お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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003 : 障害と剣

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昼を過ぎてからは客足は落ちつき、やがて数時間が経った後、今度は夕食時のピークがやって来た。
 夕食には昼食以上に食べる量が増えるせいか、厨房も店の方も昼間以上の忙しさだった。



 「まかないをあんな早い時間に食べるのは、このせいだったんだな。」

 「そうなんです。
 昼間はとてもじゃないけど食べる時間はありませんし、夕方になったらこの忙しさですからね。
それで、あんな時間に食べることになってるんです。
でも、今日はリュックさんのお陰で本当に助かりました。」

 「いや、俺はたいして運んじゃいない。
あんたはすごいな!
いっぺんにあんなにたくさん運んじゃまうんだから。」

リュックは感心したようにそう言って、小柄なケリーをみつめた。



 「慣れですわ。
でも、私、お金の計算があんまり得意じゃないんで…
今日はリュックさんがそっちをやって下さったから本当に助かりました。」

 「俺は昔商売をやってたからな。
 金勘定は得意な方なんだ。」

 「いやだわ、リュックさんったら、まだお若いのに『昔』だなんて…」

 「え……?
あ、そういや、そうだな!」

リュックの顔に苦笑いが浮かんだ。
ケリーとさほど変わらない若い青年に見えるリュックが、本当は長い時を生きていた事等、誰にも打ち明けることは出来ない。



 「リュックさん、ケリー、お疲れ様。
 今日も忙しかったわね。
でも、あと少しだから、頑張って下さいね。」

 「そういやぁ、ここは何時までなんだ?」

 「あと二時間程で閉店です。
ちょっと早めですが、夕食は家族で採るっていうのが父さんの信条なので早く帰らないといけないんです。」

 「そうか…あんたも大変だな。
 店で料理を作って、家でもまた作るなんて…」

 「母がたいていのことはやってくれてますからそんなに大変じゃないんですよ。
それに、私、お料理が大好きですから。」

そう言って、マノンはにっこりと笑った。



 夕食のピーク時を過ぎると、客足は落ちつきを取り戻した。
どうやら、このあたりの店で働いてる者達が、閉店後に食べに来るケースが多いようだ。

 「じゃあ、リュックさん、そろそろ帰りましょうか?」

 「え…?店の後片付けは良いのか?」

 「ええ、明日の仕込みがてら、夕食後にもう一度来るので良いんです。」

リュックとマノンは雑談を交わしながら、屋敷に戻った。
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