お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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003 : 障害と剣

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 「そんなことが…」



 部屋に戻ると、リュックが、リカールが今夜ここに来た理由を話してくれた。
 当のリカールは、グラスを傾けながら黙ってリュックの話を聞いていた。
しばらくすると、マノンが離れにやって来た。
そのことで、応対したクロワは少し驚いているようだったが、レストランの仕事のことで話があると誤魔化し、素早くリュックの部屋に連れて行った。



 「クロワさんに見られたのはちょっとまずかったな…」

 「そうだな。
でも、もう仕方がない。
なんとか誤魔化そう。」

 「ごめんなさい。
でも、勝手にあがりこむのもどうかと思ったものですから…
リカールは大丈夫だったの?」

 「あぁ、私は大丈夫だ。」

 「マノンさんも飲むかい?」

 「いえ…私はあまり飲めませんので…」

 「じゃ、早速、本題に入るか…
結局、リカールのことをおやじさんに言えないから、あんたらは悩んでるんだよな?」

 「ええ…それもありますが…
私のくだらない思いつきのせいで、先日はリカールを危ない目に遭わせてしまいました。
もしも、あのままリカールが刺されていたら…
 ……私ももう生きてはいられない所でした。
 元々、彼は闘いの好きな人間ではありません。
それだけでも申し訳ないのに、怪我どころか命まで脅かすようなことになったら、私はもう…
ですから、もう彼には試合に出て欲しくないのです。」

マノンは、目を潤ませながらそう話した。



 「しかし、リカールは闘技場の看板スターだからなぁ…
やめるとなったら、おやじさんはがっかりするだろうな。」

 「そうなんです。
 父さんはリカール自身のことは気に入ってるわけではないと思いますが、恩は感じています。
あんな立派な闘技場に建て変えることが出来たのもリカールのおかげなんですから。
これからもリカールの試合でもっと儲けようと考えてるに違いありません…
それがわかってるだけに、なおさら言い出せなくて…」

 「私なら大丈夫だ。
 簡単に殺られたりはしないよ。」



 「リュック、お茶を…」



 不意に扉が開き、お茶の用意を抱えたクロワが部屋に入って来た。



 「まぁ…あなたは…!」

 部屋の中に、予期せぬ人物の顔をみつけ、クロワは目を丸くしていた。



 「どうかした…あ…」

 今度はクロードまでもが部屋の中をのぞいてしまった。



 「あぁぁ…先生にもみつかっちまったか…」

 「え…?
どういうことなんです?」



 部屋の中に気まずい空気が流れた。 
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