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天岩戸
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やはり、予想通りだ。不知火亜美から目新しい情報は出てこない。
しかし奔放な彼女らしい現在進行形の男遍歴が調べあげられた。ホストにモデル、アイドルと表面的には華やかな世界に身を置く男を好むのだろう。
常にそう言った類いの男を何人か侍らせている。
調査中、ホテルに複数人の男と入って行ったことも1度や2度ではない。
中で何をしているのかまでは調査せずにおいたが、いずれにしても、誉められるようなことをしているわけではないだろう。
健全な異性観を持っているとは考え難い。
ここまで調べて朔也も吾妻も、不知火議員の狡猾さを改めて思い知らされる。
要はいいとこ取りした挙げ句に荷物を押し付けようとしているのだ。
身内が絞れない手綱を他人に絞らせようとしているのだろうが、亜美はじゃじゃ馬なわけではない。
ただの淫乱だ。わかってはいたが
『どうやって断るか』
吾妻と2人知恵を絞ってはみるが、相手が悪い。不知火議員を敵に回さずに、亜美の話を断ろうなど、不知火議員と同様、己らも都合かいいことを考えている。
知性も理性も欠片ほども持ち合わせていない女だ。亜美を取り巻いている輩も、そんなことは解りきっていて金が目当てなのだろう。
そこまで割りきって付き合っていれば、お互い清々しささえ感じるが、そこに己が混ざろうとは思わない。
亜美の力を借りるまでもなく、金も地位も、それなりに手に入れているのだから。
『ベタな感じだが』
亜美から嫌われるように振る舞うしかない。海千山千の吾妻がそんなことを言う。
呆れているようにも、面白がっているようにも聞こえなくもないが、確かに八神も不知火も敵に回さずにことを収めるには一度は会って、悪感反感を得ることが得策だろう。
『面倒だが』
段取りを吾妻に任せ、少し言いにくそうに
『それと、維新』
朔也が吾妻を下の名前で呼ぶ時。即ちプライベートなことで吾妻を呼んでいる。
『あぁ 解ってるよ』
陽くんのことだろ?
と。後ろめたさも、後ろ暗さもないが、見合い話など陽には聞かせたくない。
どんな仕事内容であれ、陽に聞かせるつもりはないが、今回のことも朔也にとっては、ただの仕事だ。
あまり気分のいい仕事ではないから、これが終わったら陽をどこかに連れていってやろう。
外に出る恐怖がまだまだあるのだろう。陽はあまり外に出たがらない。
しかし、陽が知らない外の世界をこれから、たくさん見せてやりたいとも思う。
『デートだな』
柔らかな表情でデートなどと言う甘い言葉を口にする朔也に、甘いデートをさせてやりたいと思う。
そのためには、仕事とも言えない面倒な仕事をさっさと片付けようと思う吾妻だった。
しかし奔放な彼女らしい現在進行形の男遍歴が調べあげられた。ホストにモデル、アイドルと表面的には華やかな世界に身を置く男を好むのだろう。
常にそう言った類いの男を何人か侍らせている。
調査中、ホテルに複数人の男と入って行ったことも1度や2度ではない。
中で何をしているのかまでは調査せずにおいたが、いずれにしても、誉められるようなことをしているわけではないだろう。
健全な異性観を持っているとは考え難い。
ここまで調べて朔也も吾妻も、不知火議員の狡猾さを改めて思い知らされる。
要はいいとこ取りした挙げ句に荷物を押し付けようとしているのだ。
身内が絞れない手綱を他人に絞らせようとしているのだろうが、亜美はじゃじゃ馬なわけではない。
ただの淫乱だ。わかってはいたが
『どうやって断るか』
吾妻と2人知恵を絞ってはみるが、相手が悪い。不知火議員を敵に回さずに、亜美の話を断ろうなど、不知火議員と同様、己らも都合かいいことを考えている。
知性も理性も欠片ほども持ち合わせていない女だ。亜美を取り巻いている輩も、そんなことは解りきっていて金が目当てなのだろう。
そこまで割りきって付き合っていれば、お互い清々しささえ感じるが、そこに己が混ざろうとは思わない。
亜美の力を借りるまでもなく、金も地位も、それなりに手に入れているのだから。
『ベタな感じだが』
亜美から嫌われるように振る舞うしかない。海千山千の吾妻がそんなことを言う。
呆れているようにも、面白がっているようにも聞こえなくもないが、確かに八神も不知火も敵に回さずにことを収めるには一度は会って、悪感反感を得ることが得策だろう。
『面倒だが』
段取りを吾妻に任せ、少し言いにくそうに
『それと、維新』
朔也が吾妻を下の名前で呼ぶ時。即ちプライベートなことで吾妻を呼んでいる。
『あぁ 解ってるよ』
陽くんのことだろ?
と。後ろめたさも、後ろ暗さもないが、見合い話など陽には聞かせたくない。
どんな仕事内容であれ、陽に聞かせるつもりはないが、今回のことも朔也にとっては、ただの仕事だ。
あまり気分のいい仕事ではないから、これが終わったら陽をどこかに連れていってやろう。
外に出る恐怖がまだまだあるのだろう。陽はあまり外に出たがらない。
しかし、陽が知らない外の世界をこれから、たくさん見せてやりたいとも思う。
『デートだな』
柔らかな表情でデートなどと言う甘い言葉を口にする朔也に、甘いデートをさせてやりたいと思う。
そのためには、仕事とも言えない面倒な仕事をさっさと片付けようと思う吾妻だった。
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