1ページ劇場②

ルカ(聖夜月ルカ)

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お星さま

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 「あっ!」



 私は、目の前の光景に思わず声を上げてしまった。
なぜなら、浜辺にずぶ濡れの人が打ち上げられていたから…
まだ明けきらない薄暗い朝の光の中で、その人はぐったりとした様子で倒れていて…
死んでいるのではないかと怖くなったその時、その人の腕がわずかに動くのが見えた。
 私は、咄嗟にその人の傍に駆け寄り、声をかけた。



 「だ、大丈夫ですか?」

 何度か声をかけると、その人はうっすらと目を開けたが、またすぐに目を閉じた。



どこの誰ともわからない人だけど、そのままにしておくことは出来なかった。
とにかく、家に運んで…それから、駐在さんに知らせよう。
そう思い、私はその人を引きずるようにして家の中へ運び入れた。



 「あっ!」

その人は頭に怪我をしていた。
まだ血は出ているものの、それほど酷い傷には思えなかった。
とりあえず、着ているものを脱がせてタオルで身体を拭き、そして、頭に包帯を巻いて布団に寝かせた。



 (武史さん……)



 眠ってる顔を見ていたら、なぜだか彼のことを思い出した。
それほど良く似てるわけではないのだけど、どこかに彼の面影を感じる。



 (馬鹿みたい…)



 私は捨てられたのに…
それだけじゃない。
 彼には、なにもかも吸い尽された。
 私は住む家さえ失い…どうにもならなくなってこの島に来た。
ここには、三年前に亡くなったおばあちゃんの家がある。
 井戸だってあるし、小さな畑もあるから、きっとなんとかなる…
その想いだけで、知り合いに交通費を借りて、私はなんとかここにたどり着いた。



 住む人は少ないけれど、誰もいないわけじゃない。
 近所の人にあれこれ訊ねられ、私は嘘を吐いた。



 「仕事の都合が付いたら、主人もこの島に来ます。」



そんな吐かなくても良い嘘を吐いた。
 最近は、昔と違って結婚する年齢が遅い。
まだ独身です…素直にそう言えば良かったものを…



私がこの島に来てからもうすぐ半年が経つ。
もう私の嘘なんてバレてるかもしれない。
だけど、私は何も言わない。
あれは嘘でした…なんて、今更言えるはずがない。



 死んだように眠る男性を見つめながら、私はそんなとりとめのない記憶を思い出していた。
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