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枢機卿暗殺
しおりを挟む先程、聖教国の聖戦士と戦っていた場所にようやく
ユーゲンティアラの騎士団が到着した頃、
アモンと俺そして女中さん達は忍び装束を纏い夜のルーデンハイム城を駆けた
鉤縄かぎなわを使って屋根からゆっくり降りて行き
苦無クナイを上手く使って横へ横へと
目的の場所へと近づいていった
枢機卿ライオネロは伝令兵から2人の勇者、聖戦士達が既に討ち取られたと知り
あの拷問にかけた娘を暗殺しなければと側近数人を連れて地下牢獄へと降りて行った
地下に降りると見張りの兵士1人が既に殺され、もう1人の若い兵士は鮮血にまみれ放心状態になって震えていた
「オイっ一体何があったというのだ」
「わっわからない突然黒装束のヤツがやって来て俺達を襲って逃げていったんだ」
ライオネロは鉄格子の中に黒い髪の女が
背を向けて座っているのを確認し
安堵のため息をつく
「ではまだこの近くにいるというのか」
側近達は周囲にランプを照らした。すると、壁や床に血痕がついていたのを見つけた
「なるほど一対一で戦っている所をこの
小僧が背後から刺したとかそういったところかな」
若い兵士は震えながら頷いた
「そうかそうかよくやった
ワシは法衣に血痕が付いたので着替えてくるお前達は兵士達と協力して捕まえろ!
手負いの侵入者はまだその辺に隠れているかもしれん」
「分かりました。オイお前行くぞ」
側近達は震えている若い兵士に手を貸して立ち上がらせ、兜と剣を渡し、地下牢獄を後にした。
ライオネロは手にも血痕が付いていたのに気付いて手を洗いに上の階のバスルームへと向かった
バスルームの目の前の廊下で2人のメイドとすれ違った 2人のメイドは軽く会釈して
通りすぎた
風呂上がりを思わせる良い匂いがした。
階段を上がり側近達は兵士達と合流した
先程震えていた若い兵士は少し遅れてようやく追いついたまだ少し怯えているようにも見える
「いいか相手は手負いだ恐らくどこかに隠れているんだろうから散開して探してくれ
見つかったら直ぐに取り押さえろ」
側近達は先程の負傷している若い兵士を後ろにそしてもう1人の兵士を先頭にまた地下の方に降りて行って地面についている血痕のあとを追いかけた。
「血痕がここでとぎれてる」
ランプを持って立ち上がり兵士の方へ振り向くと兵士は既に喉を貫ぬかれ立ったまま絶命していた
「あっあぁうわあぁ!!」
側近達は悲鳴を上げ来た道へ走り出した
トロトロと歩いている1番後ろの負傷している若い兵士がいた 「小僧っ!オマエあそこに侵入者がい……」
側近達は若い兵士に剣で一瞬にして切り刻まれた
若い兵士は兜を投げ捨てた。
兜の中にあった顔は先程見た顔ではなかったのだ
「おんなぁあ??」
彼らが初めてみる美しい女性の顔だった
側近達は驚いた表情のまま絶命した。
ライオネロはタオルを取り
洗面所で手を洗ったついでにお湯で顔を洗い
「全くこんな時にゆっくり風呂などに浸かりおって
これだから女というものは」
タオルで顔を拭いて鏡を見た瞬間背後に
黒装束が立っていた
「誰がぁあっかか」
声を上げる前に三尺手拭(さんじゃくてぬぐい)で首を絞められながらも右手で黒装束の被ってる頭巾を取ると見覚えのある顔の若い男だった。それは先程地下牢獄で震えていた
若い兵士だったのだ
ライオネロは驚いたまま意識を失った
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