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ジューンブライドに憧れて
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「神父様!お願いです!」
穏やかな顔をした中年の神父は、私を憐れむような瞳でみつめ、小さく首を振った。
なぜ?
私はずっと憧れてたジューンブライドになれたのに…
南の島の小さな教会はとても素敵な所で……
雨ばかりの日本とは違って、空は青く澄み渡り……
私は純白のウェディングドレスに身を包み、今日は、人生で最高の日になるはずだったのに……
私の隣にあなたはいない。
*
「やっぱり無理だよ。」
「無理って……今更、どういうこと?
だって、この間、ちゃんと約束したじゃない。」
「そりゃあ、あの時は……」
言わなくたって本当はわかってる。
あの日、宏祐がどうしても300万必要だって、泣きついてきて…
私はそれを用立てる代わりに結婚を迫った。
宏祐は、その申し出を簡単に受け入れてくれて、私は子供の頃からの憧れのジューンブライドになれることが決まり、それから、私は結婚式の準備に奔走した。
理由なんてどうでも良かった。
大好きな宏祐が結婚してくれるなら、それだけで……
「いくらなんでも300万で結婚するなんて、あり得ないでしょ。」
「じゃあ、いくらなら良いの?」
「そうだなぁ……5億…!
5億なら結婚しても良いかな。
だって…考えても見てよ。
友子は僕より一回りも年上で…しかも…」
「もういいわ!やめて!」
「友子…実は、僕…縁談があるんだ。
部長の娘さんなんだけど…」
「宏祐……まさか、あなた……」
宏祐があんなことをいわなけりゃ、私だって……
どんなに浮気したって、一番愛してるのは私だって言ったのに…
お金のことを頼めるのも、私に心を許してるからだって…
でも、私……心の底ではそんなの全部嘘だってこと、感じてたのかもしれない。
*
ジューンブライドは幸せになれるって伝説を信じて、子供の頃からずっと憧れて……
「……そうですね。
やっぱり花嫁だけじゃ、結婚式はできませんよね。
私が彼の傍に行かないと……」
私は隠し持っていた小瓶の毒を喉の奥へと流し込んだ。
穏やかな顔をした中年の神父は、私を憐れむような瞳でみつめ、小さく首を振った。
なぜ?
私はずっと憧れてたジューンブライドになれたのに…
南の島の小さな教会はとても素敵な所で……
雨ばかりの日本とは違って、空は青く澄み渡り……
私は純白のウェディングドレスに身を包み、今日は、人生で最高の日になるはずだったのに……
私の隣にあなたはいない。
*
「やっぱり無理だよ。」
「無理って……今更、どういうこと?
だって、この間、ちゃんと約束したじゃない。」
「そりゃあ、あの時は……」
言わなくたって本当はわかってる。
あの日、宏祐がどうしても300万必要だって、泣きついてきて…
私はそれを用立てる代わりに結婚を迫った。
宏祐は、その申し出を簡単に受け入れてくれて、私は子供の頃からの憧れのジューンブライドになれることが決まり、それから、私は結婚式の準備に奔走した。
理由なんてどうでも良かった。
大好きな宏祐が結婚してくれるなら、それだけで……
「いくらなんでも300万で結婚するなんて、あり得ないでしょ。」
「じゃあ、いくらなら良いの?」
「そうだなぁ……5億…!
5億なら結婚しても良いかな。
だって…考えても見てよ。
友子は僕より一回りも年上で…しかも…」
「もういいわ!やめて!」
「友子…実は、僕…縁談があるんだ。
部長の娘さんなんだけど…」
「宏祐……まさか、あなた……」
宏祐があんなことをいわなけりゃ、私だって……
どんなに浮気したって、一番愛してるのは私だって言ったのに…
お金のことを頼めるのも、私に心を許してるからだって…
でも、私……心の底ではそんなの全部嘘だってこと、感じてたのかもしれない。
*
ジューンブライドは幸せになれるって伝説を信じて、子供の頃からずっと憧れて……
「……そうですね。
やっぱり花嫁だけじゃ、結婚式はできませんよね。
私が彼の傍に行かないと……」
私は隠し持っていた小瓶の毒を喉の奥へと流し込んだ。
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