お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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047 : 猫の目

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 「そいつは良いや!」

 「だろ?あんな面白いものは滅多にないぜ。」

 食事を済ませた後は酒盛りとなり、リュックの大袈裟な話にアンディは腹を抱えて笑い続けた。



 「こんな楽しい酒を飲んだのは久し振りだ。
この町は見ての通り、寂れてて酒場の一軒もない。
かといって、雪の街までわざわざ行くっていうのもなんだしな…
だから、親方が死んでからは一人で気晴らしにほんの少し飲むだけでな。
とはいえ、一人で飲む酒っていうのはどうにも味気ないもんなんだ……」

 「……わかるよ。
 俺も長年そういう暮らしをしてたから……」

リュックの言葉に、アンディはくすくすと笑う。



 「長年って……あんた、俺よりずっと若いだろ?
あ~あ、それにしても若いって良いな。
 俺はもう今年で三十だ……」

 度々こういう状況に遭遇して来たリュックは、何も言い返すことはなく、ただ苦笑するだけだった。
 若く見えることには誰しも憧れるものだが、リュックの場合はそうとも言えない。



 「そんなことより、アンディ…あんた、職人なのか?」

 「あぁ、そうだ。
 急ぎの仕事があって、最近は根詰めて頑張ってたんだが、それが今日やっと完成したんだ。
それで、夜にちびちびやろうと思って、そのあてに山菜を採りに行ったんだ。
 今日、サムの店が休みじゃなかったらそんなこともしなかっただろうし……
そしたら、こんな怪我しなくて済んだのにな。」

 「……でも、そしたらこんな風に楽しい酒を飲めることはなかったんだぜ。」

 「あ……」

 絶妙のタイミングで返されたリュックの言葉に、アンディは片手で頭を押さえて苦笑した。



 *



 「あ、おはよう!昨夜はゆっくり眠れたかい?」

 「おはよう!あぁ、ぐっすり眠らせてもらったよ。
それより、動いて大丈夫なのか?」

 「このくらいなんともない。
クロワさんにも手伝ってもらったしな。
もう朝食の用意が出来るから、先生も起こしてこいよ。」

 「あぁ、わかった。」



 次の朝、私達はまるでアンディの家族のように寛いだ雰囲気で、朝食の席に着いた。
アンディとは昨日知り合ったばかりだというのに、この家の雰囲気なのか、それとも彼の人柄なのか、他人の家だというのにやけに落ち着きを感じてしまう。



 「ところで、あんた達はここを街道沿いに進むって行ってたよな?」

 「あぁ、そうだが……」

 「ちょっと、あんたらに頼みたい事があるんだ…」

 「頼み?あらたまって、一体何なんだ?」

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