもマノンちゃんの好きなタイプじゃないね。
なんたって、マノンちゃんの元の旦那さんは男前だったからねぇ…」
「男前でなくて悪かったな!」
「ま、男は顔だけじゃないからね。
あんたみたいなタイプが好きだって人もきっとどこかにいるわよ。」
「まったく、酷い言われようだな…」
口の悪い中年女性は、大きな声で笑いながら厨房の中に消えて行った。
「リュックさん、ごめんなさい。
ジョアンさんは口は悪いけど、本当は…」
「あぁ、そんなことなら全然気にしちゃいないさ。
ところで俺は何をしようか?」
「料理のことは私とジョアンさんでしますから、あなたはケリーと一緒に店の方の仕事をお願いします。
それと、足りないものがあった時におつかいをお願いする事もあるかもしれません。」
「わかったよ。なんでも言ってくれよな。」
マノンのレストランはリュックが考えていたよりも繁盛しているようで、昼前あたりからは満席になっていた。
客が途絶えることのない忙しい時間が二時間近く続き、その後、やっと一息吐くことが出来た。
「ケリー、あんた、よくこんなたくさんの客を一人でさばいてたな。」
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でも、今日はリュックさんが手伝って下さったのでずいぶん楽でしたわ。」
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