赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)

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side 野々村美咲

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 「わぉ!外はもうこんなに明るくなってたんだね!」

アッシュさんは、大きな窓を開け放ち、額に手をかざして眩しい太陽を見上げられた。



 食事の後、私達は地下のカラオケルームに場所を移し、大盛り上がりでカラオケに興じるうちに、気がついたらいつの間にか夜が明けていた。

さながら本物のカラオケボックスのような…それもとても豪勢なもので、音響システムは見るからにお金がかかっていそうで、ステージには音楽に合わせて動く照明がきらめき、天井には大きなミラーボールまでがあった。
しかも、カラオケを盛り上げるために数々のコスプレ服やかつらまで用意してある。
 最初は恥ずかしがって歌わないとおっしゃってた美幸さんが、衣裳とかつらを見た途端に急に態度が変わり、なんとかいうゲームのコスチュームを着てかつらをかぶられたらすっかりスイッチが入ってしまったようで…
アニメの曲をノリノリで熱唱される美幸さんは、いつもとは別人みたいに輝いて見えた。
 青木さんは、英語の速くて激しい曲調の歌を歌われたのだけど、まるで本当のミュージシャンみたいにお上手で格好良かった!
その横でマイケルさんはエアギターを披露し、アッシュさんは踊り狂い…まるでロックのコンサートにでも来てるような気分になった。
おじいさんは、味のある演歌を歌われたかと思うと、その次にはムードのあるシャンソンを歌われたり、美幸さんと一緒にアニメソングまで歌われるし、そのうちに酔っ払ったアッシュさんが女装されてアイドルの曲を歌われたり、青木さんまでがはげヅラをかぶって踊られるわ、なんだかもう驚くやらおかしいやら…
私も下手な歌を何曲か歌わせていただいたけど、そのうちの一曲はおじいさんがデュエットをして下さって、そんなことって初めてだったから妙にに緊張したけどとても楽しくて…
そうだ…とにかく、あんなに楽しいカラオケは、生まれて初めて。



 「予想以上にヒーバーしてしもうたのう…
まずは、汗を流してさっぱりせんかな?」

 「あぁ、良いね。
 暴れ過ぎて、汗びっしょりだよ。」

アッシュさんはそう言いながら、Tシャツを親指と人差し指でひっぱる。



 「実はな…ここには温泉もあるんじゃよ。」

 「温泉!?」

アッシュさんが冷やかすような口笛を吹かれた。
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