塩しかない世界に転生したので、料理で無双しながら領地を発展させます

あんり

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第1章 カイト、五歳までの軌跡

47 イヌマとミソ販売契約!試食戦略

「久しいな、イヌマ」

「はい、ご無沙汰しております。マーシュ辺境伯様」

「今日は、イヌマに依頼したいことがあってな」

「なんでございますか?」

「我が家は新たな特産品として、これを売る予定だ。その販売権をイヌマ、お前に任せたいと思う。私とは契約魔法を結んだのだから、私の不利益にはならないだろう。多くの利益を生み出すとしてみているが、どうだ?この話、受けてみるか?」

 私は少し賭けをしてみた。このイヌマ、マーシュ家の敵となるのか、味方になるのか、まぁ、あの魔法契約があるのだから裏切りはないだろう。
 珍しい物を商品として扱っているのなら、これも上手く商売に繋ぐだろう。

「これは?なんでしょうか?練った土でしょうか?なんか少し臭いがありますねぇ」

 やはりな、初めは躊躇うな。
 私も躊躇った。見た目も臭いもウンコだからな。まあ、熟成した後は、臭いが落ち着いて、なんとかまあ、少し気になるくらいだ。それがあのように美味い物だとは。

 はー、またみそ汁が飲みたい。
 あのとんでもなく美味いトン汁。
 はぁぁぁ、あれは美味かった。
 私の心を一瞬で虜にしたな。
 私の心は、アマナのものだというに。
 私の愛おしい妻、愛する妻、母である前に私の妻でいてくれる妻だな。
 子ども達にも愛情たっぷりだ。
 まぁ、私の事も愛してくれるしな。
 あー、昨日のアマナも可愛い。
 私の前では甘えてくるアマナ。
「私をどうしたい?」なんて野暮な質問をしてくる可愛いやつ。
 昨日はつい寝かしてやれんかった。
 私の愛は重いぞ。

「旦那様?お顔がだらしないですぞ」

 はっ!私としたことが。
 ん?なんの話をしていたか?

「んんんっ」

 威厳をだな。よしっ。

「ミソと言うものだ。我が家で作り始めた物だ。これはひじょーに美味い。どうだ?」

「えっと、マーシュ辺境伯様、む、む、難しいかもしれませんっ」

 ん?なんだ? 

「まぁ、そう言うな。このままでは売れないだろ。ま、見た目も匂いも、臭いからな」

「セバス、あれを」

 ん~、これだ、これだ。この匂い、たまらんぞ。今日はトン汁だ。

「さ、まずはこれを飲んでみよ」
「躊躇うのもわかる。けど、商人である君の五感はなんと言ってる?」

「は~、なんて美味しそうな匂いでしょうか。私、いただきますわ。マーシュ辺境伯様を差し置いて、味見してもよろしいでしょうか!?」

「かまわぬ、まずは試しなさい」

 そうだ、そう、その顔。
 イきそうか?いいか?
 いいだろ?イくなら私も一緒に。

「我慢できん、セバス、私にもトン汁を」

「はい、旦那様、どうぞこちらを」

 ごくっ、くぅーっ、最高。
 か、い、か、んっ!

 なぁ、そうだろ!?
 いいだろ?美味いだろ。

「マーシュ辺境伯様、これは売れます。絶対売れますわ。買います。いくらで卸していただけるのかしら?あ、でも、これだけでは売るのは難しいですわね。味は美味しいですのに。」

「そう、美味いだろ?そこでだ!試食を配るとしよう。」

「試食とは、なんでございますか?」

「食を試すんだ。ミソ自体では誰も見向きもせんだろう。だから、みそ汁を作って初めは無料で配るんだよ。一度飲めば誰でもまた飲みたくなるはずだ。だから、売れる。」

「なんて素晴らしいアイディアでしょう」

ま、これはカイトが考えた新しい戦略だ。
あいつもアメラに似て策士だことよ。

「まぁ、汁物だ、馬車で歩き回る事もできん。溢れたり、時間が経つと悪くなるからな。」
「そこでだ、店を出す、それを手伝って欲しい。いいな。」

「承知しました。私がお店を探してご報告いたします。お任せを。」

「まずは貴族から攻めるからな、いいな」

「承知しました。」
「それと、辺境伯様、今日のナダンソウソウをお納め下さい。私共に勝機をもたらすお話を頂いた事のお礼としまして、こちらを献上致します」


「あぁ、頂くとしよう」

「そう、マーシュ辺境伯様、先程のミソ汁なるものの、具材あれは豚肉ですわね。なぜトン汁というのでしょう?」

「あぁ、それはだな!美味い汁だからだ。」

「それは、素晴らしい。」
「それと、ひとつ、小耳に挟んだ方がいいかと。」

「なんだ?」

「カイチェアですが、不良品が出回っているそうです。傷が入っていたり、チェアのイスの1本だけ微妙に短くて、気付かずに座った子どもがイスごと倒れて怪我をしただとか。」

「なんだと!どーいうことだッ」

「ひぃぃ、噂です。けど、火のないところに煙は立たないと言いますから、お耳に入れておいた方がいいかと思ったのです。」

「セバス、その噂の真意を調べよ、早急にだ、いいな」

「はい、旦那様」
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