タイトル未定

ルカ(聖夜月ルカ)

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new life

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「それで、次はどうするんだ!?」

 「あ、は、はい。
 今からリーディングをします。あっ!」

 緊張したせいで、カードを落としてしまった。
 那月さんの舌打ちが聞こえる中、私は慌ててカードを拾う。



 「す、すみません。」

 那月さんは、厳しい顔で私の様子を見ていた。



 「で、では、那月さんに今必要なメッセージをリーディングします。」

 那月さんの視線を感じると、ますます緊張してくる。
 今度こそはへまをしないように…そう思いながら、テーブルに広げたカードを裏向きにしてシャッフルする。



 「あ!」

またカードを落としてしまった。
 那月さんが何も言わないのが却って怖くて、那月さんの顔が見られない。



 私は視線を伏せたままカードを拾い、またそれを混ぜてシャッフルした。
そして、カードをまとめて、三枚のカードを引き抜き、それらを表に返した。



 「け、結果をお伝えします。」



 出たカードは優しさ、許し、愛のカードだった。



 「え…ええっと…
あなたの大切な人にもっと優しく接してあげて下さい。
その人がうまく出来ないことがあっても、寛容な気持ちで許してあげて下さい。」

 「何?それだけなのか?」

 「え、えっと……」

 確かに短い。
これが、有料の占いだったら、かなり不満だろうなって自分でも思う。
でも、今の私には、三枚のカードから読み解くことはこのくらいしか出来ない。
 本当に未熟っていうのか、レベルが低いっていうのか…
我ながらがっかりだよ。

 
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