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016 : 迷宮都市
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結局、次の町に着いたのは夜が明けてからのことだった。
宿屋に部屋を取り、朝食をすませるとイシドールはすぐに眠ってしまった。
「夜通し歩いたから疲れてたのね…」
「彼は今まであの小屋の周辺しか行ったことがなかったようですし、その上、病み上がりでもありますからね。
疲れると思いますよ。
しかし、あそこにいた時に比べると肉付きも血色もずいぶん良くなってきましたね。
それに、気のせいか身長も少し伸びたような気がする…」
「あの子はまだ若いですから、身長も伸びると思います。
服も靴ももう少しまともなものを揃えてやりたいのですが…
実は、お金がそろそろ底をついてきたんです。
どこかで薬を売りたいんですが…」
「そうでしたか…
それも無理はない話ですね。
今までは二人分だったものが三人分になったのですから…
私もなにか仕事がみつかれば良いんですが…」
「いえ、薬を売りさえすればお金は入るんですから。
すみません。
気を遣わせるようなことを言ってしまって…
今日の泊まり賃位はありますから、心配しないで下さいね。」
「幸い、もう少し行った所に大きな町があるようです。
そこで早速薬を売りましょう!」
クロワには本当に迷惑をかけてしまっている。
イシドールという同行者が増えたのだから、これからは今まで以上に金が必要になってくる。
私も早く仕事をみつけなければ…
それにしてもクロワはイシドールに対してまるで母のような感情を抱いているようだ。
それほど年は離れていないだろうから、母というよりは姉だろうか?
眠るイシドールの顔をながめているクロワは、本当に幸せそうだった。
私達は次の朝、町を発った。
町を発つ時、宿の主人に「隣町には長居しない方が良い」と言われた。
理由を聞こうとした時に奥から主人を呼ぶ声がしたため、聞けず仕舞いだったのだが…
「…長居しない方が良いって…一体、どういうことなんだろうな?」
「そうだな。
理由はわからないが、注意しておこう。
特にクロワさん、私達のそばから離れないようにして下さいね。」
「はい。わかりました。」
隣町に着いたのは、夕方近くになった頃だった。
宿屋に部屋を取り、朝食をすませるとイシドールはすぐに眠ってしまった。
「夜通し歩いたから疲れてたのね…」
「彼は今まであの小屋の周辺しか行ったことがなかったようですし、その上、病み上がりでもありますからね。
疲れると思いますよ。
しかし、あそこにいた時に比べると肉付きも血色もずいぶん良くなってきましたね。
それに、気のせいか身長も少し伸びたような気がする…」
「あの子はまだ若いですから、身長も伸びると思います。
服も靴ももう少しまともなものを揃えてやりたいのですが…
実は、お金がそろそろ底をついてきたんです。
どこかで薬を売りたいんですが…」
「そうでしたか…
それも無理はない話ですね。
今までは二人分だったものが三人分になったのですから…
私もなにか仕事がみつかれば良いんですが…」
「いえ、薬を売りさえすればお金は入るんですから。
すみません。
気を遣わせるようなことを言ってしまって…
今日の泊まり賃位はありますから、心配しないで下さいね。」
「幸い、もう少し行った所に大きな町があるようです。
そこで早速薬を売りましょう!」
クロワには本当に迷惑をかけてしまっている。
イシドールという同行者が増えたのだから、これからは今まで以上に金が必要になってくる。
私も早く仕事をみつけなければ…
それにしてもクロワはイシドールに対してまるで母のような感情を抱いているようだ。
それほど年は離れていないだろうから、母というよりは姉だろうか?
眠るイシドールの顔をながめているクロワは、本当に幸せそうだった。
私達は次の朝、町を発った。
町を発つ時、宿の主人に「隣町には長居しない方が良い」と言われた。
理由を聞こうとした時に奥から主人を呼ぶ声がしたため、聞けず仕舞いだったのだが…
「…長居しない方が良いって…一体、どういうことなんだろうな?」
「そうだな。
理由はわからないが、注意しておこう。
特にクロワさん、私達のそばから離れないようにして下さいね。」
「はい。わかりました。」
隣町に着いたのは、夕方近くになった頃だった。
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