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秘密の近道
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よく見ると、この部屋は思ったより小さく、寮の部屋くらいしかなかった。
私たちの学校は2人部屋で、ベッドと机が2個ずつ入る程度の大きさしかない。この部屋は、それくらいの部屋だった。
その中に、人一人が寝転がれるくらいの一つの大きなソファとテーブルしかない。そのソファに座る彼の後ろには天井まで伸びる大きな窓があり、
外には植物が風に吹かれて揺れている。そういえば、今日は天気が良かったな。と、そこから差し込む日差しが彼の黒髪を照らしているのを見て思った。
「で、どこなの。ここは。」
一息置いてからそう聞くと、彼はテーブルにあったティーカップを手に持って一口飲んだ。
その所作は流石と言わんばかりに美しい。
「さあ。俺にもよく分からない。一週間前に突然現れたんだ。」
読んでいた本をパタリと閉じた。
「図書室へ行きたくて。急いでいたら、前から来た人にぶつかりそうになって、壁にぶつかって。気づいたらここに居た。」
私と全く同じかい。
「それからは、同じ場所でここに来たいと願うと、ここに来れるようになった。今は自分の部屋としてここを使っている。」
「それで、そこに私がたまたま入れてしまったと言うことね。」
「そのようだな。」
私の運の悪さ凄すぎる。
「因みに、あちらの壁から図書室へ直通で行けるぞ。図書室の奥の鏡から出られるようになっている。」
「え!そうなの!」
それは最高じゃないの!じゃあ、さっさとここをお暇させて頂こうじゃない!面倒事はごめんよ!
私はそちらの壁にタタタッと駆け寄った。
「おい。」
振り返ると、コールドウェルはやはり少し顔が赤い。こちらとは目線を合わそうとはせずに、偉そうに言った。
「ここのこと、誰にも言うなよ。」
そりゃあ、誰も来れない自分だけの秘密の部屋って最高よね。少し羨ましい。寮から図書館への近道にもなるし。
私は少し考えて言った。
「良いわよ。だけど、一つ条件があるわ。」
「何だ。」
「この部屋を通って図書室へ行っても良い許可をくれること。」
「何だって?」
「そうしたら、誰にも言わないわ!絶対秘密にする!」
コールドウェルは腕を組んで、少し考えた。そんな顔も結構美しい。
「わかった。許可する。」
「やったー!じゃ、そゆことで!」
っていうか、別に本当にコールドウェルの部屋ってわけじゃないんだし、許可とかいらなかったのでは?
まあでも、彼が先に見つけたんだしね。仕方ない。
私は、するりと壁をすり抜けた。
その後、図書室なのに、鼻歌を歌ってしまうくらいには気分が良かった。
図書室の大きな窓から揺れる木々を見て、彼を思い出していた。
私たちの学校は2人部屋で、ベッドと机が2個ずつ入る程度の大きさしかない。この部屋は、それくらいの部屋だった。
その中に、人一人が寝転がれるくらいの一つの大きなソファとテーブルしかない。そのソファに座る彼の後ろには天井まで伸びる大きな窓があり、
外には植物が風に吹かれて揺れている。そういえば、今日は天気が良かったな。と、そこから差し込む日差しが彼の黒髪を照らしているのを見て思った。
「で、どこなの。ここは。」
一息置いてからそう聞くと、彼はテーブルにあったティーカップを手に持って一口飲んだ。
その所作は流石と言わんばかりに美しい。
「さあ。俺にもよく分からない。一週間前に突然現れたんだ。」
読んでいた本をパタリと閉じた。
「図書室へ行きたくて。急いでいたら、前から来た人にぶつかりそうになって、壁にぶつかって。気づいたらここに居た。」
私と全く同じかい。
「それからは、同じ場所でここに来たいと願うと、ここに来れるようになった。今は自分の部屋としてここを使っている。」
「それで、そこに私がたまたま入れてしまったと言うことね。」
「そのようだな。」
私の運の悪さ凄すぎる。
「因みに、あちらの壁から図書室へ直通で行けるぞ。図書室の奥の鏡から出られるようになっている。」
「え!そうなの!」
それは最高じゃないの!じゃあ、さっさとここをお暇させて頂こうじゃない!面倒事はごめんよ!
私はそちらの壁にタタタッと駆け寄った。
「おい。」
振り返ると、コールドウェルはやはり少し顔が赤い。こちらとは目線を合わそうとはせずに、偉そうに言った。
「ここのこと、誰にも言うなよ。」
そりゃあ、誰も来れない自分だけの秘密の部屋って最高よね。少し羨ましい。寮から図書館への近道にもなるし。
私は少し考えて言った。
「良いわよ。だけど、一つ条件があるわ。」
「何だ。」
「この部屋を通って図書室へ行っても良い許可をくれること。」
「何だって?」
「そうしたら、誰にも言わないわ!絶対秘密にする!」
コールドウェルは腕を組んで、少し考えた。そんな顔も結構美しい。
「わかった。許可する。」
「やったー!じゃ、そゆことで!」
っていうか、別に本当にコールドウェルの部屋ってわけじゃないんだし、許可とかいらなかったのでは?
まあでも、彼が先に見つけたんだしね。仕方ない。
私は、するりと壁をすり抜けた。
その後、図書室なのに、鼻歌を歌ってしまうくらいには気分が良かった。
図書室の大きな窓から揺れる木々を見て、彼を思い出していた。
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