ヒーローズエイト〜神に選ばれし8人の戦士達による新八犬伝最強救世主伝説〜

蒼月丸

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第二章 隠されたホムラの陰謀

第六十七話 ダークグリズリーとの戦い

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 ダークグリズリーとの戦いが始まりを告げられ、零夜達は武器を構えながら戦闘態勢に入っている。まずはダークグリズリーが先手の攻撃を決めようと、両足で直立して鋭い爪で切り裂こうとしてきた。

「おっと!」
「よっ!」

 零夜達は素早い動きを駆使してダークグリズリーの攻撃を回避し、その隙にマーリンがダークグリズリーの背後から奇襲してきた。

「これでも喰らいなさい!アクアボム!」

 マーリンは両手から水の波動弾を生成し、そのままダークグリズリーの背中に向けて投げ飛ばした。波動弾は彼の腕に直撃して爆発を起こすが、あまり大したダメージではなかった。

「嘘でしょ!?効かない!?」

 マーリンが驚きの表情でショックを隠せない中、今度はソニアと杏が武器を構えてグリズリーベアに立ち向かう。
 杏の武器は妖刀『雷光鬼神』。雷と光の妖力を纏った妖刀であり、選ばれしオーガ族の選手しか扱えないという最強の武器でもあるのだ。

「アタイ等に任せな!」
「オーガドラゴン、ここにあり!行くぜ!」

 ソニアと杏の強烈な波動斬撃がグリズリーベアの背中に直撃するも、こちらもあまり効果なく同様のダメージとなっていた。
 グリズリーベアが反撃と言わんばかりに、ソニアと杏に突進しながら襲い掛かる。しかし、彼女達もアクロバティックな動きで見事突進を回避し、上手く地面に着地する。
  
「手強いな……ん?」

 ソニアが真剣な表情でダークグリズリーを見つめる中、横にある基地の跡地に大量のお宝と食料が置かれていた。
 どうやら他の場所から強奪し、貯蓄していたに違いないだろう。

「おい!こんなにもお宝と食料があるぞ!」
「アークスレイヤーはこんなにもお宝や食料を強奪しているからな……酷すぎるのも無理ないぜ……」

 ソニアと杏は大量のお宝と食料を目の前に、アークスレイヤーのやり方に憤慨しながら拳を強く握りしめる。
 そんな中、ダークグリズリーは鋭い鉤爪を振るい続けながら、視線の先にいる零夜に対して攻撃を仕掛けてくる。

「おっと!」

 零夜はジャンプしながらの空中回転で上手く回避したと同時に、強烈な急降下の蹴りをダークグリズリーの顔面に叩き込む。その衝撃でダークグリズリーは怯んでしまい、バランスを崩しそうになる。

「奴等は略奪行為も平気でしてくるからな!禁忌の姿になるのも、襲撃する行為も、アークスレイヤーの栄光の為なら全てを賭ける覚悟だ!」
「どおりでそういう事だと思ったわ!」
「知った以上は容赦しないっす!」

 零夜の説明にエヴァとバルクが真剣な表情で怒りながら納得した直後、バルクが跳躍したと同時に鉤爪を光らせる。更に身体を勢いよく回転し始め、そのまま急降下しながらダークグリズリーに襲い掛かってきた。

「フルスロットルスラッシュ!」

 バルクは回転しながらの爪攻撃でダークグリズリーの顔面を切り裂いてしまう。更に宙回転しながらのサマーソルトキックを顔面に浴びせ、背後からエヴァが踵落としを敵の脳天に炸裂させた。

「グオオオオオオ!!」
「今だ!」

 ダークグリズリーが三連続の攻撃による痛みで叫んでしまい、そのまま零夜が忍者刀の素早い斬撃を繰り出した。するとダークグリズリーの右爪が切り裂かれて結合崩壊してしまい、この光景にミミ、ヒカリ、倫子がある事を思い出し始める。

「右爪が破壊された!けど、これって私達の世界にあるゲームと同じみたい」
「確か名前はハンティングヒーローだったけど、人気が凄くて有名だからね」
「私もやってみたけど、難しかったかな……」

 三人はダークグリズリーの右爪が破壊された行為を見て、そのままゲームの事に結びついて談笑し始めていた。その様子を見たトラマツがハリセンで次々と彼女達の頭を叩き、三人は頭を押さえながら涙目になってしまう。

「何するのよ!」
「無駄話はそこまで!戦いに集中!」
「「「はい……」」」

 トラマツの注意に倫子達は俯きながら頷き、すぐに真剣な表情でダークグリズリーに立ち向かう。しかし、彼は怒りで活性化してしまい、闇の光弾を次々と発射しまくってきた。
 零夜達は次々と回避する中、ダークグリズリーは地面に手を叩いて強烈な闇の波動の波を繰り出す。その波はとても高くて三メートル以上、範囲も広いので多くが直撃してやられてしまった。

「「「キャアアアアアア!」」」

 ミミ達は闇の波動による大ダメージを受けてボロボロの状態で倒れてしまい、残るは零夜、ヒューゴ、エヴァ、ガンテツ、マリー、ジャンヌ、バルクの七名となってしまった。因みにノースマン達は離れた場所で指示を行っていた。

「奴は闇の光弾や三メートルの波動の波まで発射してくるなんて……手強くなってしまったわ」
「苦戦は免れないのも無理ないかも知れません。仲間もやられてしまいましたし……」
「ええ……何か弱点があれば……」

 エヴァ達がダークグリズリーの強き姿に冷や汗を流す中、零夜は不安の表情をしている彼女達の方を振り向く。彼もやはり不安はあるかも知れないが、最後まで諦めない強さは心の中にあるのだろう。

「皆。奴の倒し方についてだが、次々と部位を破壊してから立ち向かうしか方法はない。相手は手強いかも知れないが、俺達ならどんな困難でも乗り越える事ができる。自分に自信を持つんだ!」

 零夜からの励ましのアドバイスを聞いたエヴァ達は、すぐに真剣な表情をしながら戦闘態勢に入り始める。

「そうね。ここで不安になっていたら、誰がダークグリズリーを倒すのよ!」
「やるからには倒さないと!ここで倒れたら皆が心配するし!」

 エヴァ達が気合を入れた直後、倒れているはずのミミ達が起き上がって戦闘態勢に入り始める。ボロボロでも最後まで諦めない闘志があるからこそ、今の彼女達がいるのだ。

「皆、大丈夫なのか!?」
「このぐらい平気よ!私達もここで諦めないんだから!」
「やるからには全員生きて帰らないと!」
「こんなところで死ぬのは嫌だからね!」

 ミミ達の諦めない勇姿にヒューゴ達は微笑みながら頷き、すぐに剣を構えて戦闘態勢に入り始める。

「なら、僕も負けられない!総攻撃開始だ!」
「「「了解!」」」

 ヒューゴの合図にルリカ達は真剣な表情で一斉に応え、そのまま駆け出しながらダークグリズリーに立ち向かった。

「彼奴等ならどんな困難でも乗り越えられる。アークスレイヤーであろうとも、ザルバッグであろうとも!」
「そうだな。だったら見せてやろうぜ!お前達の真の覚悟を!」

 ノースマンとアカヤマは零夜達にエールを送り、トラマツは彼等が勝つ事を信じながら、真っ直ぐな視線で見つめていた。  
 ダークグリズリーとの戦いは激しさを増していき、終盤に突入。果たしてその結末は……
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