それでも君を愛せて良かった

ルカ(聖夜月ルカ)

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それでも君を愛せて良かった

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 「キース、アベル、久し振りだな!」

 「ディック!それにトーマスじゃないか!」

 久し振りの訪問者に、父さんは顔を輝かせた。



 「アベル、トーマスと親父さんが来てくれたんだ。
 二人の分も頼む。」



 朝は時間がなく、結局、ファビエンヌの所には行けなかった。
 僕は、心の中でファビエンヌに詫びながら、いつも通り仕事に就いた。
 兄さんは、近所の友達の所に出掛けたから、昼食後に、しばらく寝かせてほしいと言って仕事を抜け出しファビエンヌの所に行こうと僕は考えていた。
ところが、兄さんは、あろうことか昼食に友達とその親父さんを連れて来た。
 昼食後は、真面目な父さんまでが仕事を休み、トーマスさん達を交えて久し振りの対面に皆大いに盛りあがっていた。
 家はそう遠くはないんだけど、僕達はめったに外に出ないからトーマスやおじさんに会うのは確かに久しぶりだ。
 僕以外は皆お酒がそこそこ好きな人達だから、僕はなんとなく皆の話を聞きながら給仕のようなことをするはめになり、またしてもファビエンヌの所に行く機会を奪われた。
 気持ちばかりが焦る中、二人は夕食までうちで食べて、そしてようやく家に戻って行った。



 「じゃ、僕、眠いからもう寝るよ。」

 「寝るって…まだ子供でも起きてる時間だぞ。」

 「昨夜は兄さんとしゃべってて寝てないんだもの。
もう眠いよ。」

 「なんだ、若いのに、あれっぽっちで音を上げるとはだらしないなぁ…」

 「ごめんよ、兄さん。
じゃあ、おやすみ。」



 少し申し訳ない気はしたけど、こうでもしないとまた兄さんに邪魔をされる。
 僕は、そのまま自分の部屋に戻った。



しばらくして、こっそりと部屋を出ると、兄さんはもう食堂にはいなかった。
あんなことを言ってたけど、兄さんもきっと眠かったに違いない。
 僕と同じく、兄さんも昨夜は眠ってないし、今日はずいぶんとお酒を飲んでいたから。


 僕はほっとして、ようやくファビエンヌの部屋へ向かうことが出来た。
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