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第五章 ハルバータの姫君
第百七十話 運命を決める戦いへ
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それから翌日、零夜達はマギアス討伐に向けて出発する時が来た。メンバーはブレイブペガサス、美津代、アメリア、レジー、シオン、ゲルダ、シナモン、ジャミラ、兵士達となっている。
「とうとうこの時が来たみたいだ。全員準備の方は良いか?」
零夜は皆に呼びかけながら確認をし始め、それにミミ達は強く頷きながら応える。二日間という期間だが、彼女達は最後まで諦めずに強くなった。ここまで来たとなると、マギアスを倒せる可能性はあり得るだろう。
「ええ。ここまで来た以上、私達は最後まで諦めない。全員死なずに戦うのが私達の使命だからね」
「ここまで来た以上、私達の力でマギアスを倒しましょう!」
「紅蓮丸は女性は襲わないし、零夜君とレジーさんがカギとなるわね」
ミミ、倫子、ヒカリの意見に皆も同意する。紅蓮丸は女性を襲わない信条があるので、ミミ達女性陣は襲う事はない。しかし、零夜やレジー、トラマツ、ノースマンに対しては襲い掛かる事があるので、要注意だ。
「確かにそうですな。しかし、姫様の姿が見えないが……」
レジーが辺りを見回しながら、アメリアの姿がいない事に気付く。支度に手間取っているかと思っていたその時、彼女が歩きながら姿を現したのだ。しかも、零夜の前で決意をした時の服装で、肩鎧を付けているのだ。
「姫様!?そ、その格好は!?」
アメリアの姿にレジーだけでなく、ミミ達も驚きを隠せずにいた。まさかアメリアがこの様な格好をしているとは、誰も想像もしていなかっただろう。
「ねえ、ブラウスはどうしたの?」
「なんでビキニブラなの!?恥ずかしくないの!?」
エヴァとキララが心配そうな表情をしながら、アメリアに質問をしていく。それに対して彼女は真剣な表情をしながら、皆に説明を始める。
「昨日、私は零夜さんと話をして強い決意を固めました。国民や仲間を守る為に王となり、この姿で戦う事を決断しました!」
「「「!?」」」
アメリアは昨日の夕刻に起きた事を皆に説明し、その内容に皆がざわついてしまう。レジーに至っては困惑していて、慌ててしまうのも無理ないだろう。
「まさかその様な事が……しかし、この服装は恥ずかしさがありますぞ!」
「良いじゃない。ピッタリ似合うんだから」
「いや、しかし……」
レジーはアメリアの服装を見た瞬間、顔を赤面しながら抑えていた。彼女はウインクしながらアピールするが、彼にとっては恥ずかしさのあまり見ていられないだろう。
(うひゃー……流石にこれはやり過ぎたな……)
零夜がこの光景に心の中で苦笑いしたその時、エヴァが零夜の頭にガブリと噛みついてしまった。黙ってアメリアと話をしただけでなく、服装まで変えた責任は取ってもらうべきだろう。
「あだーっ!黙っててごめんなさいー!」
「許さない~!勝手に話してどういうつもりなの~!」
「こ、これには深い理由が!いでーっ!」
零夜は悲鳴を上げながら走り回り、エヴァは彼の頭に噛みつきながら断固離れない。その様子にミミ、ルリカ、美津代は零夜に対して頬を膨らましながら嫉妬し、アミリス達は慌てながらエヴァを止めに向かい出す。
「何これ……」
「ブレイブペガサスって、こんな展開が多いのかな……」
「私もそう思ったかも知れないな……」
「うん……」
シナモン、ジャミラ、シオン、ゲルダに至ってはポカンとするしかなく、この状況を見つめるしかなかった。改めて思うが、このチームは本当に大丈夫なのかと。
※
騒動も終わって零夜達は出陣し、彼を筆頭にトンガラ渓谷へと進んでいた。彼等は空を飛びながら移動しているので、そんなに時間は掛からないだろう。
「もう少しでトンガラ渓谷ですが、怪我の方は大丈夫でしょうか?」
アメリアが零夜に視線を移すと、エヴァに頭を噛みつかれた跡がまだ残っていた。狼族の牙はとても鋭いので、回復してもその跡が残ってしまうのだ。普通の人だったら死んでしまうが。
「エヴァの噛みつきは何度もやられましたからね。出血は止まりましたが、痛みがまだ……」
零夜は歪めた表情で頭を抑えながら、アメリアに対して怪我の事を説明する。零夜が浮気行為をする度に、エヴァは怒りで噛み付いてしまう悪い癖がある。彼女だけでなく、ミミ、ルリカ、倫子などの女性メンバーにも、その悪い癖がある為、怒らせると何を仕出かすか分からないのだ。
「元はといえば零夜のせいだからね!私達に黙って姫様と話すなんて何考えているの!」
「う……言われてみればそうかもな……」
エヴァからの怒りの指摘に、零夜は俯きながら何も言えなくなる。今回の件に関しては皆に黙っていた零夜が悪いので、自業自得と言えるだろう。
「まあまあ。取り敢えずは……ん?」
アミリスが苦笑いしながらこの場を収めようとしたその時、彼女は真剣な表情で目の前の光景に視線を移す。どうやら何か不安な予感がした為、警戒を強めてしまうのも無理ない。
「アミリス、もしかすると敵が来たの?」
「ええ……目的の敵が来るわ!マギアスよ!」
アミリスは既に千里眼を発動していて、マギアスが来る事を予測する。同時に零夜達は戦闘態勢に入り、敵が来る事を警戒し始める。するとズシンズシンと大きな音が聞こえ始め、マギアスがこちらに近付いてきたのだ。
「トンガラ渓谷まであと一キロメートル先にあるのに、なんでマギアスが近付いて来ているの?」
「分かりません……恐らく何者かがマギアスを使役されていますが……」
マリーの質問にジャンヌが真剣な表情で推測する中、マギアスが姿を現した。実物の大きさはかなりデカく、ビビってしまいそうになるのも時間の問題だ。
「グオオオオオオオ!!」
マギアスの咆哮が響き渡ったと同時に、敵は零夜達へと襲い掛かってきた。そのままスピードを上げて突進するが、彼等は素早い動きで回避する事に成功。
するとマーリンがマギアスの背中にある砲台に移動し、その場所に着地して攻撃を開始しようとする。
「水雷拳!」
水と雷のオーラを纏った拳が、マギアスの砲台の一つに炸裂。そのまま砲台は罅を出しながら広がってしまい、あっという間に結合崩壊してしまった。
マーリンの拳は岩を砕くだけでなく、鋼鉄まで破壊する事ができる万能の拳と言われている。その為、格闘技術はトップクラスの実力を持っているのだ。
「やるじゃない、マーリン!」
アミリスの笑顔にマーリンはウインクしながら応え、すぐに全員に呼びかける。
「ここは二手に分かれるわよ!砲台、ミサイルポッドと、前面装甲を攻撃。其れ等を破壊すれば勝機に繋がるわ!」
「分かりました!私達は前面装甲を!マーリンさん達は砲台などの破壊をお願いします!」
マーリンからのアドバイスにアメリアは頷き、すぐに全員に指示を飛ばしながら動き出した。零夜は紅蓮丸がまだいない事を察しながら、砲台へと向かい出す。
(今、出てきたのはマギアスのみ。紅蓮丸はまだ来ていないか……だが、油断は禁物!今は自身のやるべき事に集中だ!)
零夜は心の中で自身のやるべき事に集中すると同時に、マギアスとの戦いに臨み始める。アメリアを王にする為にも、零夜達にとっては負けられない戦いが幕を開けたのだった。
「とうとうこの時が来たみたいだ。全員準備の方は良いか?」
零夜は皆に呼びかけながら確認をし始め、それにミミ達は強く頷きながら応える。二日間という期間だが、彼女達は最後まで諦めずに強くなった。ここまで来たとなると、マギアスを倒せる可能性はあり得るだろう。
「ええ。ここまで来た以上、私達は最後まで諦めない。全員死なずに戦うのが私達の使命だからね」
「ここまで来た以上、私達の力でマギアスを倒しましょう!」
「紅蓮丸は女性は襲わないし、零夜君とレジーさんがカギとなるわね」
ミミ、倫子、ヒカリの意見に皆も同意する。紅蓮丸は女性を襲わない信条があるので、ミミ達女性陣は襲う事はない。しかし、零夜やレジー、トラマツ、ノースマンに対しては襲い掛かる事があるので、要注意だ。
「確かにそうですな。しかし、姫様の姿が見えないが……」
レジーが辺りを見回しながら、アメリアの姿がいない事に気付く。支度に手間取っているかと思っていたその時、彼女が歩きながら姿を現したのだ。しかも、零夜の前で決意をした時の服装で、肩鎧を付けているのだ。
「姫様!?そ、その格好は!?」
アメリアの姿にレジーだけでなく、ミミ達も驚きを隠せずにいた。まさかアメリアがこの様な格好をしているとは、誰も想像もしていなかっただろう。
「ねえ、ブラウスはどうしたの?」
「なんでビキニブラなの!?恥ずかしくないの!?」
エヴァとキララが心配そうな表情をしながら、アメリアに質問をしていく。それに対して彼女は真剣な表情をしながら、皆に説明を始める。
「昨日、私は零夜さんと話をして強い決意を固めました。国民や仲間を守る為に王となり、この姿で戦う事を決断しました!」
「「「!?」」」
アメリアは昨日の夕刻に起きた事を皆に説明し、その内容に皆がざわついてしまう。レジーに至っては困惑していて、慌ててしまうのも無理ないだろう。
「まさかその様な事が……しかし、この服装は恥ずかしさがありますぞ!」
「良いじゃない。ピッタリ似合うんだから」
「いや、しかし……」
レジーはアメリアの服装を見た瞬間、顔を赤面しながら抑えていた。彼女はウインクしながらアピールするが、彼にとっては恥ずかしさのあまり見ていられないだろう。
(うひゃー……流石にこれはやり過ぎたな……)
零夜がこの光景に心の中で苦笑いしたその時、エヴァが零夜の頭にガブリと噛みついてしまった。黙ってアメリアと話をしただけでなく、服装まで変えた責任は取ってもらうべきだろう。
「あだーっ!黙っててごめんなさいー!」
「許さない~!勝手に話してどういうつもりなの~!」
「こ、これには深い理由が!いでーっ!」
零夜は悲鳴を上げながら走り回り、エヴァは彼の頭に噛みつきながら断固離れない。その様子にミミ、ルリカ、美津代は零夜に対して頬を膨らましながら嫉妬し、アミリス達は慌てながらエヴァを止めに向かい出す。
「何これ……」
「ブレイブペガサスって、こんな展開が多いのかな……」
「私もそう思ったかも知れないな……」
「うん……」
シナモン、ジャミラ、シオン、ゲルダに至ってはポカンとするしかなく、この状況を見つめるしかなかった。改めて思うが、このチームは本当に大丈夫なのかと。
※
騒動も終わって零夜達は出陣し、彼を筆頭にトンガラ渓谷へと進んでいた。彼等は空を飛びながら移動しているので、そんなに時間は掛からないだろう。
「もう少しでトンガラ渓谷ですが、怪我の方は大丈夫でしょうか?」
アメリアが零夜に視線を移すと、エヴァに頭を噛みつかれた跡がまだ残っていた。狼族の牙はとても鋭いので、回復してもその跡が残ってしまうのだ。普通の人だったら死んでしまうが。
「エヴァの噛みつきは何度もやられましたからね。出血は止まりましたが、痛みがまだ……」
零夜は歪めた表情で頭を抑えながら、アメリアに対して怪我の事を説明する。零夜が浮気行為をする度に、エヴァは怒りで噛み付いてしまう悪い癖がある。彼女だけでなく、ミミ、ルリカ、倫子などの女性メンバーにも、その悪い癖がある為、怒らせると何を仕出かすか分からないのだ。
「元はといえば零夜のせいだからね!私達に黙って姫様と話すなんて何考えているの!」
「う……言われてみればそうかもな……」
エヴァからの怒りの指摘に、零夜は俯きながら何も言えなくなる。今回の件に関しては皆に黙っていた零夜が悪いので、自業自得と言えるだろう。
「まあまあ。取り敢えずは……ん?」
アミリスが苦笑いしながらこの場を収めようとしたその時、彼女は真剣な表情で目の前の光景に視線を移す。どうやら何か不安な予感がした為、警戒を強めてしまうのも無理ない。
「アミリス、もしかすると敵が来たの?」
「ええ……目的の敵が来るわ!マギアスよ!」
アミリスは既に千里眼を発動していて、マギアスが来る事を予測する。同時に零夜達は戦闘態勢に入り、敵が来る事を警戒し始める。するとズシンズシンと大きな音が聞こえ始め、マギアスがこちらに近付いてきたのだ。
「トンガラ渓谷まであと一キロメートル先にあるのに、なんでマギアスが近付いて来ているの?」
「分かりません……恐らく何者かがマギアスを使役されていますが……」
マリーの質問にジャンヌが真剣な表情で推測する中、マギアスが姿を現した。実物の大きさはかなりデカく、ビビってしまいそうになるのも時間の問題だ。
「グオオオオオオオ!!」
マギアスの咆哮が響き渡ったと同時に、敵は零夜達へと襲い掛かってきた。そのままスピードを上げて突進するが、彼等は素早い動きで回避する事に成功。
するとマーリンがマギアスの背中にある砲台に移動し、その場所に着地して攻撃を開始しようとする。
「水雷拳!」
水と雷のオーラを纏った拳が、マギアスの砲台の一つに炸裂。そのまま砲台は罅を出しながら広がってしまい、あっという間に結合崩壊してしまった。
マーリンの拳は岩を砕くだけでなく、鋼鉄まで破壊する事ができる万能の拳と言われている。その為、格闘技術はトップクラスの実力を持っているのだ。
「やるじゃない、マーリン!」
アミリスの笑顔にマーリンはウインクしながら応え、すぐに全員に呼びかける。
「ここは二手に分かれるわよ!砲台、ミサイルポッドと、前面装甲を攻撃。其れ等を破壊すれば勝機に繋がるわ!」
「分かりました!私達は前面装甲を!マーリンさん達は砲台などの破壊をお願いします!」
マーリンからのアドバイスにアメリアは頷き、すぐに全員に指示を飛ばしながら動き出した。零夜は紅蓮丸がまだいない事を察しながら、砲台へと向かい出す。
(今、出てきたのはマギアスのみ。紅蓮丸はまだ来ていないか……だが、油断は禁物!今は自身のやるべき事に集中だ!)
零夜は心の中で自身のやるべき事に集中すると同時に、マギアスとの戦いに臨み始める。アメリアを王にする為にも、零夜達にとっては負けられない戦いが幕を開けたのだった。
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