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8:ロングソード
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「ようし!じゃあ、それをもらうよ。
いくらだい?」
「そうだな、あんたとこの剣は縁がありそうだから…
特別に安くしとかなきゃな。
ちょっと待っててくれよ。」
そう言って、金星堂の主人は椅子にどっかりと腰を降ろすと腕組みをして考え、しばらくすると紙切れに値段を書いてディヴィッドの前に差し出した。
「こ…こんなに高いのか?!」
「高い?
何言ってんだ。
こんな立派な剣なんだ、この倍したって不思議はないぜ!」
「……そういうもんなのか…」
ディヴィッドは、ほんのつい最近まで村から出た事もなければ、武器や防具など買ったこともなかった。
今、腰に差しているのは、村を出る時にもらったアイテムセットのショートソードだが、これがいくらくらいするものなのかも知らない。
持っている金も、お祝金としてもらったものの残りだ。
それで、立派なロングソードを買おうと考える方が、そもそも無茶な話だったのだ。
「困ったな…
でも、俺、どうしてもそれが欲しいんだ。」
「欲しいったって、こっちも商売だ。
タダでやるわけにゃいかない…」
「それはわかってるさ…
しかし、どうすれば…」
「あ、そうだ!!
あんた、働きゃ良いんだよ。
ちょうど、人を探してる店がある。
良かったらそこに行ってみないか?
それまでこの剣は売りに出さないでやるよ。」
「本当か!それは助かる!
でも、俺、力仕事はあんまり得意じゃないぜ。」
「力なんていらないさ。」
金星堂の主人はそう言って、意味ありげに微笑んだ。
*
「うん、なかなか良いね!」
金星堂の主人がディヴィッドを連れて行ったのは、その町には不釣合いな程高級感を漂わせるレストランだった。
レストランの女主人は、満足げな顔つきでディヴィッドのことをみつめている。
「じゃあ、この人を雇ってもらえるのかい?」
「もちろんだよ。」
「良かったな、それじゃ、あの剣は売らずに待ってるからな!
しっかり働くんだぜ!」
そう言って、金星堂の主人は帰って行った。
「さて、と…まずは床屋へ行って来てもらわなくちゃね!」
「と…床屋?!
俺が働くのは、レストランなんだろ?
なんだって床屋なんかに…?」
「良いから、良いから!」
レストランの女主人は、戸惑うディヴィッドの手を取って歩き出した。
いくらだい?」
「そうだな、あんたとこの剣は縁がありそうだから…
特別に安くしとかなきゃな。
ちょっと待っててくれよ。」
そう言って、金星堂の主人は椅子にどっかりと腰を降ろすと腕組みをして考え、しばらくすると紙切れに値段を書いてディヴィッドの前に差し出した。
「こ…こんなに高いのか?!」
「高い?
何言ってんだ。
こんな立派な剣なんだ、この倍したって不思議はないぜ!」
「……そういうもんなのか…」
ディヴィッドは、ほんのつい最近まで村から出た事もなければ、武器や防具など買ったこともなかった。
今、腰に差しているのは、村を出る時にもらったアイテムセットのショートソードだが、これがいくらくらいするものなのかも知らない。
持っている金も、お祝金としてもらったものの残りだ。
それで、立派なロングソードを買おうと考える方が、そもそも無茶な話だったのだ。
「困ったな…
でも、俺、どうしてもそれが欲しいんだ。」
「欲しいったって、こっちも商売だ。
タダでやるわけにゃいかない…」
「それはわかってるさ…
しかし、どうすれば…」
「あ、そうだ!!
あんた、働きゃ良いんだよ。
ちょうど、人を探してる店がある。
良かったらそこに行ってみないか?
それまでこの剣は売りに出さないでやるよ。」
「本当か!それは助かる!
でも、俺、力仕事はあんまり得意じゃないぜ。」
「力なんていらないさ。」
金星堂の主人はそう言って、意味ありげに微笑んだ。
*
「うん、なかなか良いね!」
金星堂の主人がディヴィッドを連れて行ったのは、その町には不釣合いな程高級感を漂わせるレストランだった。
レストランの女主人は、満足げな顔つきでディヴィッドのことをみつめている。
「じゃあ、この人を雇ってもらえるのかい?」
「もちろんだよ。」
「良かったな、それじゃ、あの剣は売らずに待ってるからな!
しっかり働くんだぜ!」
そう言って、金星堂の主人は帰って行った。
「さて、と…まずは床屋へ行って来てもらわなくちゃね!」
「と…床屋?!
俺が働くのは、レストランなんだろ?
なんだって床屋なんかに…?」
「良いから、良いから!」
レストランの女主人は、戸惑うディヴィッドの手を取って歩き出した。
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