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069 : 慟哭
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「……あった。」
あれから三日後、辿り着いた町は白い灯台のある町だった。
「ロアンヌの言った通りだな。」
「ああ、やっぱりあの婆さんの言ったことは間違いなかったんだ。
ここで、カトリーヌの親父さんはみつかるぜ。
やったな!」
辿り着いたのは、ガラムという賑やかな港町だった。
まずは宿屋だ。
ガラムには宿屋が何軒かあるようだった。
「ここにしようか。」
「そうだな。」
それは港から程近い宿屋で、けっこう混んでいる様子ではあったが、リュックはおそらく、港でドミニクのことを訊くのに都合が良いと考えたのだろう。
宿屋なんてどこでも構わない。
雨露さえ凌げたら、それで良い。
「じゃあ、行こうか。」
宿屋に荷物を置いて、早速、リュックは探しに行くつもりのようだった。
「もうすぐ陽が暮れるぞ。」
「だから良いんじゃないか。
そろそろ仕事も終わるから、話も聞いてくれるだろ。」
「なるほどな。」
私達は、港に向かった。
そこではまだ大勢の人々が働いていた。
「あぁ、なんだかドキドキするな。」
「大丈夫だ。行こう!」
私達は、そこらにいる人夫達に手当り次第に声をかけた。
「あぁ、ドミニクなら知ってるぜ。」
5、6人目に声をかけた男から、意外な返事が返ってきた。
「ほ、本当か!?
年は40絡みで…」
「そうそう、そのくらいだな。
えっと、ドミニクは…」
人夫は、あたりを見回した。
「あぁ、あいつだよ。
白いシャツ着た金髪の…ほら。」
人夫が指さした男はすぐにわかった。
「あ、ありがとうな!」
私達は、その男の元へ駆け出した。
こんなに呆気なくみつかるのか?
はたまた同名の別人か?
逸る胸を押さえ、私は駆け続けた。
「あ、あの…ちょっと聞きたいんだが、あんた、ドミニクさんかい?」
「……そうだが…あんたは?」
ドミニクは、日に焼けた逞しい男だった。
彼は仕事の手を止め、リュックを怪訝な顔で見ていた。
「あんた、カトリーヌって娘はいるかい?」
「あんた、誰なんだ?
なぜ、そんなことを訊く?」
「すまなかったな。
俺はリュック、こっちはマルタンだ。
カトリーヌに頼まれて、あんたを探しに来た。」
「本当にカトリーヌに頼まれたのか?」
「あぁ、カトリーヌは今、怪我をして伏せってる。
だから、俺達が探しに来た。」
「怪我って…どんな怪我をしたんだ!?
カトリーヌは無事なのか!?」
ドミニクの慌てように、やはりこの男がカトリーヌの父親だと私は確信した。
あれから三日後、辿り着いた町は白い灯台のある町だった。
「ロアンヌの言った通りだな。」
「ああ、やっぱりあの婆さんの言ったことは間違いなかったんだ。
ここで、カトリーヌの親父さんはみつかるぜ。
やったな!」
辿り着いたのは、ガラムという賑やかな港町だった。
まずは宿屋だ。
ガラムには宿屋が何軒かあるようだった。
「ここにしようか。」
「そうだな。」
それは港から程近い宿屋で、けっこう混んでいる様子ではあったが、リュックはおそらく、港でドミニクのことを訊くのに都合が良いと考えたのだろう。
宿屋なんてどこでも構わない。
雨露さえ凌げたら、それで良い。
「じゃあ、行こうか。」
宿屋に荷物を置いて、早速、リュックは探しに行くつもりのようだった。
「もうすぐ陽が暮れるぞ。」
「だから良いんじゃないか。
そろそろ仕事も終わるから、話も聞いてくれるだろ。」
「なるほどな。」
私達は、港に向かった。
そこではまだ大勢の人々が働いていた。
「あぁ、なんだかドキドキするな。」
「大丈夫だ。行こう!」
私達は、そこらにいる人夫達に手当り次第に声をかけた。
「あぁ、ドミニクなら知ってるぜ。」
5、6人目に声をかけた男から、意外な返事が返ってきた。
「ほ、本当か!?
年は40絡みで…」
「そうそう、そのくらいだな。
えっと、ドミニクは…」
人夫は、あたりを見回した。
「あぁ、あいつだよ。
白いシャツ着た金髪の…ほら。」
人夫が指さした男はすぐにわかった。
「あ、ありがとうな!」
私達は、その男の元へ駆け出した。
こんなに呆気なくみつかるのか?
はたまた同名の別人か?
逸る胸を押さえ、私は駆け続けた。
「あ、あの…ちょっと聞きたいんだが、あんた、ドミニクさんかい?」
「……そうだが…あんたは?」
ドミニクは、日に焼けた逞しい男だった。
彼は仕事の手を止め、リュックを怪訝な顔で見ていた。
「あんた、カトリーヌって娘はいるかい?」
「あんた、誰なんだ?
なぜ、そんなことを訊く?」
「すまなかったな。
俺はリュック、こっちはマルタンだ。
カトリーヌに頼まれて、あんたを探しに来た。」
「本当にカトリーヌに頼まれたのか?」
「あぁ、カトリーヌは今、怪我をして伏せってる。
だから、俺達が探しに来た。」
「怪我って…どんな怪我をしたんだ!?
カトリーヌは無事なのか!?」
ドミニクの慌てように、やはりこの男がカトリーヌの父親だと私は確信した。
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