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滞在許可
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リョウヤ達は村のなかで最も大きな武家屋敷に通された
途中和服姿の小さな子供達が手を振って来た。
まだ5歳くらいかな?
中には動物の耳と尻尾が生えている子もいる
聖教国では奴隷扱いの亜人ってやつか
なんか昔の日本はきっとこんな感じだったのかなぁと思わせられる。建物もそうなんだけど村人たちも
縁側でゆっくりお茶でも飲みたくなるそんな
リラックス出来る空間だなぁと思った。
武家屋敷の入口で靴を脱いで
広い部屋に通された
「どうぞこちらへ」
女中さん??
図書館にでもいそうな黒髪おかっぱ眼鏡でなかなかの
美人だけど耳と尻尾があったぞ?
通された先でジギーさんがキセルを吸って待っていた
「よぉっ!どうだこの村はまるで日本みたいだろ」
「なんや昔よう行った京都を思い出したわ」
おかっぱ眼鏡の女中さんはお辞儀をして一歩引いて
襖をしめた。
俺は座布団の上にちょこんと座り
「そーですよね。驚きましたよ一体どうやって建てたんですか」
「ガイコツ供を召喚して作らせた」
「えっ??」
「アタシさぁ! 魔導師のクラスなんだけど屍術もちょっと学んだ事があってな」
「でも私が聞いた話では忍術もやってるとか伺っているのですが?」
「おーっ、実はうちは武道場も兼ねててな、アタシも含めて老若男女ここでは皆忍術修行をさせているんだよ」
「何で???」
「この子達は奴隷や戦争孤児だったんだ
親が殺され行き場もなく、酷い子は虐待まで受けてたんだよ。誰かに助けを求めても
誰も手を差し伸べやしなかった
だから今度は自分達で身を守れるようにと
稽古をさせているんだ」
「実はオレ達もこの世界に転移してすぐ兵士供に馬車に乗せられて奴隷商人に売り飛ばされそうになったんです。
いい稼ぎになるとか言ってやがった
ヤツら人の人生をなんだと思ってやがる」
「確かに奴隷ビジネスは儲かると思うよ
だってその辺の村からさらってくれば元金ゼロで利益が出るんだよ
でもさ人が悲しむような事して子供を泣かせて儲けるよりも子供を喜ばせて儲かる方が良く無いか? 里の外の棚田や畑は見たか??」
外を見ると小さい子供達とニーヤがボールのような物で遊んでいる。子供好きなのかな?
「そういえば水車や小屋、畑があったな」
「アレはこの里の者みんなで作った物なんだよ。まあ骸骨にも頑張ってもらったけどな」
「へースゴいやんか」
「正直この世界の貧しい子供達はろくな教育を受けていない。だからあたしがここに寺子屋のような物を作りたいと思うんだ。子供達はここで学び自分で考え、何かみんなの暮らしに役立つモノを想像し、いつかそれを生み出せるようになって欲しい」
寺子屋って?………
「そらえぇ話やろうけどもそんなん一体誰が教えんねや?」
「おかっぱ眼鏡女中がさっきいたろ
アレが勉強を教えてるんだよ。彼女は子供達からの評判も良いし、小さい子の扱いも上手だしねーっ」
リョウヤは覚悟を決めた表情でジギーを見て
「ジギーさん!オレも忍術を学びたいんですがどうかオレも・・」
「まず、ここで君達を匿う事は出来ないんだよ」
オレ達は驚いてお互いに顔を見合わせた。
「そもそも君達は今不法滞在中なのは分かっているかい?強制送還される立場だよな?」
「なっ何でや!アンタここまで来るのにどんだけ大変やったと思っとんねん」
「ジギー殿、私は兵士長の命令に背き、奴隷として売られる前に彼らをここまで連れて来たのです。聖教国に戻されたら私は処刑、彼等は奴隷にされることでしょう。
どうか御慈悲を」
「オイオイ話を聞きたまえ
まず今の君達はここに滞在は出来ないよな
滞在許可は? いいかい君達がここユーゲンティアラに不法滞在している事を聖教国が知ったらどうなるよ? 君達を捕縛しようと兵士達が派遣され、ユーゲンティアラとしても協力せざるを得ない………
じゃそうならないためにはどうしたらいいと
思う? 簡単だ。君達はすぐにでも領主に事情を説明し、滞在許可を得れば聖教国も手は出せないよなぁ」
3人は顔を見合わせて
「とは言ってもこの国の領主がはたして会ってもらえるだろうか?」
ジギーは3人を見て笑った
「なんだよラキから聞いてないのかい?」
「一体何を???」
「アタシがこの領地を統括管理している領主のジョージア・ギルバート子爵だ」
「ホンマか?」
「えっ?ジギー殿は貴族であらせられたのか」
「マジかよ」
「これはとんだ御無礼をギルバート卿」
クリフは跪き、西洋式のお辞儀をしたのでオレ達もそれを真似すると、
「オイオイ別にそんな丁寧な言葉遣いとかはいらねぇよ。フレンドリーにいこうぜ~っ!
あと許可に関してはアタシが王様とかに掛け合ってやるから
あとクリフだっけアンタ家族はどうするつもりなんだい多分投獄されてるか、何らかの罰則を受けてると思うけど」
「私は出来れば家族を助け出したい!そんな力があれば」
「だったらお前ら3人で忍の修行しろ!
そして少しでも強くなってクリフの家族を助け出してみろよ」
ユーゲンティアラの仮国民になるという事で住み込みの修行をさせてもらえるという許可を得たぞ。
これでとりあえずは自由の身だ!
途中和服姿の小さな子供達が手を振って来た。
まだ5歳くらいかな?
中には動物の耳と尻尾が生えている子もいる
聖教国では奴隷扱いの亜人ってやつか
なんか昔の日本はきっとこんな感じだったのかなぁと思わせられる。建物もそうなんだけど村人たちも
縁側でゆっくりお茶でも飲みたくなるそんな
リラックス出来る空間だなぁと思った。
武家屋敷の入口で靴を脱いで
広い部屋に通された
「どうぞこちらへ」
女中さん??
図書館にでもいそうな黒髪おかっぱ眼鏡でなかなかの
美人だけど耳と尻尾があったぞ?
通された先でジギーさんがキセルを吸って待っていた
「よぉっ!どうだこの村はまるで日本みたいだろ」
「なんや昔よう行った京都を思い出したわ」
おかっぱ眼鏡の女中さんはお辞儀をして一歩引いて
襖をしめた。
俺は座布団の上にちょこんと座り
「そーですよね。驚きましたよ一体どうやって建てたんですか」
「ガイコツ供を召喚して作らせた」
「えっ??」
「アタシさぁ! 魔導師のクラスなんだけど屍術もちょっと学んだ事があってな」
「でも私が聞いた話では忍術もやってるとか伺っているのですが?」
「おーっ、実はうちは武道場も兼ねててな、アタシも含めて老若男女ここでは皆忍術修行をさせているんだよ」
「何で???」
「この子達は奴隷や戦争孤児だったんだ
親が殺され行き場もなく、酷い子は虐待まで受けてたんだよ。誰かに助けを求めても
誰も手を差し伸べやしなかった
だから今度は自分達で身を守れるようにと
稽古をさせているんだ」
「実はオレ達もこの世界に転移してすぐ兵士供に馬車に乗せられて奴隷商人に売り飛ばされそうになったんです。
いい稼ぎになるとか言ってやがった
ヤツら人の人生をなんだと思ってやがる」
「確かに奴隷ビジネスは儲かると思うよ
だってその辺の村からさらってくれば元金ゼロで利益が出るんだよ
でもさ人が悲しむような事して子供を泣かせて儲けるよりも子供を喜ばせて儲かる方が良く無いか? 里の外の棚田や畑は見たか??」
外を見ると小さい子供達とニーヤがボールのような物で遊んでいる。子供好きなのかな?
「そういえば水車や小屋、畑があったな」
「アレはこの里の者みんなで作った物なんだよ。まあ骸骨にも頑張ってもらったけどな」
「へースゴいやんか」
「正直この世界の貧しい子供達はろくな教育を受けていない。だからあたしがここに寺子屋のような物を作りたいと思うんだ。子供達はここで学び自分で考え、何かみんなの暮らしに役立つモノを想像し、いつかそれを生み出せるようになって欲しい」
寺子屋って?………
「そらえぇ話やろうけどもそんなん一体誰が教えんねや?」
「おかっぱ眼鏡女中がさっきいたろ
アレが勉強を教えてるんだよ。彼女は子供達からの評判も良いし、小さい子の扱いも上手だしねーっ」
リョウヤは覚悟を決めた表情でジギーを見て
「ジギーさん!オレも忍術を学びたいんですがどうかオレも・・」
「まず、ここで君達を匿う事は出来ないんだよ」
オレ達は驚いてお互いに顔を見合わせた。
「そもそも君達は今不法滞在中なのは分かっているかい?強制送還される立場だよな?」
「なっ何でや!アンタここまで来るのにどんだけ大変やったと思っとんねん」
「ジギー殿、私は兵士長の命令に背き、奴隷として売られる前に彼らをここまで連れて来たのです。聖教国に戻されたら私は処刑、彼等は奴隷にされることでしょう。
どうか御慈悲を」
「オイオイ話を聞きたまえ
まず今の君達はここに滞在は出来ないよな
滞在許可は? いいかい君達がここユーゲンティアラに不法滞在している事を聖教国が知ったらどうなるよ? 君達を捕縛しようと兵士達が派遣され、ユーゲンティアラとしても協力せざるを得ない………
じゃそうならないためにはどうしたらいいと
思う? 簡単だ。君達はすぐにでも領主に事情を説明し、滞在許可を得れば聖教国も手は出せないよなぁ」
3人は顔を見合わせて
「とは言ってもこの国の領主がはたして会ってもらえるだろうか?」
ジギーは3人を見て笑った
「なんだよラキから聞いてないのかい?」
「一体何を???」
「アタシがこの領地を統括管理している領主のジョージア・ギルバート子爵だ」
「ホンマか?」
「えっ?ジギー殿は貴族であらせられたのか」
「マジかよ」
「これはとんだ御無礼をギルバート卿」
クリフは跪き、西洋式のお辞儀をしたのでオレ達もそれを真似すると、
「オイオイ別にそんな丁寧な言葉遣いとかはいらねぇよ。フレンドリーにいこうぜ~っ!
あと許可に関してはアタシが王様とかに掛け合ってやるから
あとクリフだっけアンタ家族はどうするつもりなんだい多分投獄されてるか、何らかの罰則を受けてると思うけど」
「私は出来れば家族を助け出したい!そんな力があれば」
「だったらお前ら3人で忍の修行しろ!
そして少しでも強くなってクリフの家族を助け出してみろよ」
ユーゲンティアラの仮国民になるという事で住み込みの修行をさせてもらえるという許可を得たぞ。
これでとりあえずは自由の身だ!
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