ボクは転生者!塩だけの世界で料理&領地開拓!

あんり

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第1章 カイト、五歳までの軌跡

109 チキントマートゥスープ作ってるところにママ乱入

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そして、いよいよトマートゥを投入。
半分に切って、さらに粗めにざく切りをして、4つのトマートゥを入れて更に煮込む。

トマートゥのアクも取り除いていく。
トマートゥの生臭さがなくなったら塩で味を整える。

鶏がらスープにトマートゥ風味も加わり、ナダンソウソウの甘みでできたスープ。
匂いだけで最高すぎるっ。
やばい、美味いよ、絶対に!たまんないっ。
 
ボクは早る気持ちを抑えて、ゆっくり口に運ぶー。

もーもー泣いていいですか?

そばでゴードンがソワソワしている。

さぁ、食べてみてよ。

「ゴードン、食べたい?」

ちょっと焦らしてみる。

ゴクッ    「はいぃー、ぜひ!」

そんなに祈らなくても良くない?
そんなに手をスリスリ擦り合わせてると手火傷しない?

「さぁ、味わって」

ゴードンに、出来たてのスープを渡し、嬉しそうに受けとり口に運ぼうとした、その時!

バンッ!って厨房のドアが開き、そこには仁王立ちのママがいた。

「ちょっと待ちなさい」

ゴードン、ママとスープ皿を交互にチラチラ。かわいそー。でも、ママ怖ーい。

「ゴードン、私のは?………ないのかしら?」

ママ、怖ーい。目が笑ってないよ。
ゴードンのスープにママのお目目がロックオン。

ゴードン、飲もうとしていたスープ皿をママに渡してるー。どんだけママ怖いん?

「ありがとう、頂くわ」

ってママー、ゴードンからお皿うばったー。
一気に、一気に飲み干したー。あー、幸せって顔してるー。もう一杯行くかー。行くぞー。ママ、お肉も入れろって指示出してまーす。
ゴードンは、ゴードンは悲しそうに、チラ見チラ見しながら、未練たらしくお皿を渡してまーす。これは、これは、主人には逆らえない辛さをゴードンは感じてます。きっと彼は今、まさに理不尽という言葉を噛み締めていることでしょー!

はい、お送りしましたのは、この屋敷の嫡男、カイト·ブラウン.マーシュでした。
事件は現場で起きている。現場からの実況中継でお送りしました。
では、皆さん、ごきげんよう。

ママに何も言えないから、実況中継してみましたー。

「カイくん」

「はい、ママ」

「新しいご飯を作る時はママに一番に知らせる?じゃなかったかしら?」

「はい、言いました」

「それなのに、酷いじゃない。ママを呼んでよ。呼んで欲しかった。カイくん、意地悪ね」

そんなこと言われてもー。

「ママ、今出来たよ。出来たか確認してからママに報告するって思ってたよ」

本当は忘れていたけど。ごめんね。

「カイくん、出来てからじゃなくて、作る前に教えてくれる?」

えー、なんでよー。

「ママは、カイくんが作ってるとこからみたいの。どんな風に作るのかも知りたいし」

そーなの?たんに食べたいだけなんじゃ?
言うと怒られちゃうから言わないけど。

「このスープはなんて言うのかしら?」

「チキントマートゥスープだよ」

「チキントマートゥスープ」

ママ、大丈夫?
祈りながら天を仰いでるじゃん。
あれ?今度はボクを抱きしめるの?
苦しいよー、おーい。
ママ、大丈夫?泣いてるの?

「ママ、どうしたの?美味しくなかった?」

絶対美味しいはずだよ。どーして泣いてるの?
あれ?ママの後ろで、ゴードン、お皿にスープ入れて、飲んでる。

ナニ、ゴードンまで泣くの?

2人してなに泣いてるのさー。

「美味しくて、美味しくて、美味しすぎて、言葉に出来ないわ」

「あー、イカルダの女神様、ありがとうございます。一生ついて行きますだ」

あはは、ふたりとも大丈夫な。

はい、美味しかったでしょー。絶対この顔は満足してるよね。

「はい、味見は終わり」

あはは、なにふたりして同時に、泣いたまま首を振るのさ。

「ダメだよ、トマートゥがもうないんだから、足りないからってまたすぐ作れるものじゃないんだから、おかわりはだーめっ」

ダメだよ、おかわり禁止!

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