ヒーローズエイト〜神に選ばれし8人の戦士達による新八犬伝最強救世主伝説〜

蒼月丸

文字の大きさ
16 / 277
第一章 戦士達の集結

第十四話 グラディアスの初戦闘

しおりを挟む
 零夜達とモンスター達の戦いは激しい戦いになるかと思っていたが、彼等の圧倒的な強さにモンスター達は次々と倒れて数が減っていく。

疾風斬しっぷうざん!」

 零夜は疾風の様な素早さを駆使し、スライム達を倒しまくる。スライムは次々と風船のように破裂していき、素材と金貨に変化した。

「そーれ!」

 ミミはリングブレードをアクアリングブレードに変化させ、アゲハ蝶の様な舞を繰り出しながら、ツノラビを斬撃で次々と倒した。
 その直後、リングブレードを収めてツノラビの一匹を両手で掴み、ヒカリに向けて投げ飛ばす。

「ヒカリさん、お願いします!」
「任せて!マジカルハート!」

 ヒカリの笑顔によるマジカルハートがツノラビにも炸裂し、ツノラビはペコリと頭を下げながらお辞儀をする。同時に彼はスピリットとなって倫子のバングルの中に入った。

「残るはファルコスね。もう一度マジカルハート!」

 ヒカリは空を飛ぶファルコスにも、笑顔でのマジカルハートを直撃させる。
 するとファルコスは倫子の前に移動して一礼し、彼はスピリットとなって彼女のバングルの中に入ってしまった。

「これでよし!後は倒して良いですよ!」
「よし!フレイムキック!」

 ヒカリの笑顔の合図で倫子は跳躍したと同時に、両足に炎を纏った蹴りを次々とファルコスに激突させる。
 しかし、炎の蹴りを喰らったファルコスは、何故か鳥の丸焼きに変化してしまい、そのまま地面に落ちてしまった。

「なんで鳥の丸焼き!?」

 倫子がこの光景に驚きを隠せずにいたが、トラマツが冷静な表情で素早く鳥の丸焼きを回収し終えた。

「ああ。どうやらこの世界では鳥のモンスターを倒すと丸焼きになってしまうんだよね……目の前にあるのが証拠だから」
「それを早く言ってよ!」

 トラマツの冷静な説明に倫子がツッコみながら叫んだ直後、零夜とミミは残りのモンスター達に容赦なく襲い掛かる。

「こいつ等はこれで十分だ!忍法、火遁の術!」

 零夜は口から火を吹き始め、ツノラビ達を焼いてしまう。するとツノラビ達は次々とウサギの丸焼きに姿を変えてしまうが、零夜は問題なく回収していく。

「ウサギの丸焼きも悪くないかもな」

 零夜は冷静にウサギの丸焼きを袋に入れ終え、ミミは素早い動きでスライム達を次々と斬り裂いていく。

「まだまだこれから!スパイラルスラッシュ!」

 更にスピードを上げたと同時にアクロバティックな動きを披露しながら、強烈な斬撃でスライム達を薙ぎ倒す。そのまま全て倒し終え、全員が武器を収めた。

「倫子さん!こっちは終わりました!」
「こっちもです!」

 零夜とミミは手を振りながらモンスターを倒し終えた事を合図し、倫子とヒカリも頷きながら彼等の元に近付く。全員無事でなんとかモンスター達を上手く倒す事に成功したのだ。

「取り敢えずはこのぐらいね」
「ええ。余裕で倒せて良かったし、レベルアップできたかもね」
「取り敢えずは一件落着ですし、先に進みましょう!」
「そうですね」

 倫子とヒカリの微笑みに零夜とミミも笑顔で返し、ホムラに向けて歩き出そうとしていたその時、何処かで言い争いが聞こえる。

「ん?何処かで言い争いの声が聞こえるような……」
「何かあったのかしら?」
「取り敢えず行ってみよう。もしかすると何かあったのかも知れないし」
「トラマツの言う通りだ。急ぐぞ!」

 零夜達は突然声のした場所が気になり始め、そのまま声のした場所へと向かい出す。
 その場所に辿り着くと、とあるパーティーが言い争いをしていて、その中にはエヴァの姿がいた。エヴァは夢で出会った時と同じ服装で、サスペンダーとデニムカーゴのワイドレッグジーンズを着用している。
 エヴァと相対しているのは鎧を纏った金髪の優しい男、青いデニムスカートとスポーツブラを着用している女子高生ぐらいの女性、魔法使いの帽子とデニムジャケットを着用している女性の三人と、侍鎧を着用している一匹のバトルキャットだ。

「クビだなんていきなり言われても、困るわよ!」

 エヴァは突然パーティーを抜けてもらう事に納得できずに反論するが、ヒューゴはすまなさそうな表情で首を横に振る。

「悪いが皆で決めた事だ。覆す事もできない……」
「私達も同意見なの……ごめんね……」
「本当にすみません……」
「……ごめんな」
「そんな……うう……」

 彼等も本当は別れたくないが、今後の事を考えての苦渋の決断をしていたそうだ。
 どうする事もできなくなったエヴァは、悲しみのあまり涙目となり、今でも泣き出しそうになってしまう。
 すると、ヒューゴ達の言い争いを聞いていた零夜達がその場に駆け付けてきた。

「すいません……言い争いがあったそうですが……」
「ん?あなた達ってもしかして……夢の中で会った……」

 零夜がエヴァ達に話を聞こうとした途端、彼女は彼等の方を振り向く。
 その姿を見たエヴァは駆け付けてきたメンバーが零夜、ミミ、倫子、ヒカリ、トラマツ、ノースマンだとすぐに分かり、そのまま彼等の元に駆け寄り始める。

「もしかして……零夜なの?」
「そういう君は……エヴァなのか?」
「ええ!やっと会えて良かったわ!」

 エヴァが零夜に対して笑顔で応え、彼をムギュッと抱き締める。それと同時に彼女の尻尾がブンブンと振っているのを見ると、甘えや喜びも一緒になって表しているそうだ。

「ちょっと!恥ずかしいから止めてくれ!」
「良いじゃない。このスキンシップもあると思うわ」
「このスキンシップは流石に……」

 零夜は恥ずかしさのあまり赤面していて、エヴァは嬉しそうな表情で零夜をスリスリしながら思う存分甘えていた。

「何よ何よ!いい気になっちゃって!」
「まあまあ……彼女も悪気がある理由じゃないから」
「このぐらいは大目に見ないと」
「むう……」
 
 その光景にミミは頬を膨らまして嫉妬していて、ヒカリと倫子が苦笑いしながら彼女を落ち着かせようとしていた。
 すると、彼女と言い争いをしていた男が優しい笑みで彼等に近付く。

「君達が来てくれた……僕はその時を待っていたよ」
「?あなたは?」
「僕の名はヒューゴ。グラディアスの勇者だ」
「もしかして……映像で見たけど、君がグラディアスの勇者なのか!?」
「その通り!」

 零夜の質問にヒューゴは笑顔で返し、ヒカリ達は彼の姿に驚きを隠せなかったのも無理なかった。
しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。

みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。 勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。  辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。  だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...