7 / 460
第1章 カイト、五歳までの軌跡
7 妹の誕生と嫉妬
ボクが生まれて1ヶ月が過ぎた。
相変わらず子煩悩な両親とマールは、ボクを可愛がってくれて、たくさんの愛情を与えてくれる。
ボクの一日は
寝て、起きて、泣いて、オムツを変えてもらい、ママのおっぱいを飲んで、また寝る。
その繰り返しだ。
視界がだいぶ開けてきた。
マール以外の人も時々見かけるけど、まだよく分からない。
少しずつ覚えていけばいい。
だってボクはまだ赤ちゃんだから。
さて、今はもう寝る時間だけど、お腹の空いたボクはマールに泣いて訴える。
おぎゃー、おぎゃー、おぎゃぁー
(お腹すいたよー)
「はいはい、カイトお坊ちゃま、お母様のところにお乳を貰いに行きましょうね」
そう言ってマールは慣れた手つきでボクを抱っこして、ママの部屋へ向かう。
3時間おきに来ているから、もう道も覚えたよね。
コンコン!!
マールがドアを叩くと、すぐにママが出迎えてくれた。
「マール待っていたわ、さっ、カイくんを!」
ママは慣れた手つきで服を脱ぎ、ボクにお乳を飲ませてくれる。
ボクはお腹いっぱいになってきて、少し余裕が出来たから、ちょっとだけ周囲を見渡した。
すると―――
ママのベッドの上で、前ボタンを3つも外したシャツの隙間から、筋肉細マッチョなパパが色気ダダ漏れでボクを見ていた。
「カイト、お乳をいっぱい飲んで早く大きくなれよ!アマナのおっぱいは、本当は私のだからな!お前には貸しているだけだ」
ガハハと笑うパパ。
「もう、あなたったら」
ママは少し照れながらパパをたしなめる。
……なにこれ?
ボクは何を聞かされてるんだ。
まあ、パパとママが仲良しなのはいいことだ。
そう思っていた。
そう思っていたことが現実なんだと実感したのは―――
ボクが生後2ヶ月の頃だった。
2ヶ月を過ぎた頃から、ママのお乳ではなく、、乳母からお乳を貰うようになった。
そして生後7ヶ月。
ママが太った。
いや、太ったんじゃない。
どうやらお腹が大きくなっている。
そして――
ボクが生後11ヶ月になった頃。
屋敷のなかが、いつもより騒がしかった。
廊下を行き交う人の足音。
慌ただしい声。
マールも落ち着かない様子だ。
「カイトお坊ちゃま、今日はお部屋でお利口にしていましょうね」
どうやらママの部屋の方が騒がしい。
しばらくして――
赤ちゃんの泣き声が響いた。
「おぎゃあああああ!」
その瞬間、屋敷が歓喜に包まれた。
「奥様が無事にご出産されたぞ」
「元気な女の子だ!」
……え?
女の子?
そして、マールがボクを抱き上げて言った。
「カイトお坊ちゃま。妹がお生まれですよ。
カイトお坊ちゃまはお兄様になりました」
その日。
ボクはお兄ちゃんになった。
……まだよく分からないけど。
その時――
パパがボクの頭を優しく撫でた。
「カイト、お前は今日からお兄ちゃんだな」
いつもの豪快な声じゃなくて、
少しだけ優しい声だった。
ボクに――
妹が生まれた。
なんだ、そうか。
そーゆーことか!
ママからお乳をもらえなくなったのも、ママのお腹がどんどん大きくなっていったのも、
妹が出来たからなんだね!
……って。
ふたりとも仲良すぎでしょー!
オヤジ、やるな!
妹の名前はアリアーナ。
パパもママも、妹にメロメロだ。
女の子ってこともあるみたい。
ママはもちろんボクにも優しいけど、やっぱりまだ小さいアリアーナの方についていることが多い。
ちょっぴり寂しくなったボクは――
仕方なく、パパの硬い胸に抱かれて、絶賛甘え中だ。
アリアーナが寝ている時だけ、ママがボクを抱っこしてくれる。
大好きなママの温もり。
甘い匂い。
「カイくんは甘えん坊ね。アリちゃんが生まれて、少しママと一緒に居られなくなっちゃっから甘えちゃうのかな?」
ママは優しく微笑んだ。
「カイくんはママの大事で大切な可愛い息子よ、大好きよ」
そう言って、ボクのおでことほっぺに優しくキスをしてくれる。
……ママ、大好き。
ちなみに。
さっき、ママを取られた気分になって――
嫉妬でアリのおでこを叩いて泣かせたのは、
ママには内緒だ。
……絶対に内緒。
相変わらず子煩悩な両親とマールは、ボクを可愛がってくれて、たくさんの愛情を与えてくれる。
ボクの一日は
寝て、起きて、泣いて、オムツを変えてもらい、ママのおっぱいを飲んで、また寝る。
その繰り返しだ。
視界がだいぶ開けてきた。
マール以外の人も時々見かけるけど、まだよく分からない。
少しずつ覚えていけばいい。
だってボクはまだ赤ちゃんだから。
さて、今はもう寝る時間だけど、お腹の空いたボクはマールに泣いて訴える。
おぎゃー、おぎゃー、おぎゃぁー
(お腹すいたよー)
「はいはい、カイトお坊ちゃま、お母様のところにお乳を貰いに行きましょうね」
そう言ってマールは慣れた手つきでボクを抱っこして、ママの部屋へ向かう。
3時間おきに来ているから、もう道も覚えたよね。
コンコン!!
マールがドアを叩くと、すぐにママが出迎えてくれた。
「マール待っていたわ、さっ、カイくんを!」
ママは慣れた手つきで服を脱ぎ、ボクにお乳を飲ませてくれる。
ボクはお腹いっぱいになってきて、少し余裕が出来たから、ちょっとだけ周囲を見渡した。
すると―――
ママのベッドの上で、前ボタンを3つも外したシャツの隙間から、筋肉細マッチョなパパが色気ダダ漏れでボクを見ていた。
「カイト、お乳をいっぱい飲んで早く大きくなれよ!アマナのおっぱいは、本当は私のだからな!お前には貸しているだけだ」
ガハハと笑うパパ。
「もう、あなたったら」
ママは少し照れながらパパをたしなめる。
……なにこれ?
ボクは何を聞かされてるんだ。
まあ、パパとママが仲良しなのはいいことだ。
そう思っていた。
そう思っていたことが現実なんだと実感したのは―――
ボクが生後2ヶ月の頃だった。
2ヶ月を過ぎた頃から、ママのお乳ではなく、、乳母からお乳を貰うようになった。
そして生後7ヶ月。
ママが太った。
いや、太ったんじゃない。
どうやらお腹が大きくなっている。
そして――
ボクが生後11ヶ月になった頃。
屋敷のなかが、いつもより騒がしかった。
廊下を行き交う人の足音。
慌ただしい声。
マールも落ち着かない様子だ。
「カイトお坊ちゃま、今日はお部屋でお利口にしていましょうね」
どうやらママの部屋の方が騒がしい。
しばらくして――
赤ちゃんの泣き声が響いた。
「おぎゃあああああ!」
その瞬間、屋敷が歓喜に包まれた。
「奥様が無事にご出産されたぞ」
「元気な女の子だ!」
……え?
女の子?
そして、マールがボクを抱き上げて言った。
「カイトお坊ちゃま。妹がお生まれですよ。
カイトお坊ちゃまはお兄様になりました」
その日。
ボクはお兄ちゃんになった。
……まだよく分からないけど。
その時――
パパがボクの頭を優しく撫でた。
「カイト、お前は今日からお兄ちゃんだな」
いつもの豪快な声じゃなくて、
少しだけ優しい声だった。
ボクに――
妹が生まれた。
なんだ、そうか。
そーゆーことか!
ママからお乳をもらえなくなったのも、ママのお腹がどんどん大きくなっていったのも、
妹が出来たからなんだね!
……って。
ふたりとも仲良すぎでしょー!
オヤジ、やるな!
妹の名前はアリアーナ。
パパもママも、妹にメロメロだ。
女の子ってこともあるみたい。
ママはもちろんボクにも優しいけど、やっぱりまだ小さいアリアーナの方についていることが多い。
ちょっぴり寂しくなったボクは――
仕方なく、パパの硬い胸に抱かれて、絶賛甘え中だ。
アリアーナが寝ている時だけ、ママがボクを抱っこしてくれる。
大好きなママの温もり。
甘い匂い。
「カイくんは甘えん坊ね。アリちゃんが生まれて、少しママと一緒に居られなくなっちゃっから甘えちゃうのかな?」
ママは優しく微笑んだ。
「カイくんはママの大事で大切な可愛い息子よ、大好きよ」
そう言って、ボクのおでことほっぺに優しくキスをしてくれる。
……ママ、大好き。
ちなみに。
さっき、ママを取られた気分になって――
嫉妬でアリのおでこを叩いて泣かせたのは、
ママには内緒だ。
……絶対に内緒。
あなたにおすすめの小説
空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される
木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。
婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。
やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。
「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
【無断転載・AI利用禁止 / No Unauthorized Use or AI Training】
本作品の無断転載・複製・AI学習利用を禁じます。
Unauthorized reproduction or use for AI training is strictly prohibited.
© 魯恒凛 / RoKourin
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
転生先がヒロインに恋する悪役令息のモブ婚約者だったので、推しの為に身を引こうと思います
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【だって、私はただのモブですから】
10歳になったある日のこと。「婚約者」として現れた少年を見て思い出した。彼はヒロインに恋するも報われない悪役令息で、私の推しだった。そして私は名も無いモブ婚約者。ゲームのストーリー通りに進めば、彼と共に私も破滅まっしぐら。それを防ぐにはヒロインと彼が結ばれるしか無い。そこで私はゲームの知識を利用して、彼とヒロインとの仲を取り持つことにした――
※他サイトでも投稿中
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。