赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
274 / 761
side 和彦

しおりを挟む




 「なかなか良い雰囲気の店だったね!」

 「しかも、料理も絶品だ!
あそこだったら、自信を持って接待に使えそうだな。」

 「え…!?接待?
 女の子を連れて行くのに最高だって思ったんじゃないの?」

 「……アッシュ…!」



 今日は思ったよりも早くに仕事が片付いた。
ひかりも野々村さんと会ってることだし、どこかで食事でもして帰ろうということになり、アッシュが最近出来たイタリアンの店が気になるというので、俺達はその店に繰り出した。



その店は、職場からも近く、特別気取った感じもしないが品の良い小洒落た店で、しかも、味もとても良かった。
 個室もあり、予約も受けてくれるらしく、マスターもとても感じの良い人で、俺達は満足して店を後にした。



 (今度、美幸や野々村さんも連れて行ってやろう……)



 心の中でふとそんなことを考えながら、俺ははっとした。



 (馬鹿だな…野々村さんは、大河内さんのものなのに……
 ……だけど、美幸はいつも野々村さんに世話になってるんだ。
 食事くらい…それも、美幸が一緒ならそんなこと気にすることはない。
……俺はなにも野々村さんに気があるわけじゃないんだから……)



 「……あれ…?」

 「どうした?」



 急に立ち止まったアッシュの目の先には、美幸のよく行くファミレスがあった。
 店内は明るい灯りに照らされて、誰がいるのか、道路を隔てたこの場所からもよく見える。



 (……!!)



アッシュが見ていたのは、奥の窓際の席にいた二人……
それは、向かい側に座る野々村さんと、固く手を握り合う大河内さんで……



「あの二人……相変わらず、うまくいってるみたいだね!」

 「そうだね!
あんなにみつめあっちゃって…お熱いねぇ……
ねぇ、カズ……」

 「失礼じゃないか。
あんまり見るなよ。
そんなことより、アッシュ……もう少し飲んで帰らないか?
やっぱり飲み足りない。」

なぜだか……俺は急に苛々とした気持ちを感じ、反射的にそんなことを口走っていた。
 目を背けても、今見た二人の光景が脳裏から離れない。



 (人目も気にせず、よくやるよ…
老いらくの恋ってやつほど、激しいものか……)

 心の中で悪態を吐く。



 「え……それなら、この近くで飲んで行こうか。
う~ん、どこが良いかなぁ……」

 「女の子のいっぱいいる店にしよう。」

 「そう?……じゃあ、こっちだよ。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

レオナルド先生創世記

ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。

NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。 中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。 しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。 助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。 無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。 だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。 この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。 この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった…… 7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか? NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。 ※この作品だけを読まれても普通に面白いです。 関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】     【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

本日は桜・恋日和 ーツアーコンダクター 紫都の慕情の旅

光月海愛(こうつきみあ)
恋愛
旅は好きですか? 派遣添乗員(ツアーコンダクター)の桑崎紫都32歳。 もう、仕事がらみの恋愛はしないと思っていたのに…ーー 切ない過去を持つ男女四人の二泊三日の恋慕情。

退屈令嬢のフィクサーな日々

ユウキ
恋愛
完璧と評される公爵令嬢のエレノアは、順風満帆な学園生活を送っていたのだが、自身の婚約者がどこぞの女生徒に夢中で有るなどと、宜しくない噂話を耳にする。 直接関わりがなければと放置していたのだが、ある日件の女生徒と遭遇することになる。

処理中です...