52 / 216
side 慎太郎
1
しおりを挟む
*
「お願いです!
俺にはゆかりさんしか頼れる人はいないんです!」
「あんたも相当しつこいね。
何度も言っただろ?
残念だけど、やさぐれ達はあたいになんとかできる相手じゃないんだよ。」
「お、俺も頑張りますし、それにこいつらも……」
俺はとにかく諦めなかった。
この先に、危険な場所があるとわかった以上、俺達だけではどうにもならない。
なんとしても、かっぱのゆかりさんについてきてもらわないと…
本人は無理だっていうけど、ヨウカイさむいもの所から俺達を救ってくれた機敏さや勇気はたいしたもんだと思う。
それに、俺だって、一応は男なんだから、少しくらいは役に立つだろう。
第一、必ずしもやさぐれに会うって決まったわけでもないんだ。
運が良けりゃあ出会わずにすむかもしれない。
でも、やっぱり、俺達だけじゃ心細いから、かっぱのゆかりさんにはついてきてほしくて、ここ数日、説得を続けてるんだ。
「こいつらって…まだ歩くこともままならないこんな赤ん坊が何の役に……」
ゆかりさんが話してる時に、誰かが扉を叩く音がした。
「はい。」
扉の向こう側に立っていたのは、びっくりするほどのイケメンだった。
あしでか達より少し大きいヨウカイの子供を連れている。
「こんばんは。僕、美戎。」
「は?あぁ、どうも。
俺は……」
「慎太郎さんだよね?」
「そ、そうだけど、どうしてそのことを…?」
「えっと…まずは、はい。
三匹引いたらもらえるおまけなんだって。」
そう言いながら、イケメンは僕の前にやたらと目のでかいヨウカイを押し出した。
「え…ええっ…?」
「それとね、おじいちゃんに慎太郎さんを連れ戻してくるようにって頼まれたんだけど…」
「えっ!?おじいちゃんって……」
混乱する僕の前に、イケメンは一枚の写真を差し出した。
昨年、俺がおじいちゃんと一緒に写した写真だ。
「き、君!どうしてこれを…!?」
「だから、おじいちゃんに慎太郎さんを連れ戻すように頼まれて、僕は慎太郎さんの顔を知らないから、おじいちゃんがそれを持たせてくれたんだよ。」
「な、なんだってーー!」
「お願いです!
俺にはゆかりさんしか頼れる人はいないんです!」
「あんたも相当しつこいね。
何度も言っただろ?
残念だけど、やさぐれ達はあたいになんとかできる相手じゃないんだよ。」
「お、俺も頑張りますし、それにこいつらも……」
俺はとにかく諦めなかった。
この先に、危険な場所があるとわかった以上、俺達だけではどうにもならない。
なんとしても、かっぱのゆかりさんについてきてもらわないと…
本人は無理だっていうけど、ヨウカイさむいもの所から俺達を救ってくれた機敏さや勇気はたいしたもんだと思う。
それに、俺だって、一応は男なんだから、少しくらいは役に立つだろう。
第一、必ずしもやさぐれに会うって決まったわけでもないんだ。
運が良けりゃあ出会わずにすむかもしれない。
でも、やっぱり、俺達だけじゃ心細いから、かっぱのゆかりさんにはついてきてほしくて、ここ数日、説得を続けてるんだ。
「こいつらって…まだ歩くこともままならないこんな赤ん坊が何の役に……」
ゆかりさんが話してる時に、誰かが扉を叩く音がした。
「はい。」
扉の向こう側に立っていたのは、びっくりするほどのイケメンだった。
あしでか達より少し大きいヨウカイの子供を連れている。
「こんばんは。僕、美戎。」
「は?あぁ、どうも。
俺は……」
「慎太郎さんだよね?」
「そ、そうだけど、どうしてそのことを…?」
「えっと…まずは、はい。
三匹引いたらもらえるおまけなんだって。」
そう言いながら、イケメンは僕の前にやたらと目のでかいヨウカイを押し出した。
「え…ええっ…?」
「それとね、おじいちゃんに慎太郎さんを連れ戻してくるようにって頼まれたんだけど…」
「えっ!?おじいちゃんって……」
混乱する僕の前に、イケメンは一枚の写真を差し出した。
昨年、俺がおじいちゃんと一緒に写した写真だ。
「き、君!どうしてこれを…!?」
「だから、おじいちゃんに慎太郎さんを連れ戻すように頼まれて、僕は慎太郎さんの顔を知らないから、おじいちゃんがそれを持たせてくれたんだよ。」
「な、なんだってーー!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる