追放パンダの成り上がり〜勇者パーティーを追放されてパンダにされた弱小戦士が最強パンダを目指します〜

蒼月丸

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第一章 パンダにされた弱小戦士

昇級クエストへの挑戦

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 ある日のギルドではファンク達がジェシーと話をしていた。
「昇級クエスト?」
 ジェシーからの話にファンク達は首を傾げていた。
「はい。貴方方は素晴らしい活躍をされているので、特別に昇級クエストを用意します!今、貴方方はEランクですが、昇級クエストでCランクに上がる事ができます!」
「つまり飛び級クエストね。そのクエストの内容は?」
「こちらになります!」
 ジェシーはクエストの書いてある紙をファンクに渡す。
「何々?バーサークベアを倒す事か。確か大型モンスターだったな」
「手強い相手で殆どの冒険者達がやられているみたい。確か闇属性だから光属性が弱いと聞いているわ」
「なるほど。となると、ここは光属性の魔術と剣術をどう扱うかね。魔術は私とエリン。攻撃はファンク達で行くわよ!」
「よし!出発だ!」
 ファンク達はそのままクエストを受理し、ギルドを飛び出してバーサークベアを倒しに向かう。
「行ってらっしゃいませ!」
 ジェシーが彼等に対して手を振りながら見送った。

     ※

 ファンク達は目的地であるフリキントン森林に辿り着き、バーサークベアを探していた。
 モンスター達は次々と出るが、コテンパンに返り討ちにしていた。
「ふう……バーサークベアは中々見つからないな……」
 ファンクはため息をつきながらも歩き、フローラ、アミ、椿、エリン、シェリア、マリス、アリアも同じ様に頷く。
 バーサークベアはなかなか見つからない獣の為、そう簡単に見つかる事は難しいとしか言えない。
「バーサークベアは黒い毛が特徴だけど、他は何かないの?」
 アミが問いかけると、他のメンバーも興味津々で頷く。
「そうだな、バーサークベアは非常に巨大で力強い姿をしているはずだ。もしかしたら、その大きな体格が目立つ要素かもしれないな」
「それに、バーサークベアは攻撃的で凶暴な性格を持っていると言われている。もし遭遇した場合は、注意が必要よ。油断しないでね」
 ファンクの説明とシェリアの説明にアミ達は頷き、そのまま森林の奥深くに進み始めた。

     ※

 ファンク達は身長に進みつつ、森林の奥深くに辿り着く。そこは不気味な声が響き渡り、遠くから低い唸り声も聞こえてくる。
「この声……」
「あれがバーサークベアの声だ!すぐに向かうぞ!」
 ファンクが声を上げ、一同は声の方向へ向かって駆け出す。
「本当にこの先にバーサークベアがいるのですか!?」
「ああ……油断ならないから気を付けろ」
 ファンクからの警告にアミ達が頷きながらしばらく進むと、バーサークベアの姿が見えてきた。
 黒い毛に覆われた巨大な体躯が威圧感を示していて、ファンク達は息を呑む。
「あれがバーサークベア……油断できないみたいね」
「用心あるのみですからね……あっ、見つかりました!」
 バーサークベアはファンク達を見つけた直後に凶暴な咆哮を上げ、襲いかかってきた。
「来るぞ!」
 ファンクの合図で彼等は必死に応戦し、光属性の魔術や剣術を駆使してバーサークベアにダメージを与える。
「シャインバレット!」
 アミのウルフガンから光の弾丸が放たれてバーサークベアに直撃。すかさず椿とフローラが攻撃を仕掛ける。
「光輪斬!」
「ブレイブソード!」
 椿とフローラの剣技による連携も冴え渡り、次々とダメージを与えていく。
「よし!ここで召喚!イフリートドラゴン!」
 エリンは赤いドラゴンを召喚し、イフリートドラゴンは強烈なタックルでバーサークベアを弾き飛ばした。
「今がチャンス!シャインマジカル!」
 すかさずシェリアの光魔法が放たれ、アリアが弓矢を空に向けて構える。
「レインアロー!」
 弓矢の雨が降り注ぎ、バーサークベアに直撃。するとファンクが止めを刺しに彼に襲い掛かる。
「ライジングブレイド!」
 ラストはファンクの斬撃でバーサークベアは倒れてしまい、見事任務を達成した。
「終わったか……」
 ファンクが手を叩いた直後、アミ達が喜びながら彼の元に駆け付けてきた。
「これで私達はCランクね!」
「うん!自信湧いてきたかも!」
「バーサークベアを倒した事が何よりの勲章ですからね」
「ええ。もしかすると私達ならどんな敵でも倒せると思います!」
「私ももっと頑張らないと!」
 アミ達が笑顔で話し合い、その様子にシェリアは微笑んでいた。
(取り敢えずは一歩前進みたいね。まだまだ鍛えておかないと!)
 シェリアが心の中で新たな決意を固めた直後、マリスが何かを見つける。
「ねえ、これ……」
「?」
 マリスが指差す方を見ると、倒れたバーサークベアの周りには、光り輝く宝石や貴重な素材が散りばめられていた。
「バーサークベア、こんなにも宝石を持っていたなんて!」
「これだけの宝物が手に入ったなんて、昇級クエストは本当にお得だったな!」
 マリスの笑顔にアミも頷き、宝石を次々と回収する。
「バーサークベアは体内で宝石を作れるから、このクエストを受けたのは正解でしたね」
「ええ。ですが、私達の物語はこれから!更なる冒険に向けて頑張りましょう!」
「椿の言う通りだ。よし!帰るとするか!」
「「「おう!」」」
 ファンク達はクエストを終えてそのままギルドに帰り始める。
 更に次の冒険に向けて、彼等の絆はさらに深まり、新たな挑戦への意欲が湧いていたのだった。

     ※

 その夜、とある火山の近くでは、一人の女性が火山の様子を真剣な表情で見ていた。
「何かが起ころうとしている……これはどうやら見過ごせないわね……」
 女性は不吉な予言を感じ取った後、くるりと後ろを振り向き、その場から移動したのだった。
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