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075 : 嘘と約束 白いネコ
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「もしかしたら、あれじゃないかしら?」
近付いてみると、そこにはほのかな灯かりだけを頼りにつるはしをふるう男の姿があった。
「あの…間違っていたらすみません。
あなたは、もしかしたらフランクさんではありませんか?」
「ええ、そうですが、あなた方は?
あ…あなたは以前、お会いしたことがありますね。」
その言葉にクロワは頷いた。
「私はマルタンと言う者です。
実は、ちょっとした偶然からオデットさん達と知り合いまして…
それで、一緒に旅を続けて来たんですが、ユベールの具合が悪くなり、今、この町の診療所に入院してるんです。」
「えっ!ユベールが?!
具合が悪いって、どの程度なんですか?
診療所はどこにあるんですか!!」
「ユベールは今の所は安定しています。
まずは宿へいきましょう!」
「宿になんて行ってられない。
早く、診療所へ…!」
「そんな不潔な格好で行かれては、ユベールにも悪影響が出るかもしれません!」
「あ……」
言いにくいことをクロワが私の代わりにずばりと言ってくれた。
フランクは、風呂にも長い間入らずにここでずっと作業を続けていたのだろう。
それは、暗くとも彼の傍に近寄っただけですぐにわかった。
私達はすぐに宿に戻り、フランクの身支度が整うのを待って診療所へ向かった。
ちょうど、彼と私は体格が似ていたために、私の衣類を貸してやる事が出来た。
*
「オデット!!」
「あなた…!」
フランクの姿を見た途端、オデットが彼の胸にとびこんだ。
「ユベールは…ユベールの具合はどうなんだ?」
「今日、吐血してしまったの…
でも、幸い、この近くだったから、すぐにここまで運んでもらって、私の血を入れてもらったの。
でも、なかなか意識が戻らなくて心配してたんだけど、やっとさっき意識を取り戻して…
そして、今はお薬で眠ってるわ。」
「そうか…良かった…
でも、血を採っておまえは大丈夫だったのか?」
「ええ、ここにいるマルタンさんやリュックさんが同行して下さったから。
ユベールや荷物も運んでいただいて、それに私達に栄養のあるものを食べさせて下さったの。
だから、私も今回は血を採っても大丈夫だったのよ。
あなたからもよくお礼を言って下さい。」
「そうだったんですか。
それでこんなに早くここへ来られたんだな。
皆さん、本当にどうもありがとうございました。」
近付いてみると、そこにはほのかな灯かりだけを頼りにつるはしをふるう男の姿があった。
「あの…間違っていたらすみません。
あなたは、もしかしたらフランクさんではありませんか?」
「ええ、そうですが、あなた方は?
あ…あなたは以前、お会いしたことがありますね。」
その言葉にクロワは頷いた。
「私はマルタンと言う者です。
実は、ちょっとした偶然からオデットさん達と知り合いまして…
それで、一緒に旅を続けて来たんですが、ユベールの具合が悪くなり、今、この町の診療所に入院してるんです。」
「えっ!ユベールが?!
具合が悪いって、どの程度なんですか?
診療所はどこにあるんですか!!」
「ユベールは今の所は安定しています。
まずは宿へいきましょう!」
「宿になんて行ってられない。
早く、診療所へ…!」
「そんな不潔な格好で行かれては、ユベールにも悪影響が出るかもしれません!」
「あ……」
言いにくいことをクロワが私の代わりにずばりと言ってくれた。
フランクは、風呂にも長い間入らずにここでずっと作業を続けていたのだろう。
それは、暗くとも彼の傍に近寄っただけですぐにわかった。
私達はすぐに宿に戻り、フランクの身支度が整うのを待って診療所へ向かった。
ちょうど、彼と私は体格が似ていたために、私の衣類を貸してやる事が出来た。
*
「オデット!!」
「あなた…!」
フランクの姿を見た途端、オデットが彼の胸にとびこんだ。
「ユベールは…ユベールの具合はどうなんだ?」
「今日、吐血してしまったの…
でも、幸い、この近くだったから、すぐにここまで運んでもらって、私の血を入れてもらったの。
でも、なかなか意識が戻らなくて心配してたんだけど、やっとさっき意識を取り戻して…
そして、今はお薬で眠ってるわ。」
「そうか…良かった…
でも、血を採っておまえは大丈夫だったのか?」
「ええ、ここにいるマルタンさんやリュックさんが同行して下さったから。
ユベールや荷物も運んでいただいて、それに私達に栄養のあるものを食べさせて下さったの。
だから、私も今回は血を採っても大丈夫だったのよ。
あなたからもよくお礼を言って下さい。」
「そうだったんですか。
それでこんなに早くここへ来られたんだな。
皆さん、本当にどうもありがとうございました。」
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