歪められた日本の歴史改竄を正す為に大東亜戦争時にタイムスリップした戦闘艦の物語

蒼焔の提督

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第22話:

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 駆逐艦”雪風”艦長の『寺内正道』中佐は艦橋で豪快な指揮をとっていた。
「ようし、お前ら! 敵駆逐艦のお出ましだ、盛大に歓迎してやるぞ。酸素魚雷はいけるか?」
 魚雷発射室からいつでもいけますと報告がくる。
「よっしゃ!! 撃て!」
 お互いの戦艦から放たれた巨弾が頭上を飛び交う中で幸運の駆逐艦”雪風”から二万メートルの距離で必殺兵器である九三式酸素魚雷が放たれる。
 ちなみにアメリカの魚雷の射程距離は三二ノットで八千メートル。
 これに対して九三式酸素魚雷は射程が四万メートルで二万メートルの射程ならば五十ノットの高速で走るのである。
 この酸素魚雷が”雪風”、”浦風”、”谷風”から合計二十四発が放たれたのである。
 数十分後、アメリカ水雷艦隊に何本もの水柱が立ち上がる。
 駆逐艦二隻が瞬時に轟沈して重巡”ポートランド”が大破状態である。
 更に続けて放たれた九三式酸素魚雷が駆逐艦三隻を撃沈して数本が戦艦”カリフォルニア”に命中する。

 この時、オルデンドルフ艦隊は壊滅状態になっていた。
 戦艦”メリーランド”と”テネシー”と”カリフォルニア”が撃沈されて駆逐艦も全滅して残るは戦艦三隻と旗艦”ルイビル”と”ミネア”であった。
 ”ポートランド”は航行不能の事で自沈する。
 残りの戦艦も大破状態であったが幸いに機関は無事であった為に全速力で逃走を図る。
 その前に戦艦”ウエストバージニア”の主砲が停止状態にあった”羽黒”を撃沈すると同時に”秋月”をも撃沈することに成功する。
 それが唯一の意地で見せたオルデンドルフ艦隊であったがその見返りに駆逐艦”雪風”が放った九三式酸素魚雷でトドメをさされて最後は赤い腹を見せて転覆すると同時に火薬庫が爆発して真っ二つに折れて海の底に沈んでいった。
 オルデンドルフは大敗北で逃走していく。

 その様子を見ていた富嶽は感嘆の声を上げる。
「さすがは酸素魚雷だな、改めて日本の素晴らしさを実感するよ」
 横にいる東郷も映像を見ながら頷く。
 叛乱騒ぎの翌日、小沢中将からサイパン島の戦いが終了すれば横須賀まで来られたしと通信が入ったので
富嶽はサイパンの戦いの帰趨を待つことにするが何かすることがないか思案していた。
 その時に、羽柴が入室してきて富嶽も失念していた事を気づかしてくれる。
 それは”雪風”に搭載されている唯一の有人戦闘ヘリ”HGJ桜”であった。


 羽柴が富嶽に”HGJ桜”の出撃許可を具申してくる。
 ”HGJ桜”は令和に入って日本初の純日本製の多目的攻撃ヘリで対艦・対潜・対空ミサイルを装備できる優秀なヘリである。

 主回転翼直径:13.41メートル
 胴体幅   :3.28 メートル
 全長    :17.7メートル(回転翼含む)
 全高    :4.9メートル
 最高速度  :320キロメートル
 実用上昇高度:5500メートル
 航続距離  :ほぼ無限(エネルギー尽きるまで)
 武装    :30ミリ砲レールガン×1(固定武装)

 外見は”アパッチヘリ”に似ているが勿論、これにもステルス迷彩塗装及び光学シールド塗装がほどかされていて超小型熱核融合炉が取り付けられている。
 富嶽はこれを許可すると羽柴は敬礼をして出ていく。
 ちなみに羽柴はヘリ免許を持っていて実家が兵器産業のボス的存在であった為に父親の権威で数沢山の各国のヘリを操縦させてもらっていた。
 このヘリの出撃がいよいよ間近に迫ってきていたので羽柴は興奮する。
 富嶽の命令をいつでも聞けるようにマイク音声を大にする。
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