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第2章 いよいよ開幕!――物語は“影”の深層へ!
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毒と怪我の回復の眠りから目覚めたばかりだというのに、ふーっ、また厄介な事が続く。
さっきまでは、ケンブルクのやつらがこのマーシュ領に攻めてきたと聞いたが、そこで発揮されたカイトの戦い方。
面白い!まず、そう思った。
奴らの戦い方は、弓と、長剣。
それは、刃こぼれ、サビがある、長年使い込まれた代物。奴らにはそれが唯一戦うための道具なんだろう。
セバスやルークからの報告から、奴らの必死さが伝わってきた。しかし、同時にどこか虚無感も感じられたようだ。
もう戦いたくない、けど、戦わないといけない、それは、王命だから。
気の毒に思う。
肉体的にも、戦術的にも我々の方が上。
ましてや、今回の戦いは、普通の戦いではない。
今まで無かった、カイトの編み出した戦い方だ。
新しい剣、盾を持てた。
そこに、スライムを使うことで、矢を弾く盾。
そんなもの、これまでに無かった“新しい武器”だ。奴らが驚くのは無理もない。
これからイスカダル国の武器は最強になる。それを証明した。
次は、岩壁、防壁を使うことはこれまでにあった。そこに、味噌を垂らしたと聞いた時は、思わず笑ってしまったな。
強烈な匂いと屈辱で戦意を削ぐとは、我が子ながら恐ろしい発想だ。
だが、たしかに効果は絶大だったらしい。
いや、見てはいないが、想像してつい笑ってしまった。
さて、さらに、最近見つけた刺激の強い“胡椒”を撒いたと聞いた。
目も鼻も喉もやられる三重苦だ。想像しただけで顔をしかめたくなる。
それだけではない、網を投下し、奴らの動きを止め、さらに足を切りつけるだなんて、何重もの罠を仕掛ける。
やつら、手も足も出ない。
捕まえた者には食べ物を与えず、薄い塩水だけを与えただと?
理由を聞いて、私は言葉を失った。
灼熱の中では体内の水分と塩分が失われ、人は倒れ、やがて死に至る。それを防ぐための“予防”だというのだ。
初めて聞く話だ。予防。
つまり、何らかの問題が発生しないように“前もって対策や準備をして防ぐこと”
なんて素晴らしい発想なのか?
熱くなると、具合が悪くなる人が度々出たが、そんな原因があったとはな。
いずれ、対策を広めていかなければ。
先に敵に対するカイトの気遣いか?
戦に、情や情けは無用だ、そこに気遣いをするとはな。
だが、それで奴らは生き延びている。
生きている奴らがいるから、奴らからの情報が多く掴めるかもしれん。
だから、カイトがしたことは、気遣いが情報収集に繋がったのだ。
そこに、新たな意味があったんだ。
食事を与えない。
与えなくして、極限で少しだけ与える。
すると、どうなる?
食を欲しがる奴らは、“今まで食べた事のない程の美味い料理”を目にして、我慢なんてできるはずがない。だから、口を割る確率は高くなるな。
情報があるということは、今後の展開を組み立てやすくなるということだ。
――カイトの頭脳勝ち、だな。
そんな時だ。
我が屋敷に不審者が、侵入しただと?
捕まえたと聞いたが、一体誰が?何の目的で侵入した?
そいつらを、誰が、どうやって捕まえたのか?
そして、もう1つ。
王都からの手紙。
―――カイトを連れて登城せよ。
嫌だ、そう拒絶したいが、どうやらそうもいかないらしい。
○元皇太子妃シルビアの両親が登城
○ルドン公爵と、娘アーシャに下す処分
○ハーレンの処罰
○ジョージの今後の処遇
それらについて、王家としてどう判断を下すべきか。1部カイトの稀人としての助言が欲しい。
それだけでは、私はカイトをまたあの王都に連れていくことなど、到底許可できない。
しかし、最後の1つ。
このために、私はカイトを王都にふたたび連れていかなければならない。
毒に侵されたジルバートを助けて欲しい。
兄上が毒に犯されている。
それが、あの女!
あの女の手によって、兄は…死の淵にいる。
助けねばならない。
カイトなら………、私が受けた毒から救ったカイトなら、兄上を助けることが出来るかもしれない。
兄上…………!
私の悲しみ、憎しみ、それなのに、空は澄み渡っている。
もどかしさや、焦りが生まれる。
ふと、視線に気づく。
それは、カイトの視線。
何かを感じ取っているようだ。
だから、私は意を決して告げる。
「カイト、兄上が毒に侵された。助けて欲しい。……頼めるか…?」
「どうしたの?何があったの?パパの腕の傷と関係があるの?」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
なんとか、今日中に更新できたー。
近況ボード、良かったら読んでください。
あんり
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