塩しかない世界に転生したので、料理で無双しながら領地を発展させます

あんり

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第1章 カイト、五歳までの軌跡

110 美味しいご飯に目覚めたママは暴走中

「カイくん、ママ、このスープが、すっごく好きだわ。もう一生このスープだけで生きていくわ。毎日このスープでもいいわっ」

いやいやいや!ママ、それはダメでしょ!

「ママ、もっともっと色々美味しい料理作れるはずだから、そんな事言わないでっ」

ママに抱きしめられたままのボク。
きゃー、ママ、そんなにキスしないでー。
唇は奪っちゃやーよ。
ファーストキスもママに奪われたし。
なんなら唇はパパにも奪われたし。
アリ、うん、アリはいいのよ。
アリのファーストキスを奪ったのはボクだけどねっ。


「カイくん、ママの子どもに生まれてきてくれてありがとう」

あはは、このタイミング?

「ママ?美味しいご飯を作れるボクだから、ママの子に生まれてよかったの?」

「なに言ってるの。美味しいご飯は必要だけど、それだけではないわ。あなたはパパとママの大切な可愛い息子なの。愛してるの、これは絶対に忘れないで」

「うん、パパとママがボクのパパとママで良かったよ」

キューッて抱きしめるママの力はボクの心をとっても満たしてくれる。
ボクからも、ギューってしちゃうね。

カイくん、また匂うわね。けど、今日のチキントマートゥスープの匂いだわ。これは大変だわ、なんか永遠に嗅いでいられるわ。

ママ?なんかさっきからボクの匂い嗅いでない?クサい?あれ?ママ深呼吸になってるけど?

気のせいかな?ゴードンも近いっ。

やだ、ふたりとも大丈夫?

「ママ、ちょっと離してくれる?」

やっと抜け出せたー。ママ、ボクの匂い嗅いでちょっと変態ぽいよ。もしかしてパパの匂いも嗅いでるのー?なんか、やだぁ。

想像しちゃって思わず顔をしかめる。

「カイくん、ママに抱きしめられるの、そんな顔するくらい嫌なの?」

あちゃー、ママが拗ねちゃったよ

「そんな事ないよ。ボク臭うの?」

「このスープの匂いがして、カイくんが美味しそうって」

えー?なに?ママもなの?
お尻かくせー、緊急事態だぞー。
我が家の人達、ボクをどうしたいのかな?

「ママ、ボクを食べちゃう?」

「んふふ、可愛いから食べちゃおうかしら?」

いつもの妖艶ウィンクじゃないよ、今日のママ。

ボクが焦ってると、ママがフッと笑う。

「カイくん、焦って可愛い。食べちゃうのは冗談だけど、それだけカイくんが可愛いって事だから安心して」

う、うん。わかってはいるけどたまに冗談なのか、本気なのか分からない。
そんなとこって、貴族の『表情を悟られないようにする』ってことかな?
貴族怖ーい!ママ怖ーい。

「わかったよ、ママ」


「ねぇ、そろそろスープが気になってるんだけど。」

「あ、そう。スープね」
「カイくん、今日の夕食にはこのチキントマートゥスープも出るのかしら?」

期待  し、す、ぎ  !!  ウケるよね~

「うん、出すよ。本当は別の料理も出したいんだけどね」


「なんですって?他の料理ってなんなの?カイくん、ママに教えて。いえ、違うわ。新しいスープかしら?」

うーん、スープじゃなくて。

「ごめんね、ママ、ボクが作りたいのは材料が足りないの」

「なんですって?ゴードン、カイくんの言う材料はこれからは全部揃えてちょうだい。美味しいご飯のためだもの」

「はい、奥様。承知しやした」

「それで?何が足りないの?すぐ用意するわ」
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