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「私もそうだと思うのです。そして、もう一つには……」

 「何かあるのか?」

 「…はい…実は…
あの魔石のことなのですが……
魔石はあの一つだけではなかったのです…」

 「なんと…!
あんな石が他にもまだあるというのか!?」

 「えぇ…まだ詳しいことはわかってはいないのですが、他にもあるということは残念ながら間違いないようなのです。」

 「……それでは、まさか……君はその石を……」

 「……えぇ。
 私は祖母から受け継いだ力をもっと強いものにし、あなたのように魔石に苦しめられる人を…そして、魔石となってしまった石を助けてやりたいのです。」

 「………!
 君は、そんな危険なことを考えていたのか…」

 「……私の持つ力には、きっと意味がある。
そんな風に感じるのは間違いなのでしょうか…?」

 「いや…きっと、君の言う通りだろう……
しかし……私は君のことが心配だ。」

 「私なら大丈夫です。」

ヴェールは頷き、穏やかに微笑んだ。



 「……君は本当に強くなったな…」

 「だとしたら、それはあなたやサリーさんのお陰ですよ。」

 「レヴ、ヴェール!
ジネットが帰ってきたよ!」

サリーがジネットの帰りを小声で知らせ、私達の会話はそこで終わった。

 
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