ヒーローズエイト〜神に選ばれし8人の戦士達による新八犬伝最強救世主伝説〜

蒼月丸

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第二章 隠されたホムラの陰謀

第六十六話 禁忌の姿、ここにあり

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 べムールは闇の波動弾を喰らってダメージを受けてしまい、思わずグラついてバランスを崩しそうになる。

「今がチャンス!」

 その隙にキララが駆け出してべムールの顔を引っ掻き、さらなる追加ダメージを与える。

「「はあああああ!」」

 更に倫子と日和のダッシュブートがべムールの顔面に炸裂し、そのままダウンを奪い取ってしまった。

「ナイスコンボだ!」
「おのれ!やってくれたな!」

 三人の行動にトラマツが頷きながら褒める中、べムールはすぐに体勢を立て直して波動弾を次々と放ち始める。

「そうはさせません!カウンターシールド!」

 するとルリカが盾を構えてカウンターで弾き返してしまい、波動弾はべムールに襲い掛かってきた。

「ぐおっ!」

 波動弾を喰らってしまったべムールは次々とダメージを受けてしまい、傷だらけで服もボロボロになってしまった。まさに落ちぶれた姿其の物である。

「ここまでやってくれるとは……これならどうだ!ダークウェーブ!」

 べムールは次の技を駆使しようと床に手を置き、強烈な波動の波を床から出してきた。前方向のみで範囲はとても広く、高さも二メートル以上あるので回避するのも難しい。

「それなら私に任せて!あんな波動の波、超えられるから!」

 ミミはすぐに閃きのアイデアを思いつき、そのまま柱に向かってジャンプし、ダッシュしながら登り始めた。

「そしてそのまま……はっ!」
「何!?」

 なんとミミはそのまま柱を蹴ったと同時に跳躍し、アクロバティックな動きでダークウェーブを飛び越える事に成功した。その動きはアゲハ蝶の様にヒラヒラと舞う天女其の物で、それにべムールはあんぐりと口を開けてしまった。

「そんな馬鹿な……最大の技まで回避されるとは……」

 べムールが唖然としていたその時、ミミが空中から急降下しながら彼に襲い掛かってきた。狙った獲物は逃さず、スズメバチの様に鋭く襲い掛かってくる。

「これでも喰らいなさい!ライダーキック!」
「ぐおっ!」

 ミミの左足のライダーキックがべムールの顔面に激突する。
 それを見たジャンヌは槍を光の槍に変化させたと同時に、そのままべムールに向かって駆け出していく。

「あとはお願い!」
「これで終わりです!裁きの槍!」

 ミミがべムールから離れて着地した直後、ジャンヌは光の槍を構えながら彼のシンゾウブブンをそのまま突き刺してしまった。

「ぐほっ!そんな馬鹿な……申し訳ありません……ザルバッグ様……」

 べムールは盛大に口から血を吐いてしまい、そのまま仰向けに倒れて動かなくなる。同時に戦いも終わりを告げたが、べムールはまだ消滅していなかった。

「動かなくなったのに、消滅しないなんて……」
「普通なら消滅するのですが……もしかすると新たな姿に変わる可能性もあり得ます」
「どうなるのかな……とんでもない化け物に変わらなければいいけど」

 ヒカリ、ジャンヌ、マーリンの三人がこの光景に疑問に感じるのも無理なく、他の皆も同じ様に考えてしまう。するとべムールの身体から闇のオーラが噴出してしまい、エヴァがその様子を見てすぐに危機感を感じる。

「気を付けて!べムールは新たな姿に変わるわ!」
「何!?」

 エヴァの忠告に皆が驚いた直後、べムールの姿が闇に包まれ、新たな姿に変わろうとしている。それと同時に基地も崩れようとしていて、壁や柱に罅が入り始める。更には天井も崩壊しようとしていて、こんなところに長居する訳にはいかなくなったのだ。

「まずい!基地が崩壊するぞ!」
「おそらくべムールが倒れた事で、基地が崩壊しようとしているわ」
「このままだと生き埋めになるし、まだここで死にたくないわよ!」
「こうなったらアタイのワープゲートで何とかするしかない!」

 転移魔術を覚えているのはソニアだけとなっていて、こうなると彼女に賭けるしかない。ソニアがすぐにワープゲートを発動させようとしたその時、マリーが冷静に待ったをかけながら呼びかける。
 
「待って。駆け出さなくても大丈夫よ。ここは私の転移魔術に任せて!」
「マリーさん、転移魔術を覚えているのですか!?」

 なんとマリーは転移魔術を覚えている事を説明し、零夜達は驚きながらも彼女の周りに集まる。
 
「ええ!転生した時に取得したからね!皆、集まって!」

 マリーは呼びかけたと同時に、自身の足元に魔法陣を展開。そのまま彼女の周りに零夜達が集まって一塊になり、彼女は呪文を唱えながら転移し始める。

「全員いるわね!それじゃ、テレポート!」

 マリーの魔術と同時に彼女達はその場から転移。基地内は柱が完全に罅が入ってずれてしまい、壁も既に崩壊してしまったのだった。



 基地の外に零夜達が転移した直後、その建物はそのままガラガラと音を立てながら完全に崩れてしまった。
 残ったのは瓦礫とボロボロの旗だけとなり、跡形もすっかり無くなってしまったのだった。

「なんとか助かったが、べムールがまだ残ったままだな……」
「ああ。死んだんじゃないだろうな……」
「それはまだ分からないぜ……」

 ソニアと杏、零夜が真剣な表情で疑問に感じる中、ヒューゴ達が騒ぎを聞いて駆け付けてきた。奴隷に関しては既に安全な場所に移動させ終えていて、彼女達に関しては紬とクロエが保護している。

「皆、無事だったのか!」
「ああ。べムールに関しては……」

 ヒューゴ達は零夜達が無事である事に安堵の表情を浮かべていて、零夜はべムールについて説明しようとしていたその時、突如瓦礫が塵となっていくのを目撃してしまう。

「ん?瓦礫が塵となっていく……」
「もしかして……べムールは新たな姿に生まれ変わろうとしているの……?」

 ヒカリが真剣な表情で危機感を察しながら推測した途端、瓦礫の中から紫色のクマをした怪物が姿を現した。 
 身体には闇のオーラを放っていて、額には傷跡がある。おまけに凶暴そうな性格をしているので、迂闊に近づくのは危険だ。

「グオオオオオオ!!」
「うぐ……」 
「うるさい……!」
(これが……べムールの真の姿なのか……)
 
 怪物の咆哮が辺り一面に響き渡り、あまりの煩さにミミ達は思わず耳を抑えてしまう。その姿に零夜は思わず恐怖心を出そうになるが、冷静に耐えて視線を怪物に向けていた。

「こ、こん姿はないじゃ!?」
「これがべムールの真の姿!?」
「いや、少なくとも禁忌化した姿と言える。この姿はダークグリズリーだ!」

 驚きを隠せないガンテツと倫子にトラマツが説明した直後、ダークグリズリーは彼等を睨みつけながら殺気の表情を浮かべている。

「けど……そもそもダークグリズリーって何なの?」

 ヒカリはダークグリズリーの事が気になり、ヒューゴに質問する。彼女達はこの様な生物を見たのは初めてなので、質問しなければ分からないのも無理はないのだ。

「ダークグリズリーは闇のクマと言われている。奴は残酷な性格で爪や噛みつき攻撃を得意としていて、それによって多くの犠牲者が出てしまった」
「かつての選ばれし戦士達も奴を討伐する為に立ち向かったが……多くが亡くなってしまい、討伐できたのはほんの僅かだ!」
「ほんの僅か!?」

 ヒューゴとアカヤマの真剣な表情での説明に、ミミ達が驚いてしまうのも無理はない。
 ダークグリズリーは今までの敵とは違って難敵である以上、苦戦するのは確定と言える。更に選ばれし戦士達も奴と戦っていたが、あまりの強さと残酷さによって多くが亡くなってしまった。
 ダークグリズリーは彼等に視線を移し、獲物を狙う様な目で駆け出しながら襲い掛かる。

「躱せ!」

 トラマツの合図で全員がバックステップやジャンプでダークグリズリーの突撃を回避し、エヴァはジャンプしたと同時に空中回転しながら着地する。

「手強いかも知れないけど、故郷の皆の仇を取る為にも負けられない。私達の手で……終わらせる!」

 エヴァは自身の覚悟を胸に秘めながら、ダークグリズリーを真剣な表情で睨みつける。同時にホムラ支部でのラストバトルが始まりを告げられたのだった。
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