赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)

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side 美幸

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 「おはようございます!」

 次の日も、私はいつもと変わらずケーキと花束を持ってシュウさんの病室を訪ねた。



 「おはよう、いつもすまないな。」

 「いいえ、私が勝手にやってることですから…」

 出来るだけ明るく…出来るだけ元気良く、私は気力を総動員してシュウさんの言葉に答えた。



 「あ、明日、退院なんだって。」

 「え?そうなんですか。」

 「特にどこも問題はなかったからな…」

そう言ったシュウさんの声は、どこか無理してるように聞こえた。
そりゃあそうだろう…私に本当のことなんて言えるはずもないんだから…



「そ、それは良かったです。
あ、近いうちに退院祝いしましょうよ。」

 「……そうだな。」

 静かな声…
退院祝いという言葉に、シュウさんはどんな気持ちを感じただろう?
それは決して諸手を上げて喜べる状態ではない。
 余命まで宣告されて、しかも退院ってことは、もう病院にいても打つ手がないってことだ。
 手術してなんとかなるのなら、手術をするはずだけど、それもしないっていうのは、最悪の事態…だからこその『一年』なのかもしれない。



 「あ、シュウさん…ケーキ食べませんか?」

 「あぁ、もらおうか。
ケーキも今日で最後だからな。
 亮、コーヒー淹れてくれ。」



 「今日で最後」



シュウさんがなにげなく口にしたその言葉が、私の心を不安にさせた。



 「な、なんだったら、退院してからも毎日ケーキ持っていきますよ。」

 「いいよ。もう十分。」

そう言いながら、シュウさんはケーキを物色する。



 「これ、見たことないな。」

 「秋の新作だそうですよ。」

 「そっか、それじゃあ、俺はこれにする。」

 「じゃあ、私はこっちのいちごのにします。」

ケーキなんて本当はどうでも良かった。
だけど、シュウさんに変な気遣いをされないように、私は無理矢理うきうきとした表情を作って、ケーキを選んだ。

 
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