91 / 198
想い出作り
5
しおりを挟む
「これは、すごい!」
ヴェールとリーズが抱えてきた果物が山積みの大きなバスケットを見てレヴは笑った。
「あんた…馬鹿じゃないの?
私はお菓子の作り方なんて知らないけど、いくらなんでもこんなに使わないだろう?」
「あ…すみません。
どれもこれもとてもおいしそうで…」
「果物なんて、あんまり日持ちもしないのに…」
「あ………」
「かまいませんよ。
屋敷に置いておけば誰かが食べますから。
…しかし、今年もよく実ってますね。」
「本当にここの果樹園の果物はどれもこれも立派に実ってますね!」
甘酸っぱい香りに包まれて、馬車は屋敷に戻った。
リーズは早速、厨房に入りお菓子作りに取り掛かった。
お菓子作りを見てみたいと、ジネットもやってきた。
レヴとヴェールは、部屋に閉じこもって読書にふける。
サリーは、結局レヴとでかけることは出来ず、特にこれといってやることもないため、部屋に戻りベッドに横になった。
(……あたし、そんなに変なことばっかりやってたのかな…?)
果樹園でレヴに言われた言葉が思い出される。
(レヴに言われるまで全然気が付いていなかった。
確かに、あの娘のことはイライラしてたけど…
そんなに、あたし変だったんだ…!?
あたしって、いつもこうなんだ…
男の友達とはこんなことないのに、女とはうまくいかない…
そうだ…ジネットが、大人になってから初めての同性の友達かもしれない。
なんでだろ…
なんで、同性とはうまくいかないんだろ…?)
ふと思い付いて、サリーは起き上がるとバッグから愛用のタロットカードを持ち出した。
(…そういえば、最近、ずいぶんほったらかしてたね…ごめんよ…)
サリーはカードを手に取ると目を閉じ、精神を落ち着かせる。
カードに質問を投げ掛け、手慣れた手付きでカードをシャッフルして十字の形にテーブルに並べていく…
カードを並べ終わった時…サリーの顔色が変わった…
(……まさかね……
久しぶりだったから、カンが鈍ってるんだ…
そうに違いないさ…
また、日をあらためてやってみよう…)
ヴェールとリーズが抱えてきた果物が山積みの大きなバスケットを見てレヴは笑った。
「あんた…馬鹿じゃないの?
私はお菓子の作り方なんて知らないけど、いくらなんでもこんなに使わないだろう?」
「あ…すみません。
どれもこれもとてもおいしそうで…」
「果物なんて、あんまり日持ちもしないのに…」
「あ………」
「かまいませんよ。
屋敷に置いておけば誰かが食べますから。
…しかし、今年もよく実ってますね。」
「本当にここの果樹園の果物はどれもこれも立派に実ってますね!」
甘酸っぱい香りに包まれて、馬車は屋敷に戻った。
リーズは早速、厨房に入りお菓子作りに取り掛かった。
お菓子作りを見てみたいと、ジネットもやってきた。
レヴとヴェールは、部屋に閉じこもって読書にふける。
サリーは、結局レヴとでかけることは出来ず、特にこれといってやることもないため、部屋に戻りベッドに横になった。
(……あたし、そんなに変なことばっかりやってたのかな…?)
果樹園でレヴに言われた言葉が思い出される。
(レヴに言われるまで全然気が付いていなかった。
確かに、あの娘のことはイライラしてたけど…
そんなに、あたし変だったんだ…!?
あたしって、いつもこうなんだ…
男の友達とはこんなことないのに、女とはうまくいかない…
そうだ…ジネットが、大人になってから初めての同性の友達かもしれない。
なんでだろ…
なんで、同性とはうまくいかないんだろ…?)
ふと思い付いて、サリーは起き上がるとバッグから愛用のタロットカードを持ち出した。
(…そういえば、最近、ずいぶんほったらかしてたね…ごめんよ…)
サリーはカードを手に取ると目を閉じ、精神を落ち着かせる。
カードに質問を投げ掛け、手慣れた手付きでカードをシャッフルして十字の形にテーブルに並べていく…
カードを並べ終わった時…サリーの顔色が変わった…
(……まさかね……
久しぶりだったから、カンが鈍ってるんだ…
そうに違いないさ…
また、日をあらためてやってみよう…)
0
あなたにおすすめの小説
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
竜皇女と呼ばれた娘
Aoi
ファンタジー
この世に生を授かり間もなくして捨てられしまった赤子は洞窟を棲み処にしていた竜イグニスに拾われヴァイオレットと名づけられ育てられた
ヴァイオレットはイグニスともう一頭の竜バシリッサの元でスクスクと育ち十六の歳になる
その歳まで人間と交流する機会がなかったヴァイオレットは友達を作る為に学校に通うことを望んだ
国で一番のグレディス魔法学校の入学試験を受け無事入学を果たし念願の友達も作れて順風満帆な生活を送っていたが、ある日衝撃の事実を告げられ……
【完結】聖女は国を救わないと決めていた~「みんなで一緒に死にましょうよ!」と厄災の日、聖女は言った
ノエル
恋愛
「来たりくる厄災から、王国を救う娘が生まれる。娘の左手甲には星印が刻まれている」
――女神の神託により、王国は「星印の聖女」を待ち望んでいた。
完璧な星印を持つ子爵令嬢アニエスと、不完全な星印しか持たない公爵令嬢レティーナ。
人々はこぞってアニエスを“救いの聖女”と讃え、レティーナを虐げた。
だが、本当に王国を救うのは、誰なのか。
そして、誰にも愛されずに生きてきたレティーナの心を誰が救うのか。
【完結】見えてますよ!
ユユ
恋愛
“何故”
私の婚約者が彼だと分かると、第一声はソレだった。
美少女でもなければ醜くもなく。
優秀でもなければ出来損ないでもなく。
高貴でも無ければ下位貴族でもない。
富豪でなければ貧乏でもない。
中の中。
自己主張も存在感もない私は貴族達の中では透明人間のようだった。
唯一認識されるのは婚約者と社交に出る時。
そしてあの言葉が聞こえてくる。
見目麗しく優秀な彼の横に並ぶ私を蔑む令嬢達。
私はずっと願っていた。彼に婚約を解消して欲しいと。
ある日いき過ぎた嫌がらせがきっかけで、見えるようになる。
★注意★
・閑話にはR18要素を含みます。
読まなくても大丈夫です。
・作り話です。
・合わない方はご退出願います。
・完結しています。
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行「婚約破棄ですか? それなら昨日成立しましたよ、ご存知ありませんでしたか?」完結
まほりろ
恋愛
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行中。
コミカライズ化がスタートしましたらこちらの作品は非公開にします。
「アリシア・フィルタ貴様との婚約を破棄する!」
イエーガー公爵家の令息レイモンド様が言い放った。レイモンド様の腕には男爵家の令嬢ミランダ様がいた。ミランダ様はピンクのふわふわした髪に赤い大きな瞳、小柄な体躯で庇護欲をそそる美少女。
対する私は銀色の髪に紫の瞳、表情が表に出にくく能面姫と呼ばれています。
レイモンド様がミランダ様に惹かれても仕方ありませんね……ですが。
「貴様は俺が心優しく美しいミランダに好意を抱いたことに嫉妬し、ミランダの教科書を破いたり、階段から突き落とすなどの狼藉を……」
「あの、ちょっとよろしいですか?」
「なんだ!」
レイモンド様が眉間にしわを寄せ私を睨む。
「婚約破棄ですか? 婚約破棄なら昨日成立しましたが、ご存知ありませんでしたか?」
私の言葉にレイモンド様とミランダ様は顔を見合わせ絶句した。
全31話、約43,000文字、完結済み。
他サイトにもアップしています。
小説家になろう、日間ランキング異世界恋愛2位!総合2位!
pixivウィークリーランキング2位に入った作品です。
アルファポリス、恋愛2位、総合2位、HOTランキング2位に入った作品です。
2021/10/23アルファポリス完結ランキング4位に入ってました。ありがとうございます。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
背徳の恋のあとで
ひかり芽衣
恋愛
『愛人を作ることは、家族を維持するために必要なことなのかもしれない』
恋愛小説が好きで純愛を夢見ていた男爵家の一人娘アリーナは、いつの間にかそう考えるようになっていた。
自分が子供を産むまでは……
物心ついた時から愛人に現を抜かす父にかわり、父の仕事までこなす母。母のことを尊敬し真っ直ぐに育ったアリーナは、完璧な母にも唯一弱音を吐ける人物がいることを知る。
母の恋に衝撃を受ける中、予期せぬ相手とのアリーナの初恋。
そして、ずっとアリーナのよき相談相手である図書館管理者との距離も次第に近づいていき……
不倫が身近な存在の今、結婚を、夫婦を、子どもの存在を……あなたはどう考えていますか?
※アリーナの幸せを一緒に見届けて下さると嬉しいです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる