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第七章 おとぎの世界の大冒険
第二百二十一話 決闘へのカウントダウン
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「決闘!?まさか本気なのか!?」
零夜は驚きの表情で桃太郎に質問するが、彼は真剣な表情でコクリと頷いていた。その意志はとても固く、断固拒否しようとしても無駄と言えるだろう。
「そうだ。お前達はAランクの最強チームである事を知っている。その実力を確かめてみる価値はあるし、俺もお前と戦ってみたい」
桃太郎は真剣な表情で決闘の理由を説明し、その話に零夜達は納得の表情をする。零夜達の噂は既に聞いているので、彼と一度戦いたいのが本音であるのだろう。
決闘の理由が判明されただけでなく、勝ったら技を伝授してくれる。こうなると挑むしか道はないだろう。
「分かった。その決闘、俺は受けて立つ!」
「そう言うと思った。すぐに闘技場へ向かうぞ!」
「私達も行きます!」
零夜は桃太郎との決闘を受ける事を受諾し、二人は街の中にある闘技場へと向かい出す。ルリカ達も零夜と桃太郎の後を追いかけ、彼女達はそのまま街の中へと入ったのだった。
※
街の中はファンタジーな光景となっているが、シーンと静かになっていた。以前は活気溢れる街だったが、カボチャ男爵のお陰で静かになっている。皆はそれ程彼を憎んでいて倒そうとしているが、あまりの無力に怯えるしかなかった。
「やけに静かだな……」
「ああ。カボチャ男爵が来てからこの様になっているからな」
「だからあんなに静かなのね……」
桃太郎の説明にミミ達が納得する中、彼の仲間であるアラジンと浦島太郎が駆け付けてきた。彼等も桃太郎達と同じチームに所属していて、今はレジスタンスとして行動している。因みにシンデレラ、白雪姫はカボチャ男爵に洗脳され、赤ずきんの行方は分からないのだ。
「アラジン!浦島太郎!」
「ウサギ、無事だったんだね!」
「敵に襲われたと聞いた時はどうなるかと思ったぜ……」
「心配かけてごめんね」
アラジンと浦島太郎もウサギが無事である事に安堵して、心配をかけた彼は心から謝罪をする。その直後に浦島太郎とアラジンは零夜達に視線を移し、ウサギを助けてくれた事に一礼する。
「ウサギを助けてくれてありがとな。俺は浦島太郎。さすらいの釣り人だ」
「僕はアラジン。おとぎの世界の警察だよ」
「東零夜だ。宜しく頼む」
浦島太郎とアラジンが零夜達に対して自己紹介をし、彼等もまた自己紹介で返した。その様子を見た桃太郎は、浦島太郎とアラジンに近付きながら声をかけ始める。
「自己紹介をしたのは良いが、今から闘技場へ向かわないといけない。零夜と決闘する事になったからな」
「出たよ。桃太郎のバトルマニア癖が……」
「まあ、この事については皆に伝えておくから、先に闘技場に向かいな」
アラジンと浦島太郎は桃太郎の悪い癖に呆れながらも、皆に連絡する為に急いで駆け出していく。闘技場で戦いがあると聞いた以上、街の人達に伝える義務があるのだ。
「これ、観客達が多く出るかも知れないな……」
「まあ、いつもの事だ。因みにわしが開いたプロレス大会では、おとぎの世界の者達が多く駆けつけてきた。しかも全席完売」
「「「全席完売!?」」」
ソニア達がこの光景に唖然とする中、王様は更に補足の説明を加える。それに零夜達が驚きを隠せないのも無理なく、そんなにも人気があるとは思わなかっただろう。
おとぎの世界ではバトルや祭と聞くと、黙っていられずに見に行くのが悪い癖である。熱狂的な奴等が多いのも無理なく、全席完売も当然。王様が開いたプロレス大会も、同様の集客数を誇っているのだ。
「こりゃ、この決闘も観客が多く来るだろうな……」
零夜は苦笑いしながらも、決闘は大歓声に包まれると予感する。それに倫子達も同様に頷くしかなく、彼等は闘技場へと再び歩み出し始めた。
※
その後、零夜達は闘技場に到着。彼等はそのまま控室に向かい出し、戦いの準備を始めていた。今回の決闘で戦うのは零夜のみなので、ミミ達はサポートに専念するのだ。
「忍者刀の手入れはしておこう。錆びたら駄目だからな」
零夜はしっかりと忍者刀を持ち、よく揉んでやわらかくした下拭用の拭紙を用意する。そのまま横から刀身を挟むように持ち、拭紙を下から上へ動かしていく。
更に打ち粉を下から上へぽんぽんと打っていくが、うっすらと粉が付く程度となっている。その後によく揉んでやわらかくした上拭用拭紙を使い、横の方から刀身を挟むように持ち、打粉を拭う。
このとき、棟の部分を拭い忘れることがあるため、棟部分もしっかり拭っておく。これで刀の手入れは完成するのだ
「刀の手入れ、とても上手ね」
「トラマツから教えられた。武器は手入れが必要と言われているからな」
零夜は武器の手入れをトラマツから教えられていて、戦いが終わった後は必ず武器の手入れを忘れずにしている。ミミ達も同様に武器の手入れを忘れずに行っている為、それ程武器の大切さが分かるだろう。
「私達も武器の手入れは忘れずにしているけど、汚れてしまったら威力も落ちるからね」
「そうそう。錆びない特殊素材があれば、今後の戦いも役に立つと思うからね。砥石も欠かせないし」
ミミとキララの意見に倫子達も同意しながら頷く。彼女達は武器の手入れには欠かさない道具を持っているが、今後は錆びない特殊素材を手に入れようと考えているのだ。
「武器の手入れはどう?」
「問題ない。後は勝利あるのみだ」
零夜は忍者刀を鞘に納め、控室から出ようとした。するとミミが彼に近付き、ムギュッと強く抱き締めてきたのだ。
「零夜、あなたは一人じゃない。私達が側にいる。あなたは諦めずに立ち向かう覚悟があるなら、桃太郎にだって勝てるわ」
「ミミ姉……」
更にエヴァ、ルリカ、美津代、倫子も零夜の周りに集まり、次々と彼に抱き着く。その温もりはとても温かく、優しさに包まれている様だ。
「私たちが後押しするから、思いっきり立ち向かいなさい」
「鬼達を倒すにはあの技が必要。だったら掴み取るまでです!」
「私達は零夜君がいたからこそ、今の私達がいる。今度は私達が支える番!」
「あなたなら絶対に勝てる。自分に自信を持って」
エヴァ達からのエールを受けた零夜は笑みを浮かべつつ、すぐに気を引き締めて戦う覚悟を見せる。皆からの支えがあるからこそ、今の自分がいる。更にエールを受けた以上、負ける理由にはいかないのだ。
「ありがとう。皆のお陰で俺は万全の状態だ。必ず桃太郎に勝利し、あの必殺技を手に入れる!」
「その意気だ!ブレイブペガサスのリーダーとして、最後まで諦めずに立ち向かえ!」
「おう!」
零夜はノースマンのエールに対して、背を向けながらガッツポーズで応えた。同時に彼等は控室から出て行き、戦いの場へと歩み出す。緊張感が漂う空気の中、零夜達は平然と歩き出していく。たとえ誰が相手であろうとも、ここで倒れる理由には行かないのだ。
(必ず勝つ。自ら強くなる為だけでなく、皆と共に歩んでみせる。そして……おとぎの世界を救う為にも!)
零夜が心の中で決意したと同時に、戦いの場から声援が聞こえ始める。この様子だと浦島太郎とアラジンの声掛けによって、多くの観客達が駆け付けてきたのだろう。
「観客達の声が聞こえる……行くとするか!」
零夜の合図に全員が頷き、彼等はそのまま戦いの場へと入って行く。同時に試合開始となるカウントダウンも始まろうとしていたのだった。
零夜は驚きの表情で桃太郎に質問するが、彼は真剣な表情でコクリと頷いていた。その意志はとても固く、断固拒否しようとしても無駄と言えるだろう。
「そうだ。お前達はAランクの最強チームである事を知っている。その実力を確かめてみる価値はあるし、俺もお前と戦ってみたい」
桃太郎は真剣な表情で決闘の理由を説明し、その話に零夜達は納得の表情をする。零夜達の噂は既に聞いているので、彼と一度戦いたいのが本音であるのだろう。
決闘の理由が判明されただけでなく、勝ったら技を伝授してくれる。こうなると挑むしか道はないだろう。
「分かった。その決闘、俺は受けて立つ!」
「そう言うと思った。すぐに闘技場へ向かうぞ!」
「私達も行きます!」
零夜は桃太郎との決闘を受ける事を受諾し、二人は街の中にある闘技場へと向かい出す。ルリカ達も零夜と桃太郎の後を追いかけ、彼女達はそのまま街の中へと入ったのだった。
※
街の中はファンタジーな光景となっているが、シーンと静かになっていた。以前は活気溢れる街だったが、カボチャ男爵のお陰で静かになっている。皆はそれ程彼を憎んでいて倒そうとしているが、あまりの無力に怯えるしかなかった。
「やけに静かだな……」
「ああ。カボチャ男爵が来てからこの様になっているからな」
「だからあんなに静かなのね……」
桃太郎の説明にミミ達が納得する中、彼の仲間であるアラジンと浦島太郎が駆け付けてきた。彼等も桃太郎達と同じチームに所属していて、今はレジスタンスとして行動している。因みにシンデレラ、白雪姫はカボチャ男爵に洗脳され、赤ずきんの行方は分からないのだ。
「アラジン!浦島太郎!」
「ウサギ、無事だったんだね!」
「敵に襲われたと聞いた時はどうなるかと思ったぜ……」
「心配かけてごめんね」
アラジンと浦島太郎もウサギが無事である事に安堵して、心配をかけた彼は心から謝罪をする。その直後に浦島太郎とアラジンは零夜達に視線を移し、ウサギを助けてくれた事に一礼する。
「ウサギを助けてくれてありがとな。俺は浦島太郎。さすらいの釣り人だ」
「僕はアラジン。おとぎの世界の警察だよ」
「東零夜だ。宜しく頼む」
浦島太郎とアラジンが零夜達に対して自己紹介をし、彼等もまた自己紹介で返した。その様子を見た桃太郎は、浦島太郎とアラジンに近付きながら声をかけ始める。
「自己紹介をしたのは良いが、今から闘技場へ向かわないといけない。零夜と決闘する事になったからな」
「出たよ。桃太郎のバトルマニア癖が……」
「まあ、この事については皆に伝えておくから、先に闘技場に向かいな」
アラジンと浦島太郎は桃太郎の悪い癖に呆れながらも、皆に連絡する為に急いで駆け出していく。闘技場で戦いがあると聞いた以上、街の人達に伝える義務があるのだ。
「これ、観客達が多く出るかも知れないな……」
「まあ、いつもの事だ。因みにわしが開いたプロレス大会では、おとぎの世界の者達が多く駆けつけてきた。しかも全席完売」
「「「全席完売!?」」」
ソニア達がこの光景に唖然とする中、王様は更に補足の説明を加える。それに零夜達が驚きを隠せないのも無理なく、そんなにも人気があるとは思わなかっただろう。
おとぎの世界ではバトルや祭と聞くと、黙っていられずに見に行くのが悪い癖である。熱狂的な奴等が多いのも無理なく、全席完売も当然。王様が開いたプロレス大会も、同様の集客数を誇っているのだ。
「こりゃ、この決闘も観客が多く来るだろうな……」
零夜は苦笑いしながらも、決闘は大歓声に包まれると予感する。それに倫子達も同様に頷くしかなく、彼等は闘技場へと再び歩み出し始めた。
※
その後、零夜達は闘技場に到着。彼等はそのまま控室に向かい出し、戦いの準備を始めていた。今回の決闘で戦うのは零夜のみなので、ミミ達はサポートに専念するのだ。
「忍者刀の手入れはしておこう。錆びたら駄目だからな」
零夜はしっかりと忍者刀を持ち、よく揉んでやわらかくした下拭用の拭紙を用意する。そのまま横から刀身を挟むように持ち、拭紙を下から上へ動かしていく。
更に打ち粉を下から上へぽんぽんと打っていくが、うっすらと粉が付く程度となっている。その後によく揉んでやわらかくした上拭用拭紙を使い、横の方から刀身を挟むように持ち、打粉を拭う。
このとき、棟の部分を拭い忘れることがあるため、棟部分もしっかり拭っておく。これで刀の手入れは完成するのだ
「刀の手入れ、とても上手ね」
「トラマツから教えられた。武器は手入れが必要と言われているからな」
零夜は武器の手入れをトラマツから教えられていて、戦いが終わった後は必ず武器の手入れを忘れずにしている。ミミ達も同様に武器の手入れを忘れずに行っている為、それ程武器の大切さが分かるだろう。
「私達も武器の手入れは忘れずにしているけど、汚れてしまったら威力も落ちるからね」
「そうそう。錆びない特殊素材があれば、今後の戦いも役に立つと思うからね。砥石も欠かせないし」
ミミとキララの意見に倫子達も同意しながら頷く。彼女達は武器の手入れには欠かさない道具を持っているが、今後は錆びない特殊素材を手に入れようと考えているのだ。
「武器の手入れはどう?」
「問題ない。後は勝利あるのみだ」
零夜は忍者刀を鞘に納め、控室から出ようとした。するとミミが彼に近付き、ムギュッと強く抱き締めてきたのだ。
「零夜、あなたは一人じゃない。私達が側にいる。あなたは諦めずに立ち向かう覚悟があるなら、桃太郎にだって勝てるわ」
「ミミ姉……」
更にエヴァ、ルリカ、美津代、倫子も零夜の周りに集まり、次々と彼に抱き着く。その温もりはとても温かく、優しさに包まれている様だ。
「私たちが後押しするから、思いっきり立ち向かいなさい」
「鬼達を倒すにはあの技が必要。だったら掴み取るまでです!」
「私達は零夜君がいたからこそ、今の私達がいる。今度は私達が支える番!」
「あなたなら絶対に勝てる。自分に自信を持って」
エヴァ達からのエールを受けた零夜は笑みを浮かべつつ、すぐに気を引き締めて戦う覚悟を見せる。皆からの支えがあるからこそ、今の自分がいる。更にエールを受けた以上、負ける理由にはいかないのだ。
「ありがとう。皆のお陰で俺は万全の状態だ。必ず桃太郎に勝利し、あの必殺技を手に入れる!」
「その意気だ!ブレイブペガサスのリーダーとして、最後まで諦めずに立ち向かえ!」
「おう!」
零夜はノースマンのエールに対して、背を向けながらガッツポーズで応えた。同時に彼等は控室から出て行き、戦いの場へと歩み出す。緊張感が漂う空気の中、零夜達は平然と歩き出していく。たとえ誰が相手であろうとも、ここで倒れる理由には行かないのだ。
(必ず勝つ。自ら強くなる為だけでなく、皆と共に歩んでみせる。そして……おとぎの世界を救う為にも!)
零夜が心の中で決意したと同時に、戦いの場から声援が聞こえ始める。この様子だと浦島太郎とアラジンの声掛けによって、多くの観客達が駆け付けてきたのだろう。
「観客達の声が聞こえる……行くとするか!」
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