STORY BOXⅡ

ルカ(聖夜月ルカ)

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099.時空の旅

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「ありがとうございます。これで私もやっと楽になれます。
さ、どうぞ。
たいしたものはありませんが、どれでも食べて下さい。」

 「良いのか?ありがとう!!」

 俺は爺さんの持っていた缶詰やパンや果物を次から次にたいらげた。
ジャン=クロードに金を借りたら爺さんに金をやるつもりだったから、遠慮はしなかった。



 「あぁ~…もう食えない!
ありがとう、爺さんのおかげで生き返ったよ。」

 「いえ…まさか、私もこんな所であなたに救われるとは思ってもいませんでした。
 感謝致します。」

 「何のことだ?
ところで、爺さんは一人で旅をしてるのか?
どこに行くんだ?」

 「旅は……今日で終わりました。
これも、すべて、あなたのおかげです。」

 「何言ってんだ?!
……とにかく、無理はするなよ。
 家族がいるなら早く帰ることだ。
そうだ、爺さん、隣町まで一緒にいかないか?
 友達に金を借りて、食べ物の代金を払うから。」

 「良いんですよ、そんなことは…
それより、あなたこそ気を付けて下さいね。
 長い旅になりますから。」

 「俺は、隣町に行くだけだ。
あと少し歩けば着くよ。」

 「みつかると良いのですが…」

 「友達のことか?
 奴の行きそうな場所ならわかってる。
 心配しなくて良いよ。」

 「……いえ…あなたはこれから長い時計の旅に出るのです。
 探し物をみつけるために…」

 「時計の旅?
 探し物って何なんだ?」

 「それは、私にもとうとうわかりませんでした。
みつかった時にわかるそうです。」

 「なんだ、それ?」

 「本当にありがとうございました。
 私は生きている限り、あなたのご無事を祈っています。
どうかお元気で…」

 爺さんの瞳にはうっすらと涙が貯まっていた。

 爺さんの話はとんちんかんで何を言ってるのか俺にはよくわからなかったが、なんとなく不気味な雰囲気を感じていた。



 「爺さん、それでこの時計なんだけどな。
けっこう良さそうなもんじゃないか。
 高かったんだろ?
 大切にしなきゃだめだぞ!」

そう言って、俺が時計を手渡そうとすると、爺さんはそれを片手で押し戻した。



 「それは、あなたのものです。」

 「そうじゃないだろ?
これは爺さんのもんだ。」

 「さっき、時計に誓ったのですから、もう返せませんよ。」



 (困ったな…)

 爺さんは、完全に思い違いをしてるが、それをどうやってわからせれば良いのか…
俺は、どうしようかと考えながら、懐中時計の蓋をパチンと開けた。
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