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第2章 いよいよ開幕!――物語は“影”の深層へ!
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しおりを挟む食べながら思う!
そうだ。卵もある、片栗粉も!
パンはナンを使えばいい。
豚肉で、〝トンカツ〟ができるじゃないか!
「片栗粉、塩コショウ、卵、ナン、豚肉、これだけあれば〝あれ〟ができる!」
ボクの口の中はトンカツモード。
だけど、みんなは、あれとは?になってるよねー、だよねー。
「では、ゴードン、ボクの言う通りに作ってね」
コテッ。無意識にした仕草なんだけど。
「はぅぅ、推しが…久々に、推しが愛おしい」
「坊ちゃんの無意識のコテッって、可愛すぎて…罪っ!」
「眩しいっ。カイト坊ちゃんこそ、罪作り、今がこんなんじゃ、将来は恐ろしい程の………想像して、萌えるわっ」
ねー、そこのみんな、大丈夫?
「分かりましただ。坊ちゃんの料理なら間違いねぇ、早速教えて欲しいです、ます」
「私たちにもカイト坊ちゃんレシピ教えて欲しいです。家族に食べさせたい。」
「私も!」「私も、ぜひ!」「俺たちにも!」
「みな、落ち着くんだ。まずはカイトに料理を作って貰う。それをまずは味わおう。そして、ビストロやグランドメゾンで売り出すぞ!その後なら作り方を解禁してもいいだろう。それまでは〝秘密〟だ、いいなっ」
「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」
っておーい、もうそこまで話が進むの?
今から初めて作るのに?
気持ち早くない?
でも、まずは作って、食べてからだね。
「では作るよー。お肉用意っ」
「お肉、用意っ。」真似するのね?ウケる。
「お肉はフォークで満遍なく刺して~」
「なにゆえ?」あ、ここは質問ね。
「味が馴染むし、あとはお肉の筋を壊すことでお肉が柔らかくなるんだ」
「「「「「おーっ」」」」」関心してるっ。
「塩コショウを振りかけて~」
「塩コショウふるぅ~」
あはは、テンション高いねっ。
「お肉はちょっと置いといてっ。皿を3枚用意して」
「お皿3枚用意~!」
「1枚には片栗粉。2枚目は少し深めの皿ね。溶いた卵を入れといて。」
「了解しましたー」
「次、ナンあるでしょ?これを粉々にするよ、棒で叩いてね」
ドンドンドン!段々と細かくなっていく。
「ナンなく粉々になりましたです、ます」
いや、ゴードン、ダジャレ?面白くないよっ、ドヤ顔してるけど、無視っ。
そのまま続けるよっ。
「お肉持って、片栗粉につけて。両面にだよ」
「はい、お肉持って~片栗粉、両面に満遍なくっ。お次は?」
「卵につけて、両側に卵つける感じでそうそう」
さすがゴードン、上手いっ。
「卵つけたら、ナンの粉につけて、これはしっかり手で押えて、隙間なく。そうしたら新しい皿に移すよ、そのまま置いといて。そうそう!」
みーんなの目線がこの一連の動作に釘付け。どうなるんだろ?ってワクワクだよね。
「では、油を鍋にいれるよ、鍋の半分くらい入れて!」
「え!?さすがに油をこんなには食べれませんよ?」
あー、そこの君、違うんだよー。
「大丈夫。見てて。これから食材を〝揚げる〟っていう調理法をしていきます。」
「ポティトー揚げみたいな物ですら。」
ん?あ、そうか、みんなはそれまだ食べたことないんだね。じゃ、後でポティトーフライも作ってあげよう。今日はボクがみんなをもてなすんだから。
「楽しみにしていてよ。」
その間も、ゴードンと料理人たちがさっきの手順でどんどんトンカツを作っていく。
ある程度みんなの分もあるくらいの量が積み上がり、早速揚げていくことにした。
「みんな、油は跳ねるんだよ。だから、あまり、近づいちゃダメだからね。」
「じゃ、まずは」
ってボクがひとつまみのナンの粉を油に落とす。するとナンの粉の周りにプツプツと泡が着き始め、だんだんと油の上に浮いてきた。うん、これだよ!
「ゴードン、1枚をゆっくりこの油に入れて」
ゴクッ。遠からず近からずの見守り隊から喉を鳴らす。緊張から?期待から?
ジョワーワワワワーッ。
油に投入されたトンカツはゆっくり油に浸かりながら、まるで体を震わせているようにシュワシュワを体にまとわせている。
やがて、そのシュワシュワはグツグツに変わりゆっくり上がっていく。
「あまり沢山入れちゃうと油の温度が下がり過ぎちゃうとベチャベチャになるから様子を見ながら揚げてくよ」
ボクは注視をしながら次々に指示を出す。
周りがきつね色になり始めたらひっくり返してもらう。
しばらく様子を見たら油切りのバットに並べていく。余熱でお肉に火を通す作戦。
もうひとつの油鍋に、揚げてバットにあるトンカツを2度揚げにしてもらう。
それは外をカラッとあげるため。
じゅぅぅぅー
美味そう!
たぶんこれでいいはず。
またバットにあげて、余分な油を落とす。
その作業を繰り返ししてもらってる。みんなトンカツの揚げ作業に夢中だ。
パパだけは、セバスと何やら話しているみたい。パパの顔が険しくなったり、驚いたり、笑ったり、フムフムとしたり、百面相してる。
トンカツソースはないから、いつものトマートゥとニンニクで煮詰めたソースで代用。塩で食べても美味しいし、そのままでも十分美味しいと思う。
1枚を1口大に切り分け、お皿に盛り付け、パパとママへ。
ボクも着席し、アリとボクの前にも揚げたてのトンカツが並ぶ。
パパはそのタイミングで料理に向き合い、セバスは下がる。
「カイト、これはまた新しい料理だな。なんという料理なんだ?」
「これは、トンカツです。」
「トンカツ?意味はなんだ?」
え?意味なんてないけど…えっと。
パクッ、え?パパ?食べちゃう?
ボクに質問投げたまま?え!?
パパ大丈夫?目が見開き過ぎてるよ。
「これは、またっ!とんでもなく美味い。どの料理に比べても美味い。ダントツに美味い。どの勝負にも勝つぞ。」
ん?ボクも周りも、ん?ん?ん?
「とんでもなく美味い。どんな料理にも勝つ。1番って意味だ!きっとそうだ。カイトどうだ?合っているか?」
あってないけど、パパを立てよう。
いや、面倒くさくないからじゃないよ?
「うん、さすがパパ!正解!」
「「「「「「おーっ」」」」」」
みんなが拍手。
トンカツはまたまた非常に好評で、ゴードンと料理人達は時々つまみながら、美味さに打ち震え、そして忙しくトンカツを揚げまくっていた。
みんな夢中で、満足そう!
楽しい美味しい時間が過ぎていく!
ん?誰か走ってくる?
「はぁ…はぁはぁ…あっ、ダウニー様、起きられて良かった。はぁ、はぁ、あ、ほっ、報告があり、ます。2つ。」
「なんだ?」
「はい、ひとつは、マーシュ家に侵入者です。こちらは後で確認ください。既に捕まえております。はぁ、はぁ…」
走って来たから息辛いね。落ち着いて。
「もうひとつは、王都から。陛下からの不急の手紙がまいりました」
パパの顔から、笑顔がすっと消えた。
また王都から、今度は何があるの?
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