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3話 悪役令嬢は弟系攻略対象を抱きしめる
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衣服も含めてしっかりと身だしなみを整えさせられてから、私は待ち合わせ場所へと連れて行かれた。
しかし……
「……さっき来たなぁ、ここ」
どうやら、寮の敷地内に目立たないところというのはそうないらしい。さっきメイと話していた建物の陰がまさにその待ち合わせ場所だった。
「何か言いましたか?」
「イエ、ナニモ」
一人でこそこそ密会してたとかバレたら怒られる……でも徒労感はしかたなかった。
「まだ来てないみたいだけど……」
「それはおかしいですね。たしかにこの時間と伝えたはずなのですが」
とか言いながら指をポキポキと鳴らしている。怖い。
まぁ私といえば、「遅れるなんておかしい」、と自然に思っているあたり信頼してるのがうかがえて心の中で限界になってしまっているのだが!
ライラも若くて見た目もいいし、私の侍女をしているくらいだ。かなり有力な貴族の子である……師弟関係の信頼関係! 貴族と平民! 国境と立場を超える愛!
萌えるシチュエーションのおぜん立てが過ぎてつらい……
そういえば前世のギャルゲーでもほとんど対面なかったのにCP厨湧いてたな。ライラが腹黒の攻めキャラでエドが弟系の受けキャラだからだった気がするが、今ならわかる。彼、彼女らの気持ちが! この光景を見せてあげられないことが悔やまれる……
「お嬢様の眼は時々あやしくなられますけれど、何を考えているのですか?」
「イエ、ナニモ」
まさか自分が妄想の対象になっているとは知らないライラはきょとんとしている。
いけないいけない、つい時々前世のオタクが出てしまうことがある。自重しなければ。
でもみんな本当に見た目がよくて天国かここは?って感じなんだよね……
そう、仕方ないのだ……
「す、すみません。遅れまして……お嬢様!」
なので、私が息を切らせて走ってきたエドを見た瞬間、思わず飛びついて抱き着いてしまったことも仕方ないといえる。
そう、仕方ないのだ。
「お、お嬢様!?」
慌てるエドに、私は抱きしめる力を弱めずにぎゅーっと抱き着く。
「あ、あの……! うぅ……」
エドが腕の中でもがこうとするも、無理に体を動かして私の体に触れたり、倒れこんだりするかもしれないと気付いたのか子犬のようにおとなしくなった。
「ふぅ……久しぶり、エド」
「ふぅ……じゃ、ないですよ! どうしていきなり抱きつくんですか!」
「久しぶりに会ったんだからいいでしょうそれくらい。それとも嫌?」
「嫌……では、ないですけど。僕もお嬢様も子供ではないというかなんというか……わかっててからかってますよね!?」
「バレた? あはは、流石にエド以外にこんなことしないけどね」
久しぶりに会ったエドは、相変わらず小動物のような愛らしさを持った可愛い感じの男の子だった。
子供っぽさも抜けきっていない童顔はファンの人気も高かった。同い年なのに年下みたいだ。
髪の毛は短め。色は黒色で癖っ毛。
目は緑色が混じっていて綺麗だし、顔面偏差値高めのこの世界でも指折りのイケメンだ。
素材がいいのもあるけど、手入れもちゃんとされている。
昔、こっちの国に来ていた私の付き人をしてくれていた頃は頑張って手入れさせていたけど、環境が変わっても妥協とかを覚えないでいてくれたらしい。
性格的には優しさ先行の幼馴染タイプ。可愛い系の攻略対象だ。性格的には主人公と結構似ていて、私は一番波長が合っていると思ってた。夢人気では他のキャラに遅れをとっていたけど、エドメイのカプはかなり人気だったし、私も結構読んでた。
「んんっ。ま、まぁ……お嬢様の距離感が近いのは昔からなので、今更ですけど……」
咳払いをするエド。
たしかに、私はあまり人と親しくなることがない。それで人恋しかったのもあり、久々の知り合いということでちょっと距離感がバグっていたかもしれない。
あとは、精神年齢かな。前世の記憶がある分、あんまり男女間って感じじゃない。どちらかと言えば姉弟って感じだ。
まぁエドは女の子に弱いから反応が可愛くて、ついつい以上に狙ってからかいたくなっちゃうのだけど。
「でも悲しいなぁ……やっとエドと会える日だなって楽しみにしてたのに、女の子に囲まれて鼻の下を伸ばしてたって聞いちゃったし」
「えっ、なっ、なっ! 伸ばしてませんよ!?」
「ライラ、どうなの?」
「伸ばしておいででした」
「先生!」
顔を赤くするエドに、私とライラがくすくすと笑う。
「冗談です。あと、先生はおやめください」
「あ、すみません。ライラ……さん」
「はい。改めまして、姫様のことをよろしくお願いします、エド様」
丁寧にお辞儀をするライラに、エドはどこか慣れない様子だ。
私は9歳のときに一度、政治的な事情でクリスナーに来ていた。
記憶を取り戻した私は、その時期自暴自棄になっていた。
昨日まで普通に生きていた子供が突然、不可避の死の運命を認識すれば無理もないことだと、今でも思う。
何もかもを業務的にこなしながら、絶望の中で死にゆく人生を後追いする日々に自殺すら考えていた。
そんなときに、何の偶然か因果か──名目上は私の世話役として、連れてこられたのがエドだった。
後から聞いてみると、ライラが連れてきたのだという。原作のゲームではなかったシアンとエドの接点に驚いたのを覚えている。
私の行動が何かに影響を与えたのだろう。どんな行動が誰にどんな影響を与えた結果そうなったのかまでは、今に至ってもわからないが。
その時エドとどんな話をしたのか、正直覚えていない。子供のころの話だ。
でも確かに価値観が変わったのを覚えている。
今私が曲がりなりにも、歪だとしても、前向きに生きていられるのはエドのおかげだ。
どうせ死ぬなら華々しい死にざまを、という考え方の原点なのだ。
「懐かしいなぁ……顔を見たら、すごく感慨深くなっちゃった」
「僕もです。その……」
「ん?」
「あの、お綺麗です。とても」
「えっ……あ、ありがとう。エドもとっても格好いいわ。まだ可愛いが勝つけどね」
慌てて取り繕う。
危ない……顔のいいイケメンの褒め言葉は凶器だ。こんな直球ど真ん中の褒め言葉を言える性格じゃなかったのに。
……顔が赤くなってないか、心配だ。
「いつか、可愛いよりかっこいいが勝つような男になってみせます。でも……」
エドが私の手を、ギュッと握る。
「今はとにかく、会えて嬉しい。甘えても……いいですか?」
……ここで質問なのだけど、とても可愛い小動物男子に上目遣いでこんなことを言われて心に来ない女の子はいるのでしょうか?
私はエドをもう一度、ギュッと抱きしめた。
──もう、6年も経ったんだよね……
私が自分の為に彼の人生を、決まっていたそれと変えたせいで、彼はきっと6年も頑張ってきたのだと思う。
私に会う為に。
本来なら彼は……入学の1年前にメイと出会い、彼女を追ってこの学校に入学するはずだった。
彼は生まれついて頭が良く、入学するのにスポンサーをつける程度なら1年で済ませられる。
だけど、私が先に会ってしまった。
頑張るきっかけを見つけてしまえば、妥協なんてしないだろう。ずっと努力の日々だったはずだ。
私が彼を、余計に5年間も頑張らせたのだ。
私が、私のために。
「ごめんね……」
ぽつりと呟いたそれが、エドに届いたかわからない。
でも、贖罪のように彼を抱きしめた。
強く、強く。
しかし……
「……さっき来たなぁ、ここ」
どうやら、寮の敷地内に目立たないところというのはそうないらしい。さっきメイと話していた建物の陰がまさにその待ち合わせ場所だった。
「何か言いましたか?」
「イエ、ナニモ」
一人でこそこそ密会してたとかバレたら怒られる……でも徒労感はしかたなかった。
「まだ来てないみたいだけど……」
「それはおかしいですね。たしかにこの時間と伝えたはずなのですが」
とか言いながら指をポキポキと鳴らしている。怖い。
まぁ私といえば、「遅れるなんておかしい」、と自然に思っているあたり信頼してるのがうかがえて心の中で限界になってしまっているのだが!
ライラも若くて見た目もいいし、私の侍女をしているくらいだ。かなり有力な貴族の子である……師弟関係の信頼関係! 貴族と平民! 国境と立場を超える愛!
萌えるシチュエーションのおぜん立てが過ぎてつらい……
そういえば前世のギャルゲーでもほとんど対面なかったのにCP厨湧いてたな。ライラが腹黒の攻めキャラでエドが弟系の受けキャラだからだった気がするが、今ならわかる。彼、彼女らの気持ちが! この光景を見せてあげられないことが悔やまれる……
「お嬢様の眼は時々あやしくなられますけれど、何を考えているのですか?」
「イエ、ナニモ」
まさか自分が妄想の対象になっているとは知らないライラはきょとんとしている。
いけないいけない、つい時々前世のオタクが出てしまうことがある。自重しなければ。
でもみんな本当に見た目がよくて天国かここは?って感じなんだよね……
そう、仕方ないのだ……
「す、すみません。遅れまして……お嬢様!」
なので、私が息を切らせて走ってきたエドを見た瞬間、思わず飛びついて抱き着いてしまったことも仕方ないといえる。
そう、仕方ないのだ。
「お、お嬢様!?」
慌てるエドに、私は抱きしめる力を弱めずにぎゅーっと抱き着く。
「あ、あの……! うぅ……」
エドが腕の中でもがこうとするも、無理に体を動かして私の体に触れたり、倒れこんだりするかもしれないと気付いたのか子犬のようにおとなしくなった。
「ふぅ……久しぶり、エド」
「ふぅ……じゃ、ないですよ! どうしていきなり抱きつくんですか!」
「久しぶりに会ったんだからいいでしょうそれくらい。それとも嫌?」
「嫌……では、ないですけど。僕もお嬢様も子供ではないというかなんというか……わかっててからかってますよね!?」
「バレた? あはは、流石にエド以外にこんなことしないけどね」
久しぶりに会ったエドは、相変わらず小動物のような愛らしさを持った可愛い感じの男の子だった。
子供っぽさも抜けきっていない童顔はファンの人気も高かった。同い年なのに年下みたいだ。
髪の毛は短め。色は黒色で癖っ毛。
目は緑色が混じっていて綺麗だし、顔面偏差値高めのこの世界でも指折りのイケメンだ。
素材がいいのもあるけど、手入れもちゃんとされている。
昔、こっちの国に来ていた私の付き人をしてくれていた頃は頑張って手入れさせていたけど、環境が変わっても妥協とかを覚えないでいてくれたらしい。
性格的には優しさ先行の幼馴染タイプ。可愛い系の攻略対象だ。性格的には主人公と結構似ていて、私は一番波長が合っていると思ってた。夢人気では他のキャラに遅れをとっていたけど、エドメイのカプはかなり人気だったし、私も結構読んでた。
「んんっ。ま、まぁ……お嬢様の距離感が近いのは昔からなので、今更ですけど……」
咳払いをするエド。
たしかに、私はあまり人と親しくなることがない。それで人恋しかったのもあり、久々の知り合いということでちょっと距離感がバグっていたかもしれない。
あとは、精神年齢かな。前世の記憶がある分、あんまり男女間って感じじゃない。どちらかと言えば姉弟って感じだ。
まぁエドは女の子に弱いから反応が可愛くて、ついつい以上に狙ってからかいたくなっちゃうのだけど。
「でも悲しいなぁ……やっとエドと会える日だなって楽しみにしてたのに、女の子に囲まれて鼻の下を伸ばしてたって聞いちゃったし」
「えっ、なっ、なっ! 伸ばしてませんよ!?」
「ライラ、どうなの?」
「伸ばしておいででした」
「先生!」
顔を赤くするエドに、私とライラがくすくすと笑う。
「冗談です。あと、先生はおやめください」
「あ、すみません。ライラ……さん」
「はい。改めまして、姫様のことをよろしくお願いします、エド様」
丁寧にお辞儀をするライラに、エドはどこか慣れない様子だ。
私は9歳のときに一度、政治的な事情でクリスナーに来ていた。
記憶を取り戻した私は、その時期自暴自棄になっていた。
昨日まで普通に生きていた子供が突然、不可避の死の運命を認識すれば無理もないことだと、今でも思う。
何もかもを業務的にこなしながら、絶望の中で死にゆく人生を後追いする日々に自殺すら考えていた。
そんなときに、何の偶然か因果か──名目上は私の世話役として、連れてこられたのがエドだった。
後から聞いてみると、ライラが連れてきたのだという。原作のゲームではなかったシアンとエドの接点に驚いたのを覚えている。
私の行動が何かに影響を与えたのだろう。どんな行動が誰にどんな影響を与えた結果そうなったのかまでは、今に至ってもわからないが。
その時エドとどんな話をしたのか、正直覚えていない。子供のころの話だ。
でも確かに価値観が変わったのを覚えている。
今私が曲がりなりにも、歪だとしても、前向きに生きていられるのはエドのおかげだ。
どうせ死ぬなら華々しい死にざまを、という考え方の原点なのだ。
「懐かしいなぁ……顔を見たら、すごく感慨深くなっちゃった」
「僕もです。その……」
「ん?」
「あの、お綺麗です。とても」
「えっ……あ、ありがとう。エドもとっても格好いいわ。まだ可愛いが勝つけどね」
慌てて取り繕う。
危ない……顔のいいイケメンの褒め言葉は凶器だ。こんな直球ど真ん中の褒め言葉を言える性格じゃなかったのに。
……顔が赤くなってないか、心配だ。
「いつか、可愛いよりかっこいいが勝つような男になってみせます。でも……」
エドが私の手を、ギュッと握る。
「今はとにかく、会えて嬉しい。甘えても……いいですか?」
……ここで質問なのだけど、とても可愛い小動物男子に上目遣いでこんなことを言われて心に来ない女の子はいるのでしょうか?
私はエドをもう一度、ギュッと抱きしめた。
──もう、6年も経ったんだよね……
私が自分の為に彼の人生を、決まっていたそれと変えたせいで、彼はきっと6年も頑張ってきたのだと思う。
私に会う為に。
本来なら彼は……入学の1年前にメイと出会い、彼女を追ってこの学校に入学するはずだった。
彼は生まれついて頭が良く、入学するのにスポンサーをつける程度なら1年で済ませられる。
だけど、私が先に会ってしまった。
頑張るきっかけを見つけてしまえば、妥協なんてしないだろう。ずっと努力の日々だったはずだ。
私が彼を、余計に5年間も頑張らせたのだ。
私が、私のために。
「ごめんね……」
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でも、贖罪のように彼を抱きしめた。
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