塩しかない世界に転生したので、料理で無双しながら領地を発展させます

あんり

文字の大きさ
179 / 459
第1章 カイト、五歳までの軌跡

179 ボッチャンのスープは不人気

ボッチャンはかぼちゃなんだよな。天ぷら、煮付けも、かぼちゃサラダも作りたいけど、醤油、砂糖、酢、マヨネーズもないなら作れない。ないのかな?チーズも欲しい。小麦もないの?お米も欲しい。

さあ、こちらも柔らかくなってきたよー。

あ、忘れてた。
人参、玉ねぎも必要だったー。

「あ、ごめんね、忘れてた。急いでキャロトトトとナダンソウソウを持ってきてくれる?」

「どんなふうに調理しますか?」

「えっとね、このふたつもすぐ潰れるようになるまで柔らかく煮たいの」

「あーそれなら今日の夕食の下準備で煮てあるキャロトトトとナダンソウソウがありますから、これを使ってください。初めから作るよりは時間短縮になりますぇ」

「え?いいの?なんか料理に使うって準備していたんでしょ?」

「いやいや、カイト坊ちゃんのために使われる方がいいですって。遠慮なく使ってくだせえ」

ありがとう。うっかりしていたのに助かったよ。ゴードン、いつもありがとう。

「助かったよ。じゃ、使わせてもらうね」
「では、ボッチャンの鍋にキャロットトトとナダンソウソウを入れて煮込んでちょうだい」

そうしてグツグツ煮て全体的に潰れるようになったら火から下ろして、越していく。口当たりが滑らかになるように。
そして鍋にもどし、沸騰させ、水を加え塩で味を整えた。ボクは美味しいと思う。

「うーん、美味しいのは美味しいのですが、食事が甘いのがなんとも」

ってセバスが微妙。
えー、美味しいじゃん。

ママはどう?

「美味しいわ。けど、甘いスープなんてよく分からないわね。」

え?まさかの不評?え?え?うそーん。

食べてるみんなも美味しいって感じで、食事=甘くないって思ってるみたいだ。

「じゃあ、パパにも食べてもらっていい?楽しみにしていたから」

「そうね、パパにも食べてもらいましょう。最終的に決めるのはあの人だもの」

「カイくん、美味しいのよ。でも、これまで甘いスープなんてみんな飲んだことがないのよ、だから戸惑っているんだと思うわ。ママも少し、まだ慣れないだけだと思うの、ごめんなさいね」

そうなんだー、そうなんだー、残念だよ。ボクにはとても美味しいのに。考えたらそうだよね。かぼちゃも人参も、玉ねぎも、料理に使うと甘いほうだもんなー。

「うん、わかった」


そして夕食。
ボッチャンのスープを黙って完食したパパからも

「甘いな、スープが甘いのはなー、美味いんだが。」

そう言ってコースのレシピには採用されなかった。
代わりに鳥の骨から出汁をとったスープにフワフワの溶き卵が花開くチキンスープに決まった。

ホタテの味噌焼きはそのままコース料理に加わり、ポテイトゥーフライは絶賛され、観戦中の貴族のおつまみとして振る舞われることになった。

ポテイトゥーフライは冷めたら美味しくないので、冷めても美味しいのはポテイトゥーをスライスしたらいいと提案すると、その場でゴードンを呼び、作らせて食卓に出すようにパパは指示を出した。

「これがカイトがいうポテイトゥーチップスか、では頂こう」

バリッバリ

「なんだ、パリパリしていて、うまい。うますぎる。酒が欲しくなるな。」

え?酒なんてあるの?

「でもあれは飲めん。二度と飲まん。」

ん?

「どんな酒なの?」

「ああ、ドアーフの秘伝の酒でな、口噛み酒っていうんだ。」

え?口噛み酒ってまさか?沖縄に昔にあったよな。気になって調べたことあったよな、あれの原材料って、アレかな?

「ドワーフの伝統の酒でな、これは乙女が米を噛んで、噛んで、唾液を混ぜて、発酵させたものなんだ。」

きたー。お米きたー。お米この世界にあるんだねっ、やった、やったー。
ボクは興奮を抑えきれない。ご飯が食べられるかもしれない。やったーー!

「その話の中に出たお米欲しい。」

「あー、詳しくは分からんが、カイチェアを作っているモントレーがドワーフだ。話を聞いてみるか?」

「うん、早めにお願い。米は大事なの、早く欲しいの」
感想 36

あなたにおすすめの小説

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革

うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。 優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。 家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。 主人公は、魔法・知識チートは持っていません。 加筆修正しました。 お手に取って頂けたら嬉しいです。

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??

ぽっちゃり令嬢の異世界カフェ巡り~太っているからと婚約破棄されましたが番のモフモフ獣人がいるので貴方のことはどうでもいいです~

翡翠蓮
ファンタジー
幼い頃から王太子殿下の婚約者であることが決められ、厳しい教育を施されていたアイリス。王太子のアルヴィーンに初めて会ったとき、この世界が自分の読んでいた恋愛小説の中で、自分は主人公をいじめる悪役令嬢だということに気づく。自分が追放されないようにアルヴィーンと愛を育もうとするが、殿下のことを好きになれず、さらに自宅の料理長が作る料理が大量で、残さず食べろと両親に言われているうちにぶくぶくと太ってしまう。その上、両親はアルヴィーン以外の情報をアイリスに入れてほしくないがために、アイリスが学園以外の外を歩くことを禁止していた。そして十八歳の冬、小説と同じ時期に婚約破棄される。婚約破棄の理由は、アルヴィーンの『運命の番』である兎獣人、ミリアと出会ったから、そして……豚のように太っているから。「豚のような女と婚約するつもりはない」そう言われ学園を追い出され家も追い出されたが、アイリスは内心大喜びだった。これで……一人で外に出ることができて、異世界のカフェを巡ることができる!?しかも、泣きながらやっていた王太子妃教育もない!?カフェ巡りを繰り返しているうちに、『運命の番』である狼獣人の騎士団副団長に出会って……

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜

鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。 誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。 幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。 ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。 一人の客人をもてなしたのだ。 その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。 【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。 彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。 そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。 そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。 やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。 ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、 「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。 学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。 ☆第2部完結しました☆

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい

空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。 孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。 竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。 火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜? いやいや、ないでしょ……。 【お知らせ】2018/2/27 完結しました。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない

成瀬一
ファンタジー
HOTランキング1位感謝です!(2/3) 「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー) ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。 神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。 そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。 ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。 早く穏やかに暮らしたい。 俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。 【毎日18:00更新】 ※表紙画像はAIを使用しています