タイトル未定

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
上 下
11 / 25
new life

11

しおりを挟む
「あぁ、違う!違う!それも違う!」

 違うって…提案したのはあなたですけど…
那月さんは次から次に思いついた言葉を私に言わせては、癇癪を起こす。



 「最初の挨拶は、今夜、俺がじっくり考える…
そもそも、うまくいかないのは、おまえに表現力がないせいだぞ!」

そんなこと言われても…
まぁ、確かにそれは事実かもしれないけど、急に直せるわけもないし。



 「じゃあ、始めるぞ。
 俺の事をみてくれ。」

 「は、はい。どのようなことをみましょうか?」

 「だから、俺の事だ。」



いや、そうでなくて…
特定の悩みがないのなら、たとえば、仕事運とか恋愛運とか…
でも、そんなことを言うと、那月さんがますます苛々しそうだから、言うのはやめておいた。



 「そ、それでは、今の那月さんに必要なメッセージをお伝えします。」

 「どういうことだ?」

 「えっと…具体的なお悩みがない方には、その…
つまり、オラクルカードっていうのは天からのご神託ですから、その…」

 「そういう頼りない話し方はよせ。
 依頼者が不安になる。」

 「す、すみません。」

あ~あ、占いをする前から、叱られてばっかりだ。
 私は、すっかり気落ちした。

 
しおりを挟む

処理中です...