la poupee

ルカ(聖夜月ルカ)

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la poupee pure ver.

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女性はクロエの髪を優しく撫でた。

 「昔ね、この森の奥に、あなたと同じように綺麗なお人形さんをとても大切にしていた人が住んでいたのよ。
 生きていたら、きっと良いお友達になれたでしょうね。」



 (…きっと、頭のおかしい男だと思われたのだろうな…
いや、現実におかしいのかもしれない…
僕は、自分で作り出した妄想に取り付かれてしまっているのかもしれない…
しかし、それならそれで良いじゃないか…
おかしいかどうかなんて、別にどうでも良いことだ…)



カミーユはふとした好奇心から、森の中へ入ってみることにした。
 奥へ進む毎に木が生い茂り、暗くなっていく。
こんな所に住んでた者が本当にいたのだろうかと思える程の、鬱蒼とした森だった。
しかし、そこには話に聞いた通り、一軒の小さな家があった。



 (…こんな所に住むなんて、相当な変わり者だな…) 

 家はあちこちが傷み、もう誰も住んでいる様子がない。
 念のため、カミーユは声をかけてみたが、当然返事はなかった。

ドアノブに手を伸ばすと、鍵はかかっておらず、すんなりと開いた。

いくら空き家だといっても他人の家に勝手に入るのは申し訳ない。
カミーユが引き返そうと思った時、椅子の上に座る人形に気がついた。



 (これか…
この家の主が可愛がっていた人形というのは…)

 誰もいない暗いこの家の中で、この人形はずっと一人で座っていたのかと思うと、そのままにしておくのがなんともしのびなく、カミーユはその人形を抱き上げ、持ち帰ってしまった。



 (…僕は、頭がおかしい上に泥棒にまでなってしまった…)

 家に戻るとカミーユはブラシで人形に積もったほこりを払い落とし、湿らせた布で顔や手を拭った。

 綺麗な少年の人形は、黒い短い巻き毛に帽子をかぶり、短いズボンをはいている。

 汚れた顔が綺麗になると、カミーユはあることに気がついた。
ルネととてもよく似ているのだ。
カミーユはベッドの上にルネとその人形を並べて座らせた。
やはり思った通りだった。
 二つの人形達は双子のようによく似ている。



 (クロエ…不思議なこともあるもんだね…
ルネとこの子はこんなにもそっくりだよ…)

やがて夜が更け、カミーユは二つの人形の隣で眠りに就いた。

 
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